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dokukoi ~doku mo sugireba koi to naru~
面白かった。下巻は裁判シーンが長めで上巻より地味に感じるが、物語の運びが創作のお手本のように綺麗で読みやすい。適度に続編ネタを残しつつ、大きな問題はしっかり解決。二人の甘々シーンも楽しめて、とても良かった。
始まりから志波がハルトを恋人と言っていて、ちょっとびっくり。あの上巻ラストからいつの間にこんなにラブラブに?クリスマスにペアリングを二人で選び、正月は伊豆の温泉へ旅行に。1章まるごと甘々だった。
ハルトのチート級能力は相変わらずで、パティシエとしても一流になりすませるらしい。なんでもアリで、ここまでくるとただ楽しい。
志波は仕事相手であっても嫉妬したりと恋愛脳になっていて、登場時の冷徹な様子を思い出しながら今の姿を見ると面白い。変わりっぷりがすごくて。
上巻からずっと謎だったハルトの正体と、志波のトラウマ源といえる出来事。この二つの重要な点に関わる案件が、今回の見どころ。
裁判準備の過程では、ハルトの素性が明らかになる。幼少期の描写は少ないながらも結構キツい。悪役が過剰なほどに悪役ムーブをかますので、明らかに敵だと認識しやすく、激しい嫌悪感を誘う。そんな相手に二人で力を合わせて立ち向かう構図は、読んでいるこちらの気持ちも高揚する。
そして戦うのは志波の因縁の相手。一度負けて再戦にて大勝利、はセオリー通り。ここに二人の関係の危機が絡まってきて、ストーリーもBLも盛り上がっていくのが良い。戦いながら絆が深まっていくのも良かった。
ラストのハルトの進路は、せっかく万能なのに一つに絞るのはもったいないと思わんこともない。でも志波とバディで在り続ける唯一の道であるからには、それがハルトの希望になっていくんだろう。公私ともに相性の良さを見せつけてくれるカップルだと思った。
各エピソードや全体の流れが王道なので、全てが予想通りに進んで終わった印象。それでもキャラクターの魅力と、BLレーベルの作品では読めないしっかりと調べられた裁判の書き込みの読み応えで、とても惹きつけられる。
ちらっと志波と父の話で続編を作れそうな雰囲気を感じたけど、気のせいかな。この二人の話をぜひまた読みたい。続いて欲しいな。