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題名とあらすじから想像したのは、毎週金曜日に待ち合わせとかしていたのかと思ったのですが、そうではなかったです。
連れ子同士の両親の再婚で、義理の兄弟になった二人。
互いが傍にいる心地よさを知り、いつしか心も身体も重ねるようになったけれど、親にバレて反対されてしまう。金曜日に駆け落ちの約束をしたけれど、聖也は行くことができず、奏は離婚した母親と渡米してしまう。
それから月日は流れ、営業として働く聖也(受け・29歳)は、取引先の会社の専務として奏(攻め・30歳)と再会する。入り婿であるのに、奏は当時と変わらずに聖也を求めてきて…。
最初から最後まで、奏に聖也が押される話です。
・飛行機が落ちて、旅行中の両親が帰ってこなければいいと願う。
・一緒に大学受験をしたいから、浪人になろうと言う。
・聖也の笑顔が見たいから、仕事の融通をする。
・聖也と新しい人生を歩みたいから、離婚と離職をする。
という奏を、一途だと思うか、怖いと感じるかで、私は後者でした。
聖也に相手がいたらと思うと恐怖ですね。とはいえ、自分に自信があるからか、付きまとったりはしていませんし、暴力・精神的苦痛も与えません。
題名にも使われた「金曜日」は、駆け落ちの日のことで、ラストの空港への待ち合わせは土曜日だったりして、そんなにキーワードっぽく感じませんでした。行かなかった理由も父が倒れたというものでしたし…ちょっと残念でした。
あと、奏が奏一に改名した理由が分からなかったです。読みぬかしてだけかもしれませんが、奏がやり直したいと聖也に詰め寄る場面で、一緒に説明をしてくれていたらなと思いました。
とはいえ、奏が次々と行動を起こすので、飽きることなく読み進められました。重いほど愛をささやく年上攻めが好きな方にお勧めします。
題名に惹かれて読んでみました。
主人公は夏井聖也。
父と義母との再婚によって、血の繋がりのない義兄・竹本奏と兄弟になりました。
ところが、父は聖也に愛情がなく、義母は奏を仕事の妨げとしか思っていません。
二人はお互いの寂しさを埋めるように接近し、愛し合うようになります。
ところがそれが両親の知るところとなり、両親は離婚。ふたりは離れ離れになってしまいました。
思いつめた奏は、聖也に駆け落ちを伝えてきます。
でも結局、聖也は父親に見つかり、駆け落ちは失敗。
聖也の中には、兄を裏切ってしまった後悔がずっとありました。
ところが、二人は偶然に再開してしまいます。
建設会社に就職した聖也を訪れたのは、大手ゼネコンの次期社長となった奏だったのです。そして、奏は変わらない愛を聖也に告げてきます。
ちょっとありえないほど、聖也が愛されています。
後輩の大坂が、とても爽やかに迫ってきます。こちらのほうが粘着気味の兄さんより、ずっと良いような気がしました。
「金曜日」というキーワードは、思ったほどインパクトがなくて、直接出てこなかったのでわかりにくいと思います。また「行かない」のではなくて「行けない」というストーリーだったのも惜しまれます。
聖也の父の「常識人」ぶっている非常識さも、ちょっと粘着気味で恐ろしい感じがしました。
愛されキャラのストーリーが好きな方にはお勧めできると思います。