刑事さんの転生先は伯爵さまのメイドでした

keijisan no tenseisaki ha hakushakusama no maid deshita

刑事さんの転生先は伯爵さまのメイドでした
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×23
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

119

レビュー数
3
得点
29
評価数
8
平均
3.6 / 5
神率
12.5%
著者
桜部さく 

作家さんの新作発表
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イラスト
鈴倉温 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784815532949

あらすじ

十九世紀の英国に転生してしまった三十路の熱血刑事・諸井仁。 見た目は二十歳の青年となったジーンこと仁は、なにやら曰くありげな伯爵の家にメイドとして雇われることに。 美貌の伯爵オーガストと可愛い盛りの双子・アンドリューとローズが暮らす広大な屋敷には使用人がほとんどおらず、聞けば少し前に伯爵夫人が謎の死をとげたことが原因でみな辞めてしまったという。 夫人は吸血鬼に殺された? 仁の刑事魂に火がついて……。

表題作刑事さんの転生先は伯爵さまのメイドでした

オーガスト・シャンドル、ウェルトン地方を治める伯爵
ジーン・モロイ(諸井仁)、殉職して転生した元慶事

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数3

なぜか19世紀の英国人に転生してメイドとして生きています

今回は妻を亡くした伯爵と元刑事の日本人のお話です。

なぜか英国人に転生した受様が
伯爵家に纏わる悪い噂を払拭し攻様の家族になるまで。

受様は最悪な家庭環境で育ちますが
ある人情派刑事との出会って警察官となります。

受様は県警の巡査部長ですが、
DV現行犯で捉えた男が執行猶予付きで拘置所を出たと知り
DV相手に何かしないかと心配して向かった結果
男に襲われて殉職します。

しかし次に意識を取り戻した時には
1835年の英国にて馬車から下ろされる所という
不可思議な状況でした。

どうやら伯爵家の使用人面接に来たようですが
募集はメイドだったようで執事には困った顔をされつつも
人手は欲しいのか伯爵に引き合わさます。
この伯爵が今回の攻様です♪

2週間前に攻様の妻が亡くなり
双子の子供の世話係を欲していたらしく
受様は手が足りていないからと雇用はされますが
女性用のメイド服を提供されるのです。

とりあえずと来てみたメイド服は案外着心地も悪くなく
紹介された子供達もメイド服姿だからか
受様に打ち解けてくれた模様です。

はてさて受様の英国メイドライフの行方とは!?

妻の死によって吸血鬼の噂を立てられた攻様と
殉職して英国人に転生した受様の異世界転生ファンタジーです♪

何らかの事情によって死んでしまった受様が
異世界転生してチート能力にて攻様(世界)を救う展開は
いかにもファンタジー!! って感じで大好きです。

本作は犯人確保で殉死した受様が
なぜ19世紀の英国にて転生したのかについては
神のみぞ知るな謎設定のままです。

2週間前に亡くなった伯爵夫人が吸血鬼によると噂され
攻様が吸血鬼では!?との憶測が広がったために
伯爵家の使用人達が逃げ出し攻様と双子の子供達は
最低限の暮らししかできなくなっていたのです。

亡くなった夫人は攻様の押しかけ求婚者だったり
生まれた子供が双子なのは呪いと異端視されていたり
金で爵位を買った男爵は攻様に対抗するように
街で幅を利かせていたりと
伯爵家を巡る悪い噂は事欠かないようです。

伯爵夫人の死の真相を追う中で
現代日本人の記憶から吸血鬼の存在を疑問視した受様が
刑事時代の手腕を活かす展開しとても小気味良く
事件解決を経てのハピエンまで楽しく読ませて頂きました。

事件を追う中で伯爵家の秘密が明らかになり
攻様の苦しみに寄り添った受様が愛されるのは納得でしたが
受様が恋する過程はちょっと不透明だし

子供達の父については仕方ないにしても
結果優先な片手落ちっぽい感じがして評価に迷いましたが
推理ものとしては見事な展開&着地点で点を加味して
「萌2」としました。

0

転生メイドの事件簿

元刑事がお城の使用人に転生して不可解な事件を解決しちゃうお話。正義感溢れる主人公・仁が持ち前の刑事の勘を発動させ、転生後吸血鬼事件の謎に迫っていくという謎解きBLです。

伯爵家の子どもたちのお世話係を兼ねた雑務をこなす使用人として、男なのに何故かメイド服を着せられて仕事を与えられた仁は、"ジーン"としてこの世界で生きていくことになります。働き先のお屋敷で起きていた違和感と伯爵夫人の不可解な死の謎を目の当たりにして、刑事の本能が疼いた彼は事件の真相究明に乗り出します。

かくしてメイドと刑事の二足の草鞋を履くことになった仁の転生なる事件簿がスタートし、伯爵家にかけられた"吸血鬼"の汚名を晴らすべく奔走していくことになるのですが、時代は日本でいうところの江戸末期辺り。当然現代のような文明の利器なども、きちんとした警察体制も整っていないハンディがある中での個人捜査は大変です。それでも伯爵家のため、子どもたちのために、それまでの経験と知識を総動員させて捜査を始めます。

元々正義感溢れる刑事だった仁の捜査能力は高く、最も目を引くのはそのフットワーク軽くの軽さ。聞き込みや遺体確認をするために墓を掘り起こすなど、ホシの当たりをつけたり死因を特定したりと、見事な手際と驚きの洞察力で少しずつ謎を紐解いていきます。

元々入りはファンタジーなのに、事件解明は地道な捜査活動っていう、そのギャップがなかなか面白いですね。転生要素を除けばただの近世イギリス辺りの外国が舞台のお話なんですけど、吸血鬼っていうオカルト現象が実は爵位の嫉妬からくる醜い感情に派生しているところが、リアル感強めで見どころ満載。男なのにメイド服着てるし、転生だし、ファンタジー色が強いかなと思って読んでいたら全然でした(笑)

だけど。わたし個人的には、リアル方面だったことで楽しく読めました。
日本の警察組織がフランスに倣ったとか、領内の警察自治状況だとか、貴族事情だとか……おそらく作者さんは貴族社会のことや警察組織の過去と現在について詳しく調べたのでしょうね。へぇ〜…なるほど…ふむふむ。と初めて知る雑学に大満足。DNA検査もできないこの時代に、出来る限りの捜査と協力体制で悪を裁きにかかる断罪ショーは見事でした^ ^


事件解決色がどうしても濃いので、BL部分にかけるページはそこまで多くなかったかなと思います。
伯爵であるオーガストとの距離の詰め方は丁度いいくらいと思いますが、そこから先の"好き"に流れていくところの展開は急すぎる感じがしなくもなかったです。
一番気になったままの、オーガストの失踪した弟のことはもうあれで終わりなのかな…っていう気持ちもあったし、またオーガストの妻のポジションについてもあまりしっくりこないしで(事情は分かるけど、妻の座に収める程でもなかったと思う)、細かいところに言及すればところどころ気になるところがいっぱいでした。


事件解決ものが好きな方は好きな作品だと思います。仁の捜査力に注目して事件解決までの道のりを楽しんで読んで下さい^ ^

2

19世紀英国の恋とミステリー

オーガスト×ジーン


転生ものとミステリーが巧みに絡み合って、
19世紀の英国の上流社会背景と現代的な視点が見事に描かれている恋模様。


30歳の刑事・仁(ジーン)が、
20歳の美青年として
1835年の英国に転生してしまう。
奥さんを亡くった美貌の25歳の伯爵・オーガストと、
彼の可愛い5歳の双子が暮らす広大な屋敷にメイドとして雇われることになる。
雇われるのは「メイド」だから、メイド服を着て働くことになる。

20歳の肉体で30歳の考え方で、25歳の伯爵に仕えるという
微妙な年齢差も魅力的。

ジーンが男の子と女の子、それぞれの個性が光る双子の世話と
家事をこなす日常の中、

伯爵夫人の死亡真相と、
屋敷に使用人がほとんどいない謎が繋がってくる。
吸血鬼が絡んでくる不穏な空気感の中で、
ジーンが刑事の経験をフル活用して、謎を紐解いて、
・・・オーガストに恋に落ちる。
恋とミステリーが完璧にマッチ。

注目したいのは、
冷静な表面を持つオーガストの内面だ。
深い孤独を抱えていて、
複雑な背景と婚姻の秘密、そして双子への愛情。
さらに、恋愛対象が男性であることへの苦悩と葛藤がに胸が締め付けられる。

最初はオーガストの気品に好意を持ったジーンだが、
オーガストの内面を知っていくうちに、
(キスされて)ますます惹かれていく。

様々な出来事を通して想いを交わして、
愛情が深まっていく2人の愛情(とエッチ)がとても自然。

19世紀の英国の美しい街並みや壮麗な屋敷、
そして当時の洗練された服装が素晴らしい。

謎を解き明かすスリルと、
家族みたいな4人の温かい愛情が絶妙なバランスが良かったです。

2

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