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koi suru hoshikuzu BLSF anthology
こんなに豪華な執筆陣&表紙イラスト、鈍器文庫本サイズで1160円(外税)は、お買い得!!だと思いました。鈍器サイズなので、ちょっと持ち運ぶの躊躇するんですけど、短編集なので、通勤の電車とか、なにかの合間に読むのにちょうどよかったです。
というわけで、読んだことのない作家様の作品は新鮮な気持ちで、お馴染みのBL作家様の作品は「さっすが〜!」な気持ちで楽しみました。私はあんまりSF得意じゃないので、馴染のあるBL作家陣の作品のほうが読みやすくて好きでした。なんといっても!BL作家様たちはBL読者のツボをよく心得てらっしゃる!!と感心せずにはいられませんでした。
一番好きだったのは、榎田先生の「聖域(サンクチュアリ)」、、、近未来おじ萌え、特殊で高尚な性癖w、、えっろ!冒頭から性癖めった刺しでした。
木原先生の「断」、もおーーーー!これは木原センセにしか書けない世界観すぎて脱帽。すごいですよ。木原ファンは絶対読んでほしいです。SFっつーか、もうジャンルは「木原」でいいんじゃないでしょうか?
尾上先生の「テセウスを殺す」はちょっと難しかったんですけど、近未来お耽美な雰囲気でした。難解かもと思いながら、イメージ的なインパクトは一番強かったかも。
樋口先生の「一億年先にきみがいても」はキュンSF。可愛かった!ちょっと「星の王子様」を思い起こしてしまいました。
一穂先生のズバリ「BL」!最近の一穂先生の作品のなかで一番好きかもwちょっと切ないんですよ。でもこのアンソロの最後の作品としてふさわしい、美しい余韻の残る掌編でした。
こちら以外にも吟鳥子先生のノスタルジックな雰囲気の漫画作品もしみじみ良かったし…もし購入迷われている方いらっしゃったら、損はないですよ!とおすすめしたいです。
絶妙にブックカバーにはまってくれない、あのハヤカワ文庫サイズで580P超の分厚さ。
なんて読み応えのあるアンソロジーなのでしょうか。
男性同士の恋愛を描くBLというジャンルに、SF要素をプラスした短編小説10作とショートコミック2作が掲載されている今作。
1作あたりの長さも読みやすく、1作1作が濃くて本当におもしろかったです。
普段BLを執筆されている印象がなかったSF系作家さんの作品が読めるのもすごく新鮮でした。
これはもう、まるで宝石箱のような1冊なのではないかと思います。
近未来、現代風、どこかにある架空の世界。
AIのようなシステムに生活を管理されることに慣れた人々や、科学技術によって寿命を超越した人々。
脳の乗り換えが可能になっている、今後もしかしたらあり得るかもしれない世界。
海からの脅威に歌い戦うファンタジー要素が強い作品もあれば、オメガバースの発見を描いた作品もあり、バース性を別の種族と角度からアプローチした作品も…と思いきや、ある日突然精子が死ぬ音が聞こえるようになってしまった1人の男性の苦悩の日々が描かれた異色作まで。
物語の舞台や設定はまさに多種多様。
とてもバラエティに富んでいて、どこを読んでも魅せてくれます。
SFとBLって、思っていた以上に相性がいいのかもしれませんね。
どの作品もカラーが異なっていて楽しんで読めたのだけれど、中でも榎田先生・木原先生・尾上先生の作品に心惹かれました。
特に木原先生はいったいどうやってこの設定を思いついたのだろう…
発想も話運びもおもしろくて、気がつけば没頭してページをめくる自分がいました。着地点がまたすごい。
近未来や、少々癖のある設定がお好きならきっと好みの作品が見つかるはず。
一気に読みふけりたい方にも、ちょっとずつつまんで読みたい方にもおすすめです。