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tario
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
タリオシリーズの4作目の、処理の残酷さ、猟奇ぶりは、
シリーズ中でも群を抜いています。
その復讐のグロテスクさは…
説明するのも憚られるほどです、ご容赦を。
(食前・食後には、読まない方が無難ですね。)
バイオレンスな世界で、幹部と使徒がしのぎ争い、
命のやりとりで生き残ったり、消えていったり…。
なのに、奇妙なのは…主人公・櫻庭さんだけが、
まるでそれとは無縁のように清雅にたたずんでいること!
(そんなバカな! あなたは真っ直中にいるはずでしょう?)
殺しのある日もない日も、(殺し屋・使徒の少年とともに…。)
スターリングシルバーの銀食器で、優雅に食事をしています。
(彼らに!)名前ではなく「お義父さま」と呼ぶように、
優しくたしなめていたりします。
まるでピアノの先生か、お作法の家庭教師のように!
いつも楚々として淑やかに、殺し屋君たちを養育しています。
(結果、使徒の龍星&ルキヤはかなーり個性的に、
素直に成長するわけです。
殺しに抵抗がなくとも、身内には年相応で可愛い☆)
いやはや、女に気品を教えてレディを作り上げる勢いです…。
やりすぎ感がないわけでもありませんが…まあ、
このくらいでないと、このお話のハードさは中和されませんからねぇ。
「背徳の聖者たち」から始まる、闇の報復集団「タリオ」のシリーズ第4作。その名も「タリオ」。
前半は、龍星xルキヤや鷹司x桜庭の恒例的なイチャイチャ。いや、単にイチャイチャではないですね、ドエロいこれでもか!の甘々H。
同時に、シリーズ通じてずっと描かれていることではありますが、桜庭のトラウマに関して。
幼い頃に過ごした聖グレゴ園。
そこで実父のファーザーと他の聖職者たちの慰み者になっていた桜庭は、部外者に懺悔をしてしまったことで園が摘発され、目の前で父が首を切って自殺、その血を全身に浴びてしまい精神崩壊を起こしてしまった過去…
鷹司との快感の最中に、大人たちにされて感じてしまった記憶や、赤い色やナイフの手触り、また可愛らしい子猫にすら惨劇がフラッシュバックする、そんな描写が時折入ってきて、でも鷹司やドールやシメールたちには何も言わない桜庭。
結局鷹司たちは桜庭の経てきた苦しみの全てなんてわかってないのよね…桜庭は一つづつ鷹司に上書きされながら自分で克服しなきゃいけないのよね…
さて、今回後半から登場するのはタリオの幹部・夜刀宗一郎とその使徒・ダンテ。
夜刀が鷹司と争って追っている「何か」。
夜刀が「ネメシス」と名付けたこの件が、この後大きく「タリオ」の組織に関わってくる…
…とますますサスペンス色も強くなってきました。
また、鷹司/ドールが処理する物件の残虐さ!非常に猟奇的で、この残酷と甘くエロいシーンが並立するところが山藍先生のすごいところ。
また、ネメシスの行為がこれまたグロい。ただ殺すよりもある意味当事者も目撃者も恐怖に陥れられます。
第一作目から見ると、ずいぶんアマアマな感じになった桜庭さんと鷹司さん。
その背景はあいかわらず、ちまちまとグロテスクですが。
その対比が激しいギャップ。
凄惨な復讐と裏腹に、桜庭さんは優雅さもひ弱さ全開です。
ときどき、桜庭さんが男性だというのを忘れそうになるw
それゆえかグロテスクな復讐シーンもどこかゲーム的なんですよ。
心理的に不快感の嵐!というのとはちょっと違う。
桜庭さんの神父服がまるでコスプレのように思えるのと同じぐらい、
復讐さえもなんだかいびつな作り物感が強い。いや、批判的なのではなく、
それこそがタリオらしい世界観というべきか。
ストーリーについては、この「タリオ」は一つの完結した作品として見るよりも、
次の「ネメシス」への布石といったところ。
ですから、いつものタリオシリーズにしては少々物足りないかもしれません。
それからですねー、うーん、ライトグラフII先生の絵がどうも回を追うごとに
劣化してる気がするんですけど…気のせいですかね?
なんだか使いこなせないデジタルでやってみました的な安っぽさが気になって仕方ない。
シリーズ1作目の「背徳の聖者たち」のときはもっとゴシック的で、
グラフィックとしてももっとよかった気がするんですが?
桜庭さんのカラダも表情もヘナヘナ~に描かれていて、ちょっと残念。
さて、タリオシリーズのもう一つのお楽しみである
3Pですが(笑)
いや、コレを必死こいて待っていたワタクシ。
うーん、今回はひたすら甘いエッチ♪って感じに終始しています。
でも、桜庭さんの一人エッチが見られたり、鏡エッチがありますね。
しかし、山藍先生にしては控え目か。
つぎの「ネメシス」で一気にドカーンといきそうな予感。
4作目は次の巻への布石・・・のお話でした。
3Pが出てくるのを今か今かと待ちかまえていたのですが、濡れ場も今までの中で一番普通にアマアマだったのではないでしょうか。いや、最近連続で山藍さんの本読んでるからエロに麻痺してるのかも・・・。
というか桜庭さんの恋人、鷹司の、ルキヤと龍星にあきれられるほどのハマりっぷり。溺愛っぷり。嘘泣きにも引っかかります!知人にこんなカップルいたら迷惑だろうな~。
今回のお話は全体に不穏な空気が漂っています。いたるところで事件が少しずつ起こり、解決されないままです。ややホラー的な雰囲気も持ちつつ、桜庭さんの心の闇がちらほら。
そして新しい登場人物、幹部の夜刀と使徒のダンテです。この夜刀さん、今までの登場人物のなかで一番まともそうに見えますね(今のところは)。
私がつっこみながら読んでいた事柄をビシバシ指摘してくれています。
桜庭さんの神父服(とうとう言われた)とか、桜庭さんを甘やかす周囲の状況とか。
でも桜庭さんの不思議ちゃんぶりは大好きなのです!これが女の人の言動だったらイヤ~な感じなんでしょうね。
※今回もドールの出番が少ない!サミシイ!