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yuusha hisui ha sekika shita
笑った。途中で一体何を読まされているのか……とぽかんとする場面はあるが、そこも含めて面白い。好きなものを好きなように書いてる自由さが感じられるとこが好き。読んでいてとても楽しかった。
ヒスイは性格極悪で、パーティーメンバーに見捨てられた勇者。魔王に石にされ、意識があるまま百年を石として過ごし、ヘマに拾われる。
石状態で常に心の中でツッコミを入れるその内容は、確かにとても口が悪い。でも自分で分かってやっているので受け入れやすい。他人の不幸を喜ぶ自分を客観評価し認めたうえで、素直に性格悪く生きている。ここがとても魅力的。
ヘマはパーティーを追い出されたヒーラーが実は優秀でしたっていう、どこかのWeb広告みたいな設定。度が過ぎる天然で最初は心配になったけど、ヘマの無垢さがヒスイの心に刺さっていく描写がとても良く、最後に出て来たチート設定もあり、気付けば大好きになっていた。特に後半の活躍は笑いと感動を呼ぶ。
いざ石化の呪いを解きに、という展開は、なんとも変な方向へ。迎え撃つ相手がつわりが辛くて殺してくれと泣き始め、魔王とは痴話げんか。やたらと描写が長いと思ったら、この二人はスピン元の主役カプだったらしい(初代様と犬)。
もうめちゃくちゃな中、ヘマを追い出したサンゴの件に決着がつけられ、魔王もヒスイに倒される。これがヒスイの性格の悪さを活かした倒し方になっていて、ある意味平和で笑えて面白かった。
二人の結末は、じんわり泣いてしまった。ヒスイのヘマへの想いが驚くほど真摯なのが伝わってくるし、こんなヒスイを引き出したヘマのすごさに感嘆する。
文体がカジュアルなので、目で読むより耳で聴く方がより楽しめそう。この作者さんの他の作品も読みたくなった。
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