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VIPシリーズの印象が強かったので、どうなのかな??と思って摘まんでみた作品のうち、神話・昔話風の作品の一つ。
神話オタクと「青の華燭」のあとがきに著者が書いていただけに、神話のBL風アレンジも、上手でした。
広い領土の国王が突然大神官と共に暗殺。そして王位継承騒動。
密かに神官元で養育していた前国王の直子・莉央の即位に絡めた暗殺計画。
乱暴者と噂されるガルド国の国王の庇護を得て身を護る莉央は、可愛い外観に反して内面は強か。
莉央に付き添う美貌の神官・月花と幼馴染の騎士の恋愛。
BLと貴種流離譚と恋愛譚、一度に三度美味しいものがたりでした。
既読の評価が、あまり良くないようだけど、とても面白かった。
あえて言うなら、もっと中味とマッチした挿絵にしてほしかった。
表紙の絵の色味や構成の印象が堅くて、損をしていないかな?
中の挿絵も同様に描画や表情が硬いので、ミスマッチして盛り上がりを欠いています。
月花は、もっと柔らかい身体の繊細な美人だと思うけど。棒みたい。
ファンタジーというと、どうしてもTLが連想されてしまうのですが、
いや、なかなか面白かったですよ!
元々グ○ンサーガとか、ア○スラーンとか王道ものは通ってきているので、
私的には全く違和感なく読めました。
ファンタジーのカタカナ名前が読みづらいという声に配慮してあるのか、
キャラクター名が漢字なのが、反対に違和感。
王様の名前とか、ファンタジーなの?中華系なの?とツッコミたくなってしまう。
でも、物語的には面白いし、飽きずに上下巻読破出来ました。
その辺は高岡さんの筆力かと。
……と、ここは上巻の感想を。
ファンタジーの鍵は、その世界観にすんなり入って行けるか。
そういう意味ではやたらひねくり廻した設定があるわけでもなく、
必要最低限の情報量で、キャパオーバーにもならず読みやすい。
キャラクターもそんなに多くないしね!
ファンタジーと構えて読むと物足りなさがあるくらいですが、
ファンタジーっぽいBL読みたいという欲は、充分満たしてくれると思います。
でも、BLとしてはやはりちょっと甘さに欠けるかも。
月花が神官という立場にあるので、禁欲的でなびかない。
悠仁も立場があるので、結局いちゃいちゃらぶらぶからは程遠い展開に。
それでもお互いが惹かれあっているのは読者には筒抜けなので、
この二人がどんな風に気持ちを交わし合っていくのかを、
はらはらしつつ見守る展開。
舞台は揃って、さぁ物語が動き始めたぞ!というところで以下次巻!
ここでのレビューも評価も少ないですが、
ファンタジーに尻込みしないで、手にしてみては?と、
気軽にお勧めしたい。
……でもBL的には萌えが少ないので、「萌×1」で!
異国情緒あふれるファンタジーです。
主人公が、次代の王ではなく側近の神官というのが、この話をサイドストーリー的なものにしてしまってます。
できれば、王を主人公にした話を先に読みたかったなぁ。
世界観も大雑把で、もう少し詳しく説明が欲しいところ。
くどくない方が簡潔にまとめられてて良いのかもしれませんが、せっかくのファンタジー小説が勿体無いような気がしてなりませんでした。
主人公の月花に12年ぶりに再会した悠仁が、こらえられずに陵辱してしまうのですが…。
表現はいたってソフトでした。
オトナにはちょっと物足りないかも…。
権力争いに巻き込まれるといった面白いストーリーなのですが、詳しく書かれていない部分が多くて、どうしても不足に感じてしまいます。
それが最後まで拭えなかったところが残念です。