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FBIrenposousakan
file1 Liar/file2 real friends/file3 prayer1・2のシリーズ四冊を読んだ。
BLというより、同性の恋人がいる捜査官が主人公の事件モノ。捜査官同士のカプだけど、仕事上の相棒は別の女性捜査官で、恋人は要所に出てくる感じ。
職場では犬猿の仲、プライベートでは攻めの溺愛が見られる。面白くてシリーズ一気読みしてしまった。
◆file1 Liar
シリーズ一作目にこういう事件を持ってくるのは珍しい。FBIがすっきり解決!なんてことはなく、表向きには終わらせたけど、実は誰かの手のひらの上だった……みたいな結末。その黒幕にも驚かされる。
真相に気付いていたのはジェレミーだけっぽい匂わせがあり、トラヴィスはモヤモヤしながら終わっていく。犯人が因縁の相手になる気配もないし、ちょっと不思議な感情が残る読後感だった。
トラヴィスとジェレミーは、ほぼジェレミーからアクションを起こして関係が続いている印象。トラヴィスも会えて喜んではいるけど、会いに来るのはいつもジェレミーから。
そして怖いほどの執着愛を、寝ているトラヴィスに囁くジェレミー。実はトラヴィスのために職権濫用していたりも。何がジェレミーにそこまでさせるのか、二人の始まりから読めたら良いな。
◆file2 real friends
BL色は薄いがとても好きな巻。事件の犯人がトラヴィスのかつての友人で、トラヴィスの子供時代が見えたり、犯人を追う苦悩が見えたりと、キャラの内面が描かれている。一つ違えば逆の運命を辿っていたかもしれない二人の結末が切ない。
今回のジェレミーは見守り役のような感じで、傷付いたトラヴィスの精神安定剤の役割も果たす。ジェレミーの愛の深さを感じられる気がした。
弁護士のベンのお話も気になる終わり方だったな。
◆file3 prayer
前後編の大きな事件。過去の事件の復讐疑惑が浮上し、いくつもの事件が絡み合う面白い展開。思い込みから冤罪まで入り乱れていたそれぞれの事件は、真相が暴かれていくたびに驚きがある。
完全にすっきり解決とはいかないが、新しい一歩を踏み出すキャラたちを見ることができ、清々しい読後感だった。
今回はトラヴィス一人での捜査から、ジェレミーが加わりカプ二人での大仕事。BLはエロ含め新キャラ周りで盛り上がり、メインカプのラブ度は低め。とはいえ、わりと恋人関係とバレバレだったっぽいのには笑った。ジェレミーの態度が分かりやすいらしい。
二人の皮肉の応酬をたっぷり楽しめて良かった。
欲を言えば、頻発する日本語の乱れを修正してもらえるとよりスムーズに読めたかと思う。校正して欲しい!とはいえ、どのお話も面白かったので、続刊が出ればぜひ読みたい。