隣にいてもいいですか？

再会×一途愛オメガバース

藤吉めぐみ先生の別作品が面白かったので、他の作品も読んでみたくて手に取ったこちら。

こちら、先生の商業デビュー作とのこと。10年ぶりの再会×純愛オメガバースものです。

受けの薬剤師・秀一がかなりのツンツンくん。デレ、はほとんどなし…だからこそ、ちらっと見えるデレの瞬間にきゅんとしました。

”発情期が来たことがない”Ωである秀一。
薬剤師の仕事をしながら日々変わらぬ平凡な毎日を送っていたのですが、ある日突然、十年前に『他に番が出来た』と言われ別れた元恋人の至が訪ねて来ます。

会社が潰れ一文無しになり頼れる人もいない…と言う彼を仕方なく居候させることになってー

と続くお話です。

なかなか自分の気持ちに素直になれず、ツンツン・強気乱暴発言を繰り出す秀一と攻めの至はすれ違ってばかり。
が、職場の上司に襲われそうになった秀一を駆けつけた至が救い出したところから、状況がグッと動き始めます。

この上司の言動がかなり気持ち悪いなあという感じで、その後の姿勢も含めて若干後味は悪いかも。攻めざまぁならぬ、当て馬ざまぁ展開がもう少し欲しかった…

それと、策略に嵌められて他のオメガと番になってしまったと勘違いしたままの高校時代の至が秀一に告げた言葉。あれはショックすぎる…（ ; ; ）
「秀一とも番になりたい」なんて到底許容できず、秀一の心境を考えると涙涙…なんですが、まだ高校生、だもんね。。

間違った言動、浅はかな考えのもとの発言がかえって至の人間臭さを表しているような気がして、ひどいな！とは思ったけれど、嫌いにはなれませんでした。

あの時の”ダメ至”がいるからこそ、10年経って変わった至の姿が光る！✨

なかなか素直に気持ちを表せない秀一と、はっきり言葉で・態度で示してくれる至。
正反対のようだけど、お似合いの二人だなあと最後にはふふっと幸せな気持ちで読み終えた、純愛すれ違いオメガバースでした◎