子薫仙郷

shikunsenkyou

子薫仙郷
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
5
評価数
1
平均
5 / 5
神率
100%
著者
月夜堂 

作家さんの新作発表
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媒体
小説
出版社
メディアチューンズ
レーベル
発売日
電子発売日
価格
ISBN

あらすじ

愛する男を失った子薫は、深い山の中で仙人や天狗とともに生きることも死ぬこともせず、時代を超えて存在していた。
子孫の津野瀬一族はその土地の医療を担っており、現代の子薫は彼らの病院でボランティアとして働いていた。そこに新任医師の加賀がやってきた。

ファンタジー風味の長編ラブストーリー。

表題作子薫仙郷

内科医
仙人の弟子で不老不死

同時収録作品子薫仙郷

都の武人
仙人の弟子で不老不死

レビュー投稿数1

永遠に存在し続ける子薫と輪廻転生

面白かった!津野瀬村という小さな集落が舞台のファンタジー。神や仙人や天狗が人と共に生きていた時代から現代まで。この長い長い時間の中に存在し続ける子薫と、生まれ変わっては現れる子薫を取り巻く人たちの物語。
何百年の時が経っても子薫に執着し続ける朝恒の魂がすごい。

村が飢饉に見舞われ、神に供えらえた赤子は、仙人の弟子となり不老不死の身体を得る。生も死も放棄したと語る子薫にとって、初めて心を通わせた朝恒が心の支え。朝恒が亡くなると、山の神は朝恒の転生を約束し、子薫は再び巡り合う日を待ちながら過ごしていく。

というのが前半の大まかな流れで、話の舞台を整えたともいえる部分で、ここから先をぐっと面白くしてくれる前段。

後半は、朝恒の生まれ変わりである加賀と子薫の物語。
加賀は自分の中の朝恒が子薫を求めていると気付き、自身とは切り分けて考えながらも、自分も子薫を好きになると申し出る。

加賀は一見軽い調子の医師だが、付き合えば一途で誘惑にも乗らない。人間観察力が高く、非科学的なことでも受け入れる素直さと柔軟性を持つ。朝恒を想いながら抱かれる子薫への接し方が優しくて、惚れてしまいそう。

二人の仲を裂こうとするのは、嫉妬に狂って錯乱した一人の男(妻子持ち)。やり方があまりに激しくて、ハラハラドキドキが止まらない。子薫の決断に胸を痛めたり、天狗の翠嵐の活躍が可愛すぎたり、目が離せない展開の連続。
結末は夢のような光景が広がる中でのハピエンで、泣いてしまいそうだった。

転生者は朝恒一人だけでなく、あのときのアイツか!と思う場面が何度もあるのも面白いところ。クズは生まれ変わってもクズなのが因果というかなんというか。

次に子薫の前に現れるのは、朝恒の魂なのか加賀の魂なのか両方なのか。分からないけど、再度の転生は執念でやってのけそう。
今作は別シリーズに繋がる一作でもあるらしく、そちらも読んでみたい。楽しかった。

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