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ai wo otabe kaibutsu
画家を目指す大学生・日向と、
異国の青年ベルトランドの物語。
人外ものになります。
『水槽のカダベル』を読んだときも思いましたが、長曽根先生の作品はシリアスで人間の狂気的な部分が書かれているにも関わらず、読後は悪くないんですよね。
今回も日向の勘違いで終わると思ったことが事実だったと分かり、その一線越えちゃうんだ…ってちょっとびっくりしました。
どんなに望んでも誰かに求めてもらえない・認めてもらえない自分という存在に追い詰められていく日向、そしてただ生き続けていただけのベルトランド…どちらも切なく辛かった。
基本的に日向視点ですが、
最後にベル視点があります。
長曽根先生の書かれる、重くシリアスな作風大好きなんですが、メインはTL作品のようで、なかなかBL作品を読めないのが残念(¯―¯٥)
ベル×日向
耽美を胸に秘めた2人が、
孤独な中で絡まり合う悲哀に満ちた
異形の愛を奏でていく。
その美しさにため息が出てしまうほどです。
日向は、
19歳の芸大生で、
身長が百七十センチにも満たない美人。
父親は世界的に有名な現代アートの画家で、
兄の才能に対してコンプレックスを感じている。
家庭も絵の才能で価値を判断するという厳しい環境で育ったから、
両親からの承認を求めている。
彼の内面の葛藤と苦悩が彼女の心をガツンと痛めつけているのだ。
そんな人が好きになったこともない、
孤独感に満ちた日向が出会ったのは、
ミステリアスな雰囲気も持っている
美しい吸血鬼のベルである。
ベルは、
180センチ以上の長身で筋肉質な体つき。
東洋人離れした顔立ちに、
黒髪の自然なウェーブがセクシーさをプラスしている。
灰色の瞳と高い鼻と
血色の少ない薄い唇からの低い声で
優しさと悪魔っぽさが絶妙に混ざっている。
さらに、長い生涯を持つ吸血鬼だから、
他の人よりも寂しい思いをしてるのだろう。
大切な人を失った悲しみを胸に抱えていて、
その孤独さと哀しみが、彼の魅力を一層深くしているのだ。
ベルの家に引っ越して同居することになった日向は、
次第に彼に惹かれていく。
ベルの前では違う自分を見せられる。
彼と一緒にいると安心感や解放感を感じる。
ベルを描く衝動に駆られて、
彼に触れられると全身に欲求と快感が広がって、
独占欲も芽生えてしまうのだ。
日向はベルとの交流を通じて愛を知るの。
ベルの寂しさも日向で埋めることができる。
その過程で、
お互いの想いが交錯して、
言葉遣いやセリフも心をくすぐるものばかり!
ベルが日向への執着が痺れるほどに切ない。
2人が住む家は、
不思議な雰囲気が漂っていて、
薔薇の花で溢れているの。
その中で2人はお互いの存在を支え合いながら、
愛とエッチと絵に没頭していく姿が、
まるで幻想的な世界に引き込まれそうでしょう。
耽溺的で吸血のような求めるエッチが繰り広げられる。
日向が吸血鬼がお腹すいてるみたいに、
ベルを求めて、彼への渇きを満たす。
ベルも、日向を野獣のように欲しがっている。
エロさと渇望と快楽が交差して、
読んでいるこっちも火照ってくるのです!
恋愛だけでなく、
絵への苦悩や絶望も描かれていて、
日向とベルの対照的な魅力が交わり、
愛と欲望が渦巻く世界で、
心を震わせる体験をしていました。
イラストは表紙と最後の1ページだけ。
ちょっと物足りない感じがします。