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読んでいて胸が締め付けられました。主人公三浦の好きになってどうにもならない気持ちが暴走してつい告白してしまったものの、あっさりとそんな風にすきにはなれないと拒否られてしまいます。
まあ、堂島の気持ちもわからなくない。ついさっきまで「友人」だった人を次の瞬間から「恋愛対象」にしろって言う方が無理でしょう。^^;
そのまま会わなかったら、その思いは風化してちょっと辛い思い出でおわったのに、大人になって再会してしまいます。しかも、彼女付き。仕事でお世話になってるお店のお嬢さん。
これは痛い!痛すぎ!きりきりきます。
欲しいのに、手をだせない悔しさや、せつなさがじりじりきます。
とうとう、目の前の2人を見ていられなくなり仕事もやめてしまいます。だのに堂島は、三浦のことも心配でおいかけて「区切りがつくんなら、一度寝てみるか・・」って。
おいおい、区切りつけてから言えよ。堂島
でも、心が伴わないことをしても、心の寂しさを埋めることができないことがはっきりわかり余計に傷つく三浦。しかも、区切りをつけるために寝ちゃった訳だから、終わりにしないといけないと余計に追いつめられます。
どうすんねん、三浦ぁ・・ってとこで、「好きで好きで好きで」おわります。
ええーってここで放り出してはいけません。
ここから堂島視点でお話です。まあ、こっちがあるから報われるんですが。どうなることかと思いましたが・・堂島、自分の気持ちに気づくの遅すぎだよう。
もうあらすじ読んだだけで泣きそうになったんですが(高遠琉加さんになら裏切られないで済むと完全に信じてるもんで)、中身もヤバかったです。
号泣号泣また号泣で、涙腺が決壊しました。
ちなみに高遠琉加さんの本は、読むのを封印してる本が何冊かあります。理由は、もったいないからwちびちび読むのだ。もし私が今日事故死したら、「た、高遠さん…」と言い残して死ぬと思います。棺桶には未読本を入れてやって下さい。でないと祟ります。
前半は受視点、後半は攻視点です。
ストーリーだけを書くと、なんてことのない内容なんです。
高校時代に片思いだった人と再会し、高校時代をトレースするかのように──いやそれ以上に苦しみ、そしてやっと結ばれる、という。
その『なんてことのない話』を、高遠琉加さんの筆は、鮮やかに描写する。
受視点のラストは、痛々しすぎて見てられないです。
そこから攻視点へと移り、時間がさかのぼり、同じ場面で攻がどう考えていたかがやっと分かる。同じ場面を繰り返してるのに、まったく飽きなかったです。ページを戻って受視点での同じ場面を読み返しながら、食いついて読んでしまった。
名作。
硬派攻な堂島×健気受けな三浦(高校からの同級生同士)
身体に負わされる傷より、心の方が痛いのかもしれないと思わせる位、切な痛い話です。
高校時代に片思いしていた堂島に、働いているフラワーショップでの偶然の再会。
おまけに、職場の娘さんが堂島の恋人だった。
周りの人は、みんな優しい。堂島だって、過去のことなんかなかったことで、普通の友達として接してくれる。
だからこそ、気持ちの出口がない。誰にあたるわけにもいかない。
自分のものではないのだから──、そんな権利はない。
四面楚歌すぎて、いますぐ職場をやめるべきじゃないかと思う位な状況で、三浦は頑張ってしまうのです。
ほんのささやかな幸せにひたっても、後ろめたさから楽しむことも出来なくて。
心根のまっすぐさが真面目すぎて、どんどん自虐的になって自分を追い込む姿が可哀想でなりませんでした。
ただ、好きになっただけなのに……、それだけが難しいんでしょうけれど。
この章だけで終わったら、三浦の今後が心配すぎてしょうがなかったですが、堂島視点で続きがありました。
堂島は、三浦からずっと好意を向けられていたから、ちょっと傲慢に許容している面がある。
かと言って、熱くて重たい感情をぶつけられるのは、怖い。
真剣な相手に向き合うには、自分自身も真剣にならないといけないので、三浦の一途さが怖いのもわかりました。
恋をすると、ずるかったり嫉妬したりと綺麗事だけでは終わらなくて、堂島も色々と悩んでいた。
最初はやや見限り気味だったんですが、最後には、堂島のことを見直しました。
堂島を捨てればもっと楽になれるのに、捨てずに気持ちを大事にしていた三浦がいたからこそ、この結末を生んだんだと思います。
高遠さんがあとがきで、雑誌にこの主人公たちの高校時代のショートストーリーを書かせていただいたので──と記載があったので、どんな話なのか気になって探してみました。
小説b-boy 2004年1月号(第11巻第1号)に、5年前の高校2年生時代の二人の話が掲載されています。
今回の本に未収録の話で、タイトルは、『恋は雪のように降りつもる』で、冬の話です。
短編でしたが、三浦限定で発動する堂島の無自覚たらしぶりが溢れんばかりにまき散らされていたのと、いまにも溢れそうな三浦の切ない思いに心臓がきゅっとなりました。
高校時代はもっとも2人の距離感が近い時代なだけに、近くにいられるのが嬉しいけど辛くて、でも側から離れられない。
そんなジレンマが垣間見えて、近過ぎるが故の苦痛の切なさにしびれました。
いつの日か、文庫化の際には是非収録して欲しいエピソードです。
でも、これだけ苦労して結ばれただけに、ラブラブなエピソードもやっぱり見てみたいですね。
シンプルに、けれど最適の描写で綴られていて、それがいっそ心地良いほど切なく胸に響きます。何度もそういった『苦しいポイント』があって、泣いてしまいました…。三浦の痛々しいまでの想いにもですが、堂島の過去からくる寂しさにも。
ぜひぜひ、未収録の短編と合わせて文庫化して頂きたいです。絶版なんて勿体ない!
片思いの話ですね、ウン。
高校時代の同級生を好きになって、それで卒業間際に告白して…振られる。
それで5年後に偶然、再会して、まだ思いを引きずっている自分に気づく。
「ありがち」な設定ながら、その間のココロの痛みと揺れの描写はとてもよくできている。
…がっ!
相手(攻め)視点の後半はいらなかったかなー。
理由も何もふっとばして片思いする受けの思いはよくわかるんだが、それを受け止める側の心の揺れに共感できない。
「相手に好かれているからそれにつられた」っていうバッドな印象がつきまとうわけですよ。
まあ、ハッピーエンドでめでたく結ばれるためには攻めの視点が必要なんだろうけど、それがかぎりなく辻褄あわせに読めてしまうんだな…。
流され侍には、「情がわいた」程度の話でいーと思うんだ、ウン。
そこから無理くり、駆け足で相思相愛になる必要はないかと。
どうしても相思相愛にしたいなら、木原音瀬級の動悸・息切れ・イライラの持久戦が必要ですw
高遠先生の繊細な筆致には、近年にない感動を感じましたが――いや、ホント、前半の心理描写だけなら、展開で引っ張る木原先生より細かい。
その分、後半の展開が残念。
高校時代の片想いの相手・堂島と5年ぶりに再会したのは、三浦が勤めるフラワーショップの娘・由布子の恋人としてでした。
今でも、やっぱり好きで好きで。
でも、実は由布子には幼なじみの元カレがいます。堂島や由布子や元カレを見て、「もし自分が女だったら…」と考える三浦が何とも切ないです。
三浦自身も、どんどん自分を追いつめちゃいます。
「見ているだけでいい」なんて言うきれい事だけですまなくなるのは当然です。だって、今でも好きな堂島がいつでも目の前にいるんですから。
でも、その男は他の女の恋人で。その女に嫉妬をしても仕方がなくて…。
とうとう言っちゃうんです、由布子に「二股をかけてる」って。で、そんなことを言う自分が許せなくて、フラワーショップを辞めてしまいます。
心配した堂島が三浦の部屋へやって来て
「まだ俺のことが好きなのか?」
「…ごめん…好きで…消えてなくなりたい」
「おまえを…どうしてだか放っておけないんだ。もしもおまえがそうしたいなら…」
と言うことで、1度だけなら…って堂島に抱かれる三浦。こんなことしても、区切りがつくどころか、余計辛くなるだけで絶対忘れられなくなるのになぁ…。身体だけ繋いでも、心は別のところにあるって空しいですよね。
でも、そこまで好きなんですよね、堂島を。ホロリ…。
案の定、後悔の固まりになってボロボロになって、友人と一緒にいるときに堂島と由布子を見かけ、「こんな恋は絶対しない」と号泣する三浦がもう可哀想で可哀想で。
後半は、堂島視点のお話となります。
「大切な友人だった」と言ったのも、告白されても嫌いにはなれなかったし、高校の時三浦をどんな風に思っていたかを傷つけずに言おうとしただけなんですよ。
でも、しっかり三浦は傷ついちゃってましたが。
堂島も決して嫌いではなかったんですよ、三浦をね。
だから、三浦がフラワーショップを辞めたあと訪ねて行って抱いた時も、三浦に触りたくて感じたくて仕方がなかったんです。それが傷つけ、取り返しがなくなると知っていながら…。
そこでようやく堂島も、自分の想いを認めます。「三浦が好きだ。そばにいないとダメだ」と。
「がんばっておまえを幸せにするから、ずっと俺のそばにいて、俺を幸せにしてくれよ」
いやぁ…何ともいいプロポーズではありませんか。こんな事いわれたら、メロメロのヘロヘロになっちゃいます。
すれ違って、なかなか気持ちが伝わらなかった2人ですが、やっと幸せを見つけられてよかったです。
2人それぞれの視点で書かれているので、どんなことを考えてたとか感じてたとかがよくわかって、すごく納得して読めました。
「何でこんな事を言うかなぁ…」と感じたことも、「ああ、そうなのね」って納得出来てスッキリです。
最近、新装版が出ていたので久しぶりに読み返してみました。
元々恋愛方面で泣くって事は滅多に無いので(家族愛や博愛系や子供、動物なんかには涙脆いんですけど~)泣きはしませんでしたが片想いの切なさみたいな物はよく伝わってくる作品だと思います。
三浦は堂島が好きで高校時代に告白するんだけどそこできっぱりと振られています。
それでも諦められないでずっと好きでいた所に、思いもかけない形で再会する。
元々男の自分にそういう感情を持つ事はないとはっきり言われているし、付き合っている女性ともお似合いだしで切なさだけが段々とつのって行くばかり。
それでも会えるのが嬉しかったり、嫉妬する自分を嫌悪したりとまさに片想い。
片想いの切なさにぎゅっとなって、最後やっと良かったねーって思える作品ですな。
受け視点・攻め視点からなる前後編です。
5年前に振られた相手に再会し、今でも好きだけど相手にはもう恋人が居て2度目の失恋…というせつない設定。
お話の幅は広くなくてさらっと読めます。
それが両視点で描かれており、うまくまとまってます。
だた、あまりにも攻めの堂島のキャラクターが好きになれず、読んでいて複雑でした。現在の恋人・由紀子さんも「心から好き」というわけでなく、けれど5年前に振った三浦が気になって彼女に内緒で寝てしまう。
しかも、後半で「もう一度する?」だと??不誠実にも程があるよ~って感じでした。
5年前三浦を振ったときは本当に「そういう相手として見れない」と思ったんだと思います。それが5年経ってから気になる、という心理が、丁寧に心理描写を入れてくれてるんでしょうがどうにもしっくりこなかったです。
それと、以上のことから堂島のことを、三浦が5年も経ってるのにまだ好きだって思えるほどのキャラクターだとも思えなかったです。。
ただ前半・三浦視点のお話は繊細でせつないモノローグに心を揺さぶられて、さすが高遠さんだなぁという感じでした。
攻←受度:★★★☆☆
糖度 :★★☆☆☆
コメディ:★☆☆☆☆
切なさ :★★★☆☆
◇感想:Q&Aで攻←受な作品を姐さんに教えていただきました!
文章もキレイであっという間に読めました^^ちょっと絵が苦手(><)
◇私的に感じた攻め受けの印象:無神経攻め、悩み受け