お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
透をかばった傷も癒え、藤島の退院の日がやってきた。
自分の気持ちを告げ、恋人としての関係を望む透に藤島の反応は複雑だ。
そして今語られる二人の過去。
その先にあるものは……
不器用な藤島の想いと、どうにもならない情況が切ない。
すべてを支配する母親と、そこから逃げ出せない藤島。
彼の唯一の救いが透だったのだろうけれど、それすらも上手くいかなくなる。
贖罪の気持ちと愛は違うのかもしれないけれど、気がつけばその区別がつかないがんじがらめで。
描かれる過去が凄惨なほど、記憶を失った透との今この優しい時間が愛しいです。
藤島がもっと幸せになればいいのに。
そう思えば思うほど、ラスト一冊が不安です。
木原さんだけに何かが起こりそうな予感。っていうかほぼ確信。
それでも、やっぱり読んでしまうのだけれど。
三部作の二冊目。
この巻で、主役二人の過去が明らかになります。
この過去が、とにかく「悲惨」の一言。
母親の首を締めたくなりました。
容赦ないです、木原音瀬さん。
でも透は、その母親以上に、藤島の裏切りを恨むようになる。なぜなら藤島は、「たった一人信じてた相手」だったから。
同時に、藤島がずっとずっと長い間、後悔にさいなまされながら、透ただ一人を愛し続けていたこともわかる。
過去の自分のあやまちを悔やみ、今まで積み上げてきたすべてを投げうって透を助けようとしていたのだ。
しかも、見返りを求めず。
記憶は戻らないんですが、もう戻らなくていいと思いました。
藤島は過去のすべてを打ちあけ、「今」の透はそれを受け入れて、それでも藤島への愛は変わらない。
この巻で『終わり』にしても、ぜんぜんokなストーリーです。
謎は解けたし、みーんな幸せだし。
あまあまのSSは赤面するほどですw
でもこの甘ーいSSですら、怒涛の三部を盛り上げるための材料になってたりする。
そう、木原音瀬さんは、「第三部を書きたかった」とおっしゃってます。
つまり、ここまでの二冊は、第三部を盛り上げるための「序章」なのだ。
序章にして「一つの作品といってもok」という、この完成度っていうのがスゴイ。
で、
壮絶極まりない三冊目へ。