狂気という名の愛もある愛しすぎて殺せない。残る道はひとつだけ……

傀儡の巫女―眠る探偵〈3〉

傀儡の巫女―眠る探偵〈3〉
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×24
  • 萌5
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
58
評価数
16
平均
3.8 / 5
神率
31.3%
著者
榎田尤利 

作家さんの新作発表
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イラスト
石原理 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
シリーズ
眠る探偵
発売日
価格
¥580(税抜)  
ISBN
9784062558846

あらすじ

「――愛にはいろんな形があるんだと思う」美貌の探偵・市羅木真音(いちらぎまおん)の元に、義兄・連雀利彦から依頼が入った。『御遣(みつか)い様』と呼ばれる神と話す巫女・千厩(せんまや)乙葉が教主を務める『光の精霊回』について、調べてほしいというものだ。一方、真音を愛する殺人者・三条槇の魔の手は思いがけない方向から迫りつつあった。大切なものを守るため、苦悩する真音だが!?
出版社より

表題作傀儡の巫女―眠る探偵〈3〉

レビュー投稿数4

歪んだ愛は、愛か、否か。

眠る探偵シリーズ3冊目、
今回は真音の娘・笑子が活躍(?)します。
唯一仲良くしているティナという
父親は日本人、母親はフィリピン人のハーフの女の子が
また前向きでカラッとしていて笑子との会話が楽しい!
笑子は友達を極力つくらないようにしていたのですが
誰にでも優しくて怒ったところなんて見た事も無い儚げな同級生・静に
「友達になってほしい」と言われ…。

そこがもう既に槇絡みなんですけども、
そこまで持っていくのが本当に自然で違和感がまるでないのです!

今回、新興宗教の話が出てくるのですが
宗教の事は…よくないとかどうとか一概には言えませんけども…。
色々考えさせられました。

ですが、その中にもきっちり連雀と真音の短い逢瀬のシーンが
すごく色っぽくてドキドキしました!
隆がお昼ご飯食べに行っている40分の間、事務所で、なんて…!!
植え付けられた槇との快感が忘れられない真音に
連雀は身代わりとされるのですが
そういう愛し方しかしてやれないのが物悲しかった…。

笑子と槇の初対面では、緊張感があって
プルプルしてきそうでしたよ!
まだ中学生なのに落ち着き払っていて
槇の本当の願いをぴたりと言い当てる賢さ!
怖いけど、真音が槇の願いを叶える事の方が怖い、と
気丈な態度でいられた姿がとても印象深かったです。

槇は、今回も巧みに他人の闇を見抜き、
優しい言葉をかけ、いとも簡単に思い通りに行動させるのです。
どれだけ頭が良いんだ!!

『銃と傍観者』では、笑子の居場所を教えるかわりに
槇の願いを叶えるという取引だったはずが…。
真音が槇を拒みきれないのは
幼い頃から半身のような人間だったから。
何人も殺し、自分を苦しめるこの男を
心から憎めたらいいのに、殺せたらいいのに…と泣く真音に
槇は喜びに震えていくのです。
「俺を……愛しているのか?」に対して
言わない、言えない真音…。
その身体に槇はまた何時間もかけて愛を伝えるのですが
そこには男を一人従えて、絡み合う姿を見ていろと槇は命令します。
その男の気の毒なこと……。
真音以外は人間を人間とも思わないその冷酷さが際立ってました!!

シリーズ2冊目のあとがきで、榎田さんは
「槇は書きやすいを通り越して、勝手に指が動いて
言動に悩む事はない」という感じの事をおっしゃっていましたが
人情派な作品をお描きになってご本人もきっとそういうお方だろうに
すっごい引き出しがあるんだな!!とまた惚れ直してしまうのですw

タイトル、読めませんでした…;更に意味もわからず
読み終わった後に調べてみましたら、
「操り人形、または操られている状態」とのことです。
今回もスパッとくるタイトルだな…とまたもや唸るばかりでした!

うわー、あと1冊で完結してしまう…!!
読みたいけど焦らしたい、
でも我慢できるはずもないというジレンマにおちいるのです…。

2

今度はこっちから来たのか

シリーズ3巻目。
毎回、いったいどこから槙が迫ってくるのか、非常にドキドキする展開です。
そして、第2巻の埋め合わせをするように、性愛シーンが入っていますが、、、

槙の手が、ついに笑子にまで伸び、真音は笑子を取り戻すために槙に会いに来ます。
そして、槙の要求は、、

石原さんのイラストは硬質で、このシリーズのサイコな雰囲気にぴったり。
今回、笑子とその同級生が関わるお話なので、挿絵には制服姿の女子高校生がいっぱい。
石原さん描くの女子高校生。
結構レアな感じです。

1

シリーズ三作目

今回は探偵の娘の過去もクローズアップされてました。
相変わらずサイコなミステリーです。
ある宗教団体が引き起こす事件。BLのシリーズの一冊のエピソードとは思えないほど練り込まれてます。さすが榎田尤利さん。
そしてその宗教団体のバックには、美貌の探偵に執着している槇がいる。

一つの強烈な示唆を残して終わるラストが、なかなかいい感じの余韻でした。探偵の本当の気持ちが少しだけ見えた。

0

特殊BL

ちょっとデータベースに書き込むのに困ってしまったのですが……
ちょっと違うかも知れない^^;
設定も学者研究者は彼ではなく、彼が研究に使われているのです。

特殊な設定なのです。
BL路線と言うよりはミステリーに趣を置いている気がします。
主人公は特殊能力があり、それを使って事件を解決に導きます。
複雑な背景(生い立ち)があり、主人公を手に入れるために追い回しているのが幼馴染み。
たぶん主人公も彼を一番愛しています。
けれど彼は凶悪犯罪者。
知能犯でもあり、主人公は彼を捕まえるために奔走します。
その間彼を支えるのが亡き妻の兄。
彼とは性関係があります。
そしてもう一人腹違いの弟。
こちらとはそう言う関係ではないのですが、主人公の彼への依存度を考えるとなぜこちらとデキていないのか不思議なくらいです。
最後までにどうにかなるかと思ったのですが、それはなかった。
でも精神的には完全に攻めだと思うのですが……

先ほども書いたようにBLメインというよりは謎解きメインです。
ちょっと変わった物が好きな方、ミステリ好き、エロエロに飽きた方にはお勧めの一冊

最初読んだとき(一巻)はちょっと意味のわからないことも多かったのですが、三巻まで読めばほとんどの背景はわかりました。
しかも今回、娘が自分と父親(主人公)のことを親友に告白するシーンがあるのですが、そこが一番泣けた。

完全に「痛い」話です。
「家族」って言うテーマも持っていて、みんな淋しい人ばかり。
だからこそ愛してるとか、失いたくないって言う気持ちが強く、毎回登場する事件みたいなものを軸に浮き上がってきます。

1

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