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発売日2004/08・・古典BLと言ってもいいのかもしれない。
今だに人気がそこそこあるのに、電子版が出ていないので、中古本を買いました。
灰原桐生さんは、2004.11月以降、新しい本が出ていません。
ぱったり活動が止んでます。
灰原さんの「狂暴につき」シリーズは、怖い人が登場しても、流血が無い。
恫喝するだけ。
束縛を嫌って逃げ回る千尋に執着する秋一郎の、追いかけごっこのようなラブコメディの短編集。
読後に悩まないし、モヤモヤしない。笑ってオシマイ。
軽い内容だけど、日本語が丁寧で、きちんとした文法で書かれているので、とても読みやすい。
病院の待ち時間、乗り物を待つ合間に読む本にぴったりでした。
何のかんの言って、二人はラブラブな二人の、中編だか、短編が3本入ってる話。
1話目は、千尋が大学卒業したら勤めることになっているホストクラブでの歓迎旅行に秋一郎が「行くな!」と言い出して、やきもち焼きの秋一郎に千尋がキレて、家出しちゃう話。
千尋は旅行から帰っても、しばらく知り合いの家に泊めてもらって秋一郎のところから身を隠していたんだけど、結局、秋一郎につかまってしまう。
強面な秋一郎と千尋は喫茶店で、物騒な大喧嘩をするんですが、その場には千尋の元保護者の加賀谷もいて、加賀谷の寿命は恐怖にかなり減ったと思うんですが……
最後には「秋一郎と一緒じゃないとつまんなかった」と言って仲直りをする。
結局、ラブラブ。
巻き込まれた加賀谷がかわいそうだと思います。巻き込まれるだけ損したかと……
本当、犬も食わないので口を挟まない方がいいかと……
2話目は、1話目の仲直りで、秋一郎と千尋が高級な温泉旅行に行く話。
基本的には、相変わらずの調子で、小さな小競り合いはあるんですが、温泉でいちゃいちゃしてるだけ。
安定期に入ったカップルなんて、そんなにやることがないんだと……。
3話目は、千尋と秋一郎、そして番外編で出てきたまさきと芹のカップルのそれぞれの事情の話。
千尋は、21歳年上の恋人で弁護士の秋一郎が、最近多忙を極めていてものすごーくつれないことに不満がいっぱい。今年で40代になった秋一郎がスキンシップを図ってこないことが千尋の不満の種だった。
千尋はそのことを、同じ職場でバーテンとして働いているまさきに相談するが、まさきはまさきで、7歳年下の恋人・芹に熱烈に求められすぎて困っていて……
そこに、もう一人別の同僚が現れて、漢方を勧められる。効果絶大だというその漢方を千尋は「精力増進」のものを、まさきは「精力減退」のものを手に入れたはずが……という話。
実はこれ、二人の買ったものが落とした拍子に入れ替わってしまっていたってことなんですが。
もちろん、そういうことには敏感な秋一郎は口にすることなく、むしろそれを口実に千尋に襲いかかります。
なんていうか、こっちのカップルはちょっと千尋が考えなしだよなあ……と思います。
普段あんなに「ひいひい」言わされてるのに、秋一郎の精力が衰えてるなんて、いったいどうしてそんな考えに行きつくのか……。千尋はもうちょっと過去を振り返った方がいいよ。いつも、自分の方が先にダウンしてたでしょ?
けど、もう一組のカップルは、まさきがちょっとかわいそうだったかなぁ……と、思わないこともないです。
だってねぇ……芹の相手はまさきには本当に、大変そうよ……ちょびっと同情しておきます。