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egoist
2023年、鈴木亮平と宮沢氷魚主演で映画化された「エゴイスト」の原作小説。
元々は浅田マコト名義で2010年に発表されたものです。
私は映画は見てなくてこちらの小説のみ。
映画を観た方、映画も観て小説も読んだ方との感想とは違うかもしれません。
主人公はゲイの浩輔。地方出身だが今は東京で雑誌の編集者をしている。
体がたるんできたことを気にしてゲイ友に紹介してもらったのが、パーソナルトレーナーの龍太。
お互い小さな戯れを仕掛けあって、体の関係がすぐに結ばれる。が、突然龍太の方から別れを切り出される。
浩輔は諦められず、勘でウリ専もしていると見抜いてそのテの店のホームページを探し、間違いなく「龍太のからだ」を見つけ出す…
客のふりして再会し、自分が月に10万援助をするからこの仕事は辞めろと言う浩輔。
結局その通りにする龍太。
道路工事の仕事を入れるだけ入れる龍太だったが。
視点は浩輔。
浩輔の、龍太への想い、癌を患う龍太の母親への想い。
浩輔は全て自分が救われるためのエゴだった、と色々と悔いるけれど。
どうなんだろう?
浩輔は別に悪くないと感じる部分、イヤやっぱり浩輔は踏み込みすぎただろうと感じる部分、両方ある。
今では著者ご自身も亡くなられていて、病床で、浩輔が行ったような行為/好意、善行のような施しのような懺悔のような、そんな色々を受けただろうか?
そしてそれを笑って受けられただろうか?ごめんねと言っただろうか?
いきなりこの世から消えてしまった龍太、今死にゆく龍太の母親、小さい頃に死んでしまった自分の母親。
死に彩られる物語は解釈を拒むように感じる。「死」は全てを超えてしまうから…