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王国のドニューヴ王家が滅んだ後、庶流であるド・ラ=ロシェル伯爵家とクレイヴ公爵家によって、王座を争う内乱となっています。
攻・クレイヴ公爵家のマクシミリアン。20代半ばくらい。
彼は庶子なのですが、その武勇と政治力で王座に就きます。
受・ルネはド・ラ=ロシェル家の次男。16歳。
兄はマクシミリアンとの戦いに敗れ死亡。
妹を守るため、一族の仇であるマクシミリアンに囲われる事になります。
最初はマクシミリアンのことを「簒奪者」と心の中で罵りながら、妹の保身のために抱かれていました。
マクシミリアンは王宮に「花園」を持っています。
国内の貴族・有力者の娘たちを集めている…愛人達を囲っていると思われています。
しかし真実の「花園」は、娘達に教育する場でした。
彼は3人の妻と死別しています。
若すぎる妻の出産により子供と妻を失った経験から、政略結婚などで若くして嫁ぐ可能性の高い娘達に教育を施しているんですね。
また国民から搾取しているように見えた光景が、実は国土整備のための工事であったり。
そういった政治家・立派な国王としての姿を見ているうちに、ルネの気持ちが変化します。
王の言葉は意地悪く辛辣ですが、行動はやさしいです。
居心地の良くない東の塔に、敷物や家具などを押し付けてゆくし。
面会を禁じられている妹と密かにやりとりする手紙を見逃したり。
ルネはラ=ロシェルの名前を捨て、鈴蘭(ミュゲ)と名乗ります。
王様の花、ですね(名づけたのは当然マクシミリアン)。
気持ちが通じ合ってからは甘々ですが、国を揺るがすかもしれない危機がおき、ルネは王の為に行動を起こします。
それはアレツーサ王国からは「裏切り」としか思われない行動ですが、王と国を守るためルネはあえて「反逆者」と思われる道を選ぶんです。
自分の行動は王を思ってのこと。
それを理解してもらえると、本当は裏切っていないのだと信じてもらえると、ルネは信じていました。
当然、マクシミリアンはルネの行動を疑いませんよ。
むしろそんな手段をとらせてしまったことを悔いている。
そうやって、国王と寵姫の関係から、国王と共犯者(もしくは政治家)という大人の関係に変化していきます。
もちろん、愛情タップリですよ。
信頼も強固。
読み進むに連れて、ルネと一緒にマクシミリアンに惚れてゆきます。
同時にマクシミリアンの視点でルネの成長も見れる。
ラブも堪能できる読み応えのある作品でした。