ぱるりろん
anohanashi no tsuzuki
木原音瀬先生の商業誌番外編を集めた同人誌です。
いろいろ読めて懐かしかったり楽しかったり。お得な一冊。
ひとつずつ。
「朝の光」
「ラブセメタリー」の後日談である『UNKNOWNの棺』(同人誌)の更に続き。
非常に感慨深い。
最初は意地悪な好奇心だったはずが、いつの間にかこんなに深い関係に。
特にこの「朝の光」では、お互いがお互いにがんじがらめになっている。
俯瞰してみればこの二人は、その感情自体がどうであれ、出会ってくっついて別れてやけぼっくいに火が付いて一緒に暮らすという、まあまあごく普通のカップルの歩む道を行っていて、王道といえば王道。
だけど高野の癖強キャラと与の語り口で、味わい深い味付けになっています。
特に最後の場面は最強の告白に戦慄すらおぼえました。末永くお幸せに。
本書のR18はほぼこの作品に掛かっています。(「友達のこと」にも若干)
また、本書のページ数の半分以上はこの「朝の光」です。
「Scrap」「選挙にいこうよ」
どちらも「捜し物屋まやま」の番外編。
これらは3巻の後日というわけではないです。
「Scrap」は、pixivに「intermission」として掲載されていた、伊織利が光を事務所に初めて連れて来る話。
時点としては結構前なので、懐かしくもありました。
先生が言うには「season2 第二話前編になる予定でしたが、ちょっと原稿が進みづらかったのでボツに」とのことですが、全然まったく読みづらくなんて無いです。
「選挙にいこうよ」もpixivで公開されてました。当時のタイトルは「選挙いったよ!」編でしたが、中身は同じものです。
選挙の投票証明書で限定アイスがもらえるということをわちゃわちゃ話しているのをニャー視点で綴った佳作です。
可愛い。もうここの皆さんのわちゃわちゃが和みます。
「友達のこと」
「嫌な奴」番外編。小野寺くん視点。
こちらもどこかで読んだと思うのですがはっきり覚えていません。先生が言うには「一部web掲載していました」とのことなので、同じくpixivかなあ。
小野寺くん受難。三浦→杉本への片思いだと思っていたのにいつの間にか交際していて一緒に暮らしていて、それだけでも充分驚いていたのに、夜中のアレコレも聞かされる小野寺。
三浦にどの程度意図があるのか分からないけど、多分もうマンションには来ないだろうと。本当に二人の仲を小野寺に見せたかっただけだったら、やっぱり杉本が離れたくなる気持ちもわからないではないけど、でもきっとこの二人はずっとこうなんだろうなと。(三浦の方が離さない)
「ぱんけえき」
「コゴロシムラ」の番外編。サイン会の配布ペーパーとのことですが、講談社サイトにも掲載中。
(講談社さん、ありがたい)
仁科がつくったパンケーキはしょっぱいらしいです(笑)
わくわくしていた新が一口食べて表情がしょんぼりしていく様子が可愛くておかしいです。