鬼と天国 小説番外編

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鬼と天国 小説番外編
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%
著者
阿賀直己 

作家さんの新作発表
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媒体
小説
サークル
海月文藝〈サークル〉
ジャンル
シリーズ
鬼と天国
発売日
価格
ISBN

あらすじ

『鬼と天国 小説番外編』
阿賀直己/挿画:お吉川京子

商業コミックス『鬼と天国』番外編・小説短編集
以下の2編を収録。

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『いまのところはこれで』
浦部保美(『鬼と天国 再』登場人物)視点の物語。
偶然にも青鬼と天獄が恋人同士であることを知ってしまった保美は、静かに二人の動向を見守ろうと心に決めていた。
しかしそんなある日、同僚の波多野から「二人のことを詮索しないでほしい」と釘を刺されてしまう。

『ふつうの恋愛』
波多野悠真視点の物語。
青鬼と天獄が恋人同士であることは理解しつつも、天獄への気持ちは悠真の中でいまだ燻ぶり続けている。
同性を好きになること、好きな人に好かれること、「恋愛」の難しさに悩む悠真は、ある出来事をきっかけに自身の気持ちを保美に打ち明ける。

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青鬼と天獄をとりまく人たちを主人公に据えた番外編です。
どちらの小説にも、青鬼&天獄が脇役として登場します。

表題作鬼と天国 小説番外編

天獄学、32歳、高校の保健医
青鬼篤郎、高校の国語教師

レビュー投稿数1

「鬼と天国」ファンには沁みるはず…!作中の女子・浦部さん視点のお話に特に共感

先日のJ庭で手に入れ、やっと読めたこちら。
「鬼と天国」ファンの方なら、読んで納得、間違いなく沁みる…!と思える、
読み応えたっぷりの小説でした。

これ、”小説だから”という理由で躊躇される方もいるかもしれないんですが、
すごく良かったのでぜひ…!!と強力プッシュしたい。
かなり密度が濃く、脇役キャラの背景やその二人から見た天獄×青鬼というカプの姿が
伝わってくる。

「鬼と天国」のカプ2人はもちろん登場するんですが、本作の主役は彼らではなく
”職場で推しカプ爆誕!”の女子・浦部さんと、今もまだ天獄への恋心を持つ波多野悠真です。

それぞれのキャラ視点でのお話が一編ずつ入っていて、特に浦部さん視点が
自分には刺さりました。

男性が苦手で、リアルな恋愛には興味が湧かない(アセクシャルに近い感じなのかな、と思いました)浦部さん。
「天獄×青鬼」カプが付き合っていることを、「女性には多いことだけど詮索するな(要約)」と波多野に釘を刺され、悶々とするシーンが印象的。

詮索する気なんて全くなかった彼女ですが、そこよりも「女性はそういう人が多い」
と、浦部自身のことを全く無視して女性を一括りにし攻撃的な態度をとる
波多野への反発。
だけど、相手の発言を咀嚼しよく考えてから発言するタイプの彼女は咄嗟にその場で
言い返すことができず、フラストレーションを溜めてしまい…

と続くお話です。

「女性」として一括りにされたことに対する彼女の反発にも、
後から一人で「くうううううっ!!」となっちゃう気持ちにもおおいに共感。。
(自分も瞬発力がなく「言い返せない悔しさ」を味わうタイプなので、、)

でも!ここからの展開がまた面白くて、翌日の波多野の言葉によって
二人の関係性がグッと近づいていくんですね。
で、穏やかに会話しているだけで、若い男女だから…と余計な詮索をされ、
当人達はうんざりしたりする。

いや、あるよねこういう風景…と思い当たるシーンや出来事が本当に多かった。。

嫌な出来事、んん?って思う出来事は日常の中に常にあるけれど、
思いがけず相手の懐を覗くことになり、見えてくるものもある。

人生、毎日、そんなに捨てたもんでもないよね、なんて思えるお話でした。

天獄に想いを寄せる波多野視点のお話も良かった。。
切なさと、その先にある希望がちらっと見えるもので、
一冊読み終わった後はしばらくじーんと余韻に浸ってしまいました。

心に沁みる、番外編でした。

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