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shinonometorao ha kataomoi wo shiranai
この物語の読み応えはスゴいッスよ!!
これだけの青春恋愛群像劇を書き上げるのは大変だったんじゃないでしょうか、作者さま。
何せ登場人物がいっぱいで、皆にそれぞれストーリーがある。
最初の物語の入りは、色んな人たちがドバドバ出てくるもんですから、相関関係図が分かりにくく、苦戦しました。が、徐々にストーリーが進むと複雑な人間模様が暴かれていき、こことここはこう繋がるのか、こんな秘めた想いが…?などなど、想像もつかない裏のドラマに大興奮!
ドキドキするような、ニヤニヤするような、切ないような苦しいような……とかく1つの感情に限定できるものではないのがこの作品の見どころです。
タイトルにもある「東雲虎雄」が、当該作品の主人公。恋のお相手は儚げ美人の同級生・禮一郎です。
虎雄は禮一郎に出会うまでは女の子を取っ替え引っ替えしていた恋を知らない男。恋愛に不誠実だった男が、なんとまぁ……片想いをしてピュアボーイに変身してしまうのです。
本気の好きを自覚した男の頑張りは見ててニヤニヤする(笑)高校生とは思えない2人のピュアさにキュンがいっぱいです!!
虎雄と禮一郎が清い恋をゆっくりじっくり歩んでいるその背景でも、皆別々のストーリーを抱えています。それもあってか、視点は登場人物の数だけ存在するっちゅう読みどころ満載なも物語構成。どの人物にも感情移入してしまって、客観的に読むのが大変でした(笑)
皆すごく魅力あるキャラクターたちばかりで、全員が主役といってもいいくらい。1人1人の抱える想いや行動様式、セリフ全てから目が離せません。
ストーリーを追うたびに、このキャラってこんな人だったんだ、の別の一面の発見が面白くめちゃくちゃ引き込まれました。
虎雄と禮一郎の恋模様が周囲の人間たちの大きな関心事になっており、そこから派生していく枝葉のストーリーによって、見えている世界がどんどん広がっていきます。
それは時に恋愛だけじゃなく、家族や友人、先輩後輩といった関係性をも掘り下げていくことになるので、BLというよりは一般小説を読んでいるような感覚にもなりました。
BLでありながら、女子の世界、女子目線があったのも面白かったですし、脇役の脇役…みたいなところまで手を広げる守備範囲の広さは単純にすごい。取りこぼしのないストーリーの奥行きの深さにシビれる場面がいっぱいでした。
彼らの背景にある様々な人たちの感情に支えられながら2人は恋をして恋愛をしているのだ、と。そんな風に感じる読後感でした。虎雄と禮一郎のBL部分だけを抽出しただけでは、この読後感はきっと得られなかったと思います。
願わくば、1人1人のストーリーが読んでみたい。
因みに私は、勇也×凛太郎カプと薫のその後が気になっています^ ^
内面描写が響く読み応えたっぷりの群像劇の濃さは圧巻。素晴らしかったです。