お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
chiru no negai
もふもふです。
『しもべと犬』を読んですごく面白かったのでシリーズ制覇したくなりました。
けど読み始めたら、巫女さんだった、と思ったらもふもふ話だった。
あれ、刑事もんじゃないし、人造人間じゃなかったの?と一人右往左往しながら読んでいました。
はい、ちゃんと人造人間もののシリーズ第1作で間違いないでした。
あ、でも『人型』じゃなくて特殊な『狐型』だったんですけどね、それもお稲荷さんの神様のお使いである狐さん。
今作も切ない話でした。
100年ほど前に人に殺された狐さんを、神様にばれないように複製した狐さんでごまかそうとしたんです。
主役はその5代目の人造狐さんです。
4代目の鞘が耐用年数を経過して交換する時期を大幅に超えても最後まで勤めを全うしたい理由、
5代目の凛が別れを意識しながら精一杯の思いを込めて過ごす日々、
鞘を愛し息子のように凛を想う神主の征士郎、
凛を一途に想う颯太。
そんな彼らの切ない思いが切々と伝わってきて、辛い思いばかりで人の願いも叶えてあげられないと悲しむ狐たちの思いが哀れでした。
人の身勝手と強引さに翻弄され恐怖で縛り付けられる存在。
そして切なすぎる彼らが主役の物語に救いはあるのか、ちゃんとハッピーに終われるのか不安になりましたが、本当に良かったーと安堵した結末でした。
『しもべと犬』でも人形(作った犬たち)に優しかった製作者の一水先生がいい仕事してました。
要所要所で颯太が凛の苦しみを穏やかに溶かしていくシーンが、本当に泣けました。私の大好きな竹美家ららさんの挿絵も良い雰囲気を作り出していて、本当に大好きな一冊になりました。
シリーズ通して、世界設定が本当に素晴らしいと思います。
神社ってやっぱり神秘的な場所ですし、普段から「なんか居そう…」と思うひとは多いと思うのですが、そこからまた深く考えて、形にできるというのは、やはり玄上さんには素晴らしいセンスがあるのだろうなあと思います。
あとはやっぱり獣耳!しっぽ! 凛も鞘もかわいくって、大好きなキャラクターになりました。しいて言うなら、もっと鞘に登場してほしかったです…。あと、あの2人のお話も是非読んでみたい…! 贅沢ですが。
颯太と凛がだんだん成長していくのも読んでいて楽しかったです。特に思春期のあたりとか、すきです。
犬シリーズに引き続き、一水さんの登場もありましたが、やっぱいい人…というか、自分が作った子のことを熱心に考える人なんだなあ… と。この人にもなにか犬関係の過去があるのでしょうか…。
今気づいたんですが、千流のねがいは犬シリーズ(と呼ぶべきなのか?)の第一巻なんですね… 一水さんは初出だったわけだ… 順番に読まなくてもわかるシリーズ物っていいですね。ゆっくり揃えられるし。
玄上さんの文は、結構じっくり読まないと意味がとりにくいなあと普段から感じているのですが、千流のねがいも、然り、という感じですね…
もうすこし読みやすくなったら爆発的に人気が出ると個人的には思うのですが… まあ、文体が醸し出す独特の雰囲気も個人的には結構好きなのでこれからも歯ごたえのある文体で行ってほしいです。
最後に、わたしはやっぱり、しもべと犬より千流のねがいが好きです(くらべる対象かよくわかりませんが…)。
個人的な趣向の問題が大いにありますが、やっぱりあったかくて幸せな部分がたくさんある方が好きですね。うん。 あと分厚いので情報が多くて、話を追いやすいというのもあるのかな。 あとショタだし(序盤)。
ファンタジー系モフモフ、ケモ耳系に縁が無かった私に一大転機をもたらした本。そして、純粋さに癒され涙を流したい時に読む本として絶対を誇る一冊である。あれから色々な作家さんのを読んでみたが、この作品程泣いた(むしろ号泣の域)のものは無い。偽りの神様として造られた「きつね」のなんと愛らしく一途で切ないことか!そしてサッカー少年の瑞々しい生命力と身にまとった明るさとに 心底救われるような思いだった。征士郎と鞘の静かに燃え立つような関係も美しく胸に沁みる。この後に続く「犬」シリーズの根幹である「人工生命」と人との究極愛の起点として記念する一冊だと思う。
わんこシリーズとリンクしていて、
本作品の『きつね』はわんこシリーズの『犬』と同じ、
某研究所で細胞から人工的に作られた生命体である『人形』です。
主人公の凛を作った人形師(研究所員)・一水は
わんこシリーズでも出てきていました。
本文380ページと破格の厚みがありますが
「しもべと犬」で私を散々困らせた独特の文体はほとんど見かけず
すらすら読めました。
ここでは詳細は伏せますが
主人公が人工生命体ですから、設定から既に色々切ないです。(/_<。)
凛が『きつね』として神社に務めるようになってすぐ
颯太が小5の時に、二人は出会い、
社の赤い格子に隔てられた逢瀬を続けます。
颯太は子供なのに、すごく一途。
中学卒業まで神社に通い続けて、凛と一緒に成長します。
凛は子供の頃は、ちんちくりんのモフモフきつねだったのが
成長とともに毛も抜け替わり、綺麗な金色の姿に変わります。
口が悪くて、ツンデレ気味なのだけが変わらない…w
高校入学を前に、颯太の父親の転勤が決まり
颯太は神社のある京都から千葉に引っ越してしまいます。
で、このとき15歳なのに、致してしまうんですよね。。
子供同士なのに!?と、ちょっと驚きましたが、
ファンタジーなので流しました。(^_^;)
・・・再会愛?と思いましたが違います。
高校生なのに、すごいしっかりした子で
誰にも怪しまれずに、半月に一度ほど京都に通ってきます。
で、そのまま大人になって、初志貫徹で凛を手に入れます。
いい男だな〜。(〃∇〃)
凛を社から連れ出すシーンなんて、格好良すぎて惚れ惚れしました。
たくさんのしがらみのせいで、
人間と幸せになるのは無理そうな凛だったけれど
八方丸く収まって、幸せなエンディングを迎えます。
ご都合主義…? いいです、ファンタジーだからw
わんこシリーズの、胸を絞られるような切なさや、
手に汗握る感じには敵いませんが
切なさと可愛さのどっちも味わえて、楽しめました♪
玄上さんはこれが初読みで、見事に虜になりました。好きです。大好きなんです。
神社のご神体である《きつね》の5体目のレプリカである凜(受)と、参拝に来て偶然出会ったサッカー少年・颯太(攻)との、10年以上に渡る可愛く微笑ましく、そして切ない恋。
↑(レビュータイトル)通り、とにかく颯太が一途で健気です。いいです、この子はホントに好き。攻を好きになること自体ほとんどない私が、手放しで好きだと言える数少ないキャラクターの一人です。
凜はやんちゃで意地っ張りで、でも可愛くてやっぱり健気です。自分の運命を受け入れて、すべて諦めているかのような凜が哀しく切ない。そして、どこまでも諦めない颯太の、いっそ能天気にも見えるほど(イヤ、実際にそうなのか?)明るく前向きで、優しい強さが救いです。
私には(SF)ファンタジーBLで突出して好きな作品があります。もともと『ファンタジーBL』が大好きなので、いろんな作家さんの作品を読んでいますが、個人的にその『好き作品』を越えるものにはいまだ巡り逢えていないんですね。
でも、もし超えるとしたらこの作家さんの、こちらも含むシリーズ(今作は《きつね》、あとはすべて《犬》です。通称わんこシリーズ)なんじゃないかとさえ思っています。←この作品を読み終わって直感したんですが。実現する日を待ち望んでます。
作家買いするくらいの『好き作家さん』は一定数いて、今もじわじわと増えてはいますが、『もうホントに好き!何でもいいから(←ここで対象から外れる作家さんが結構いる)出たら買って読みたい!』級の作家さんはほんの僅かです。玄上さんはいまのところはその稀少なおひとり。
そして、作家買いする『好き作家さん』というだけではなく、久し振りに『同人誌までしつこく追い掛けたい』と感じた作家さんなんです。
正直なところ、特にこちらをはじめとする特殊設定ものは、世界観も複雑だし(私は気にならないし、ホントに好きなんですけどね)、文体も非常に個性的で読み難いです。ただ、文体に関しては新作が出るごとに読みやすくなって行っていますが、初期のこのあたりはまだ顕著ですね。そこで挫折する方が多いらしいのもよくわかります。
私もこちら初読みのときは『なんなの、コレ?』と結構苦労しましたが、読み返すたびに慣れて行って、今では『玄上さんはこれでないと読んだ気しないな!』と思えるまでになってしまいました(だからと言って『玄上さんは(他の作品も全部)この文体でないと!』とはまったく思ってません。あくまでも『もう書かれたこの作品』に対しての愛です。文体が変わって行っているのは歓迎してますよ)。
とにかく、かなり異色というのか、なかなかオススメはし難い作品・作家さんだとは思っています。
でも、私はBLに美文やその他いろんな『上手さ』なんて別に求めていないので(玄上さんが下手だと思ったことはないです、念のため)、個人的には何の問題もありません。
私は、玄上さんはこの特殊設定のシリーズが大好きです。だからと言って『完璧な作品(シリーズ)だ!』とは思ってません。突っ込み出したら止まらないんじゃないかというくらい、言いたいことは多々あれども、突き詰めれば『やっぱり好き』なんですね。
日常ものも書かれていますが・・・申し訳ないけど私の好みでは普通以下がほとんどなんですよ。たぶん、日常ものが初読みだったらその1作きりで、決して作家買いはしていなかったでしょう。でも特殊設定に限れば、現時点で私の好き作家さんの中でも最上位グループに入っています。
かなり好みの別れる、読み手を選ぶ作品だと思いますが、『SFファンタジー』好きな方は読んでみて欲しいなあ。
あと、気になる方も多そうな脇キャラクター、凜の親代わり(?)の神主・征士郎×凜の先代の《きつね》・鞘のストーリーは、同人誌で出ています。分厚いのが。
まあ私はあまりこの2人には興味ないんですが(同人誌の内容がつまらないという意味ではありませんので)。
最後にイラスト。
竹美屋さんの絵は、ホントに綺麗で素敵だとは思います。絵柄がどうかと訊かれれば間違いなく好きなんです。
でも、小説の挿絵としては正直いつも微妙です。『絵』の主張が強過ぎると感じてしまうんです。今回も、イメージに合わなくてちょっと困りました(でも、他の《犬》シリーズ2作よりはずっとマシ)。
お好きな方ごめんなさい。 単に好みの問題です。
小学生だった颯太は神社の格子越しに見た美しい「神様」にみせられ、神社に通うようになる。
再三の呼びかけに答えたのはあの日見た神様とは違う、小さな「きつね」――神様のレプリカ、凜だった。
反発しながらも心を通わせていく二人だったが、造りものの「きつね」には人と相容れない、ある刷り込みがなされていて……
きつね、神社というキーワードからはずいぶん離れたSF設定にはびっくりしたけれど、切なくて面白かった。
これって犬シリーズと同じ世界観だよね。
ニセモノの神の使いとして造られた「きつね」と彼に恋をした少年の話。
颯太のまっすぐさが愛しい。
これから二人がどつきあいながらも幸せになってくれるって信じてる。
結局元のきつねのエピソードが語られることなく終ってしまったのがちょっと心残りかも。
痴情のもつれで殺される神様ってなんぞや。
鞘と征士郎の話も気になります。