BLコミック&BL小説、業界最大級の品揃え!
inu o torimodosu kampeki na houhou
さらっと獣人設定が入ってきて、微妙にロミジュリ要素も入ってくる感じの作品。ストーリーやキャラに引いてしまうところがあり、翻訳のせいか文章に引っかかることも多く、あまり楽しめなかった。
蒼貴は子供のころに拾った犬にゴンと名付け、家族として20年間一緒に過ごしてきた。しかしゴンは20歳の誕生日に誘拐されてしまう。犯人はゴンの実の両親。連絡をもらい、ゴンに会いに行った蒼貴が見たものは、犬でなく人間姿のゴンだった――という始まり。
ゴンは20年も犬として生活していたため、人間としての振る舞いは子供並み。蒼貴を誰にも取られたくなくて癇癪を起こし、人の子供と本気でケンカしたりする。さらに、人の姿でもマウンティングを……。
犬の行動そのままなのは仕方ないことだけど、絵面を想像するとシュールで、なんとも言えない気分になる。
蒼貴は不幸な生い立ちで、ゴンだけが友達兼家族。常に言いたいことをぐっと抑え込みながら、社会で上手く生きていこうと頑張っている。
が、ゴンに再会後、今までゴンを育てた見返りとして、ゴンの親に2億円を要求する。あっさり振り込む親もびっくりだが、受け取る蒼貴にもびっくり。その後の自己弁護も苦しいもので、主人公としてちょっと……。
蒼貴とゴンの仲は親の反対にあい、隠れて会ったりゴンに見合いが用意されたり、ドタバタ。1巻は一途なゴンと迷い悩む蒼貴、というところで終了。
全体的に、文章が読みづらいのが困りもの。頻繁にネームドキャラが「男が」「女が」「彼が」「彼女が」となり、一瞬誰のこと?となる。また、「お前」を主語にした状況説明があり、「お前が~していた」みたいな文に違和感。
ストーリーや設定は、疑問に思った点への説明が後から出てくることがあり、ツッコミを受けての後付けかな、と思った。元がRIDIの投稿小説だし。腑に落ちない内容もあって、いまいちすっきりしなかった。ローカライズもなんか変。
正直な感想は、お金を払う小説としてはどうかな、という感じ。ただ電子オンリーとはいえ、翻訳もので文庫一冊分の分量があってこのお値段は嬉しい。