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kimi to shinu tame no koi wo suru
読む人の心に深い余韻を刻みます。傷ついたふたりが再生していく希望の光を見せてくれるような作品でした。二人の不器用で切ない恋愛は、「死ぬための恋」から「死ぬまでの恋」へと変わっていき、そこに込められた想いに希望を見出すことができました。
印象的なのは、登場人物の心情が非常に丁寧に描かれている点です。「一緒に死のう」という言葉の裏には誰かとつながりたいという切実な思いが込められているように感じ、胸に刺さりました。クライマックスでは、仁が悠季をかばい傷つき、入院中に自らの過去と対面するシーンがあります。父の愛情に気づいたことで、仁は自分自身を赦す一歩を踏み出します。この過程は「愛すること」と「生きること」に対する仁の意識の変化を象徴しているように感じました。
また、悠季が仁と一緒に「生きたい」と願うようになる姿も、心に残ります。二人の成長と愛の本質を強く感じさせられました。
この作品は、一見して暗い物語のように思えますが、読んだ後には前向きな余韻が残ります。そこには人間が愛して成長し、再生する力があることを感じました。同時に、「人を愛するとは何か」「生きる意味とは何か」という課題が心に残り、考えさせられます。 「生きていく」という選択をする意味を考えさせてくれる作品でした。
あらすじの「じゃあさ、俺と一緒に死なない?」から、衝撃を受け、高校生のお二人に、いったい何があったのか?なぜ、そんなお言葉を口にされる事になったのか?
ドキドキしながら、拝読させていただきました。
序章の主人公の仁くんの思いと悠季くんとの運命的な?出会いから、お話に惹き込まれました。
ただ…読み進めると、読み進めるほどに、仁くんの心の傷に胸が痛み、悠季くんを想うお気持も切なくて…
そして、悠季くん…
自分自身の心と身体を傷つけることで、そうすることでしか、そうしてでも愛されているという実感を欲した悠季くん… でも、偽りの愛では満たされる筈はなく、傷付き続けている姿に、更に胸が痛みました。
「じゃあさ、俺と一緒に〜」のその言葉の奥に隠された、二人の本当の思いとは?
約束のもと、恋人同士になった、仁くんと悠季くんの、すれ違いながらも、必死にお互いが思いをぶつけ合い、葛藤しながら、またすれ違う。
最後、心から思いを寄せ合っていかれる姿・過程に、
悲しみの涙から、安堵の涙を流せました。
「一緒に生きたい」とお互いが思いあってくれて、本当によかったです。
子供達に罪はないのに…
仁くん悠季くん目線だけでなく、時々、親(自分)目線になって読んでしまいました。
どうか、これ以上傷付かれることなく、ご一緒に幸せになってほしいです!!
終章で、前を向いて、未来に進んで行かれる仁くんと悠季くん、そして、彼らに寄り添ってくれる向井さん・お父さんの姿に、これからの皆さまの幸せを願うばかりです。
素敵な作品をありがとうございました。