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nakenai tori
四冊シリーズの第一弾。
表紙も挿絵も綺麗で幻想的なのだが、物語全体が薄靄がかかったような
……と美しくも言えるが、なんともぼんやりした印象の話。
主人公の冬稀の影の薄さも一因だろう。
天才育成機関で育てられたという特殊な育ちで、
あんまり喋らず感情が出ないという設定だから仕方ないともいえるが、
そんな彼が愛を知って性に目覚める、というドラマチックさには欠ける。
相手の賀野はやさしく誠実な大人という感じなので、
エモーショナルに揺さぶられるような展開にならないのだ。
障害もあるにはあるのだが、なんだか簡単になんとかなっちゃうし。
脇役で出て来る、ちょっと毒のある久保寺が二冊目の主役らしいので
そちらはちょっとメリハリの効いた話になるかも、と期待。
幼い頃から研究者として純粋培養された世間しらずで、浮世離れした美貌を持つ青年冬稀は、育ったアカデミーを離れ製薬会社へと引き抜かれます。
そこで出会った上司、賀野の下で創薬研究に打ち込みます。
天才の名前を欲しいままにしてきた冬稀。けれど、数年経ったところでその研究さえままならなくなった頃、ある薬がライバル会社の人の手に渡り、更に薬が原因でその人が亡くなってしまいます。
テロに転用可能な薬を狙って冬稀の身が危なくなると同時に、ショックで一層研究が出来なくなった冬稀に対抗物質を作る術はなく。
多額の金を使って冬稀を引き抜いた会社は、研究のできない冬稀をかくまう代わりに美貌を生かして体を差し出すように告げられます。
世間知らずな冬稀がまっ直ぐな賀野に惹かれる様子や、欲のない賀野がはじめて冬稀に対して見せる執着が、ままならない二人の運命もあって読みながら切なくなってしまいます。
好きだから、迷惑をかけないように心を閉ざす冬稀と、彼の為に優しく愛そうとする賀野。
天才だからこそ不器用な冬稀の心情。惹かれて、惹かれて、たまらないからこそ彼が取ろうとする行動の意味が分かってしまって、感情の希薄な冬稀の考え方が愛しくさえ思えました。
私にとっては久しぶりのきたざわさんです。
そして久々のヒットかな。
きたざわさんのお得意テンプレの年上の攻めに甘える(少々幼い)受けのカップリング。
天才少年なのですが、それ故に人間としては幼く不完全。
私はこういう受けに弱い(笑)
そしてきたざわさんお得意の続編というか脇カプの話に続くようです。
そして今までのテンプレだと、こちらの方が面白いカップリングになる可能性大(笑)
次も買い決定です(爆)
攻めの義兄の社長とアカデミーの施設長? も大変気になっているのですがこちらの話もあるでしょうか?
読みたいぞ!
きたざわさんの『鳥』シリーズ1作目です。
う~ん、きたざわさんは基本的に好きだし、SF・ファンタジーにも何の抵抗もないどころかむしろ好きなんですが(そもそも『なんちゃって』程度だし)、大仰な構えのわりにそれらしい雰囲気だけですべてがあっさりさっぱりで拍子抜けしたくらいです。
さら~っと読みやすいですが、残るものも別にない。
ただ、メインキャラクターは(好みとは言いませんが)悪くないんです。きたざわさんでは十分許容範囲内。
天才型の世間知らずで天然なキャラクターも、攻なら無理なことも多いんですが受なら問題ない。特別に魅力があるとは思いませんが、嫌味がないだけでもういいんです。
それよりも、スピンオフ狙いの(実際に続きも出てますが)脇キャラクターが非常に鬱陶しかったです。
きたざわさんだからどーせスピンオフ行くのはわかってますが、それはともかくいかにも『次はこっち~』と言わんばかりでイライラしました。
私は、きたざわさん作品でスピンオフ展開の場合、大抵メインCPの方が好みです(作家さんはスピンオフCPの方がお気に入りなんだろうな~と思うことが大変多いですが)。
このシリーズも、こちらのメインCPはともかく脇の(次巻スピンオフでメインの)2人は大キライです。
う~ん、まさに可もなく不可もなくって感じです。評価は迷わず『中立』で。
シリーズ全4作。『鳥は象牙の塔にいる』『手のひらの鳥かご』『空を抱く鳥』に続きます。