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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
『ナアレフの恋人』三巻です。
一巻二巻ともに谷崎作品らしく、お話は地味ながらも美形な受けが面白いのに変わりなく、ひじょうに好きなシリーズとなりました。
まだ読んではいないのですが、谷崎さんのシリーズ物『恋泥棒を捜せ!』のパンダ航空が出てきました。
受けは、本人かなりの不本意ですが、男を虜にする魔性の美形、清野。
元・外交官で、現在は喫茶ナアレフのマスター。
攻めは、完全に清野のストーカーと化している幼馴染みで恋人(勝手に)の上総。
こちらは元・上総組組長。
お話は、以前から匂わされたいた清野の傷跡や外交官を辞めた事件が中心です。
なので二巻に引き続き、過去の回想。
重大な事件へ巻き込まれ、イギリスから四年ぶりに帰国した清野。
二巻でなんであの話だったのか不思議だったのですが、この事件にからんでいたからなんですね。
なので、二巻に登場した、CIAのレッドアイやSISのボッシュも返り咲き。
なかなか二人とも面白いキャラでしたしね。
事件自体は国際的に大きなものなのですが、とにかく上総が「初音(清野の名前)、初音!」と連呼しっ放しだし、清野は清野でどうにも呑気キャラなので緊迫感は薄くシリアスではありません。
このくらいでこのシリーズにはちょうど良いかと。
ただ、まだ謎は次巻へ持ち越しになりそうな終わりでした。
谷崎さんの作品には良く登場する執着攻めですが、執着と言っても他の作家さんとはまた雰囲気が違うんですよね。
そこが面白くてつい読んでしまう。
なんとも麻薬のような作家さんです。
イラストは引き続き藤井咲耶さんで、どうもわたしは相性がイマイチなのか乗り切れません。
魔性の受け設定になっていないと言いますか…
バイトの土屋はイメージぴったりなんですけどね。
攻・上総藍良(31) 元組長 現「ナアレフ」オーナー
受・清野初音(32) 元外交官 現「ナアレフ」マスター
・ペルソナ・ノン・グラータ
外交官の清野が、イギリスから帰国します。
英国側から「ペルソナ・ノン・グラータ(「あなたは我が国に駐在する外交官に相応しくないので本国へお引取り下さい」と正式に通告すること)」が発動されたためです。
しかし清野には全く心当たりがありません。
イギリスで様々な事件に巻き込まれ、ペルソナ・ノン・グラータが発動され、帰国を余儀なくされる。
日本では上司に説明を求められるだろうし、空港には警視庁公安部から川端らが護衛として派遣されていたり、と清野には状況が全く分からない。
外務省までの移動途中立ち寄ったPA。
帰国を知らせていなかった上総が現れ、清野を拉致監禁。
そこからトラブルはどんどんと広がり清野は窮地に追い込まれます。
清野がどれだけ頼んでも上総は自分の望み通りに行動するし、状況はどんどん悪くなってゆくし。
ストーリーはシリアスなのに、何故か笑えるんですよね。
このゴタゴタで、以前から目をつけられていた上総が銃刀法違反で逮捕されてしまいます。
各国エージェントたちの巻き起こした勘違い(?)のとばっちりを受けただけなのですが(上総の行動も原因ではあるので、ある意味自業自得)清野は責任を感じてしまいます。
罪悪感から「上総が出所したら望みをきく」なんて約束してしまう清野…。
おーい、忘れてませんか?
あれだけ上総に迷惑かけられてた事を。
「2年で初音の人生が手に入れられるなら、ちょろいもんだ」なんて拘置所の中で言ってますよ、上総は。
清野、哀れだ…。
三島と川端の2人が本格的に清野に絡んできます。
三島の川端を崇め奉りっぷりが徹底してて、いいわぁ。
・透明人間登場
ナアレフの押しかけバイト・土屋のエピソード。
土屋の持ってきたマトリョーシカに、2年前の騒動を思い出して冷や汗をかく清野。