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kishidanchou no itoshi no hosakan ~sobakasu kishi ha dekiaisareru~
幼馴染の騎士団長と補佐官もの。
両視点ありますので安心して読めます。
オルランドよ、なぜそんなに言葉が足りないの?わざと?
二人の両片想いが強い!それぞれのやり方で全力で諦めないで相手のそばにいるために、気持ちが実るようにすんごい頑張ってます。
周囲の人々はなぜかオルランドの執着を知ってるのに、ニッキーだけはわかってない。
オルランドはニッキーの前では余計なことは言わないし、決して気持ちを気取られることもしない。
最初の80ページくらいはニッキー視点でいかにオルランドが好きか、素晴らしい団長か、カッコよくて可愛いかをひたすら語り。
だんだん2人がもっと頑張らなきゃ!もっともっと!なところに、引っ張り過ぎな…とさめてきました。
最後の数十ページはデロデロで饒舌でこれまでの無口な分を十分すぎるほど満腹でした。
もうちょっとそれぞれのパートを少しずつ切り上げたら、もっと読みやすかったかな?
すれ違いも甘々もちょっぴり長く感じました。
『宰相閣下の可愛い護衛』という作品のスピンオフ…?なのかな。同じ国を舞台にしたと作者さんのあとがきで言及があったので、チラッと作品ページを覗いてみたら、確かに本作に登場していた宰相の名前が攻め役にありました。
そっちは私は読んでいないのですが、読んでなくても内容は全然理解できるストーリーに仕上がっていたので、言われなきゃ気づかなかったくらい。宰相のお話も読んでみたいなと思いました^ ^
本作は、愛想なしの騎士団長と、その補佐役の幼馴染騎士との主従BL。騎士団長であるオルランドの脳内奇声スパイスがパンチ効いてるラブコメです。
補佐役のニッキーも心の中ではオルランド大好きが爆発してますので、2人とも似たもの同士(笑)両片想いがこじれまくってる様子は、切なさありの楽しさありの色んな感情がいっぱいでした。
このお話の見どころはそうした両片想いの側面が1つ。そしてもう1つは、ニッキーの仕事のスキル値です。
魔力を使える能力者が多くいる中、ニッキーは魔力が使えません。そして貴族の出でもないので、一般騎士という扱い。つまりはヒラの騎士ということになります。
ですがこのニッキー、事務仕事が超できる。大量の事務処理を1人でこなすキレ者で、仕事の処理も早いし仕事内容の把握も早い。すごく地頭がいいんですよね。
それに。各部署にも顔が効いてて人当たりも良いので、横の繋がりで仕事をスムーズに進める交渉術にも長けています。気遣いもできて、他者を立てる立ち回りもさりげなくこなすニッキーは、まさに縁の下の力持ち。ペーペー扱いの役職だけど、実はすごいんです。
魔法世界の中でニッキーは派手に目立つ存在ではないけど、自分の努力と頑張りでたくさんの人から評価される彼は、事務処理のエキスパートとしての能力が素晴らしい。ニッキーの活躍にはワクワクいっぱいでした!
こんなニッキーですから、オルランドのハートを虜にするのも頷けるってものです。
表面上は冷たい物言いでも、胸中では"ニッキーかわいい!"と暴れ回ってますし、嫁にする気マンマンで家族や各方面に根回ししてる独占欲にはやれやれ…( ̄▽ ̄)
有能なオルランドがニッキーのことになると冷静ではいられない姿も面白いけど、周囲の人たちにはオルランドの溺愛がダダ漏れっていうのも面白く、ニヤニヤとウフフが止まりませんでした(笑)
オルランドの思惑で距離が空いてしまう展開もあったりで、少しヒリつく感情もあったりしますが、それもこれもニッキーといるための措置。オルランドという男はどうにも感情表現が下手くそで、そのくせ根回しの戦術は一級というのだから困ったもんです。
オルランドの想いがニッキーに伝わる日がくるのか、そしてニッキーの想いもオルランドに伝わるときがくるのか、2人の両片想いの行く末をしっかり見届けて下さい^ ^
トータル的に面白く読ませてもらったのですが、一点気になることが。
ニッキーの言葉使いが、「〜っすよ」みたいな語尾になるのがどうにも受け付けませんでした。
平民の下っ端職のイメージや親しみやすさを強調するためなのかも知れませんが、どうみてもヤンキー感が拭えない。色んな上級役職と関わるのにそんな言葉遣いをするのに違和感でした。副官を目指すのなら尚更です。
そこ以外は大満足のストーリーです。感情表現の乏しいオルランドの、不器用だけど過剰な溺愛が楽しいお話でした( ´∀`)