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山藍先生というと、難解な文章でキワモノ書いているイメージをお持ちの方も
いらっしゃるかと思いますが、山藍初心者にはまずこれをおススメしたいです。
とくに難解な文もありません。山藍先生の作風の広さを実感できる短編集です。
非常に高レベルです。
昨今のBLに見られるような予定調和で成り立つ世界じゃないですね、コレ…。
しばしば「BLの枠を越えた」とかって評される作家さんはいますが、
BLでありながらBL枠にとどまらない、という形容が当てはまるのは
栗本薫と、やはりこの方じゃないかと、そう思わせる短編集です。
時代的に今ほどBLのお約束に縛られてないこともありますけどね。
人間の尊厳や人の心の奥底に潜む劣情を描く「金環蝕」
アメリカン・ホラー風にじわじわっと来る「タイタンの呪い」
おとぎ話とBLをクロスさせつつも最後はダークに締める「人魚の嘆き」
しかしなんといっても要注目はラストの
「妖精王子東京に行く」でしょうか。
とってもかわいらしくて、ひどく皮肉で笑える話です。
全編にわたって、美しくもファンタジックで、そしてちょっとゾクッとする世界です。