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「禁忌」に登場した園池格のスピンオフ作品です。
それぞれ独立したお話なのでこれ1冊でも読めます。
これを読んでから、園池の過去に何があったのか「禁忌」を読んでみるのもアリかも。
長い長い片想いに失恋で幕を閉じた園池格。
それからの彼はどこか投げやりなふうにも見えて。
そんな彼が友人に誘われて行った軽井沢で偶然再会したのは中学時代の2才年下の同窓生・桜井京一。
桜井はなにやらワケありの様子で…。
「禁忌」と2冊まとめて買って来たのですが、最初から実はこちらの方が気になっておりました。
読んでみてもやっぱりこちらの方が好きです。
というか、桜井が私の好みのタイプなんですね。
ツンデレというかツンツンというか。
全く素直じゃないところがとても好きなのですが。
園池よりも年下の桜井。
けれど、園池に対する物言いは横柄というかつっけんどんな感じで。
他の人に対しては礼儀正しくもあるのに園池にだけは優しくない。
「嫌い」とさえ言い放って。
友人といえるほどに親しかったわけでもなく、ただ大学時代に軽井沢で偶然再会して少し言葉を交わした程度なのに。
けれど、そういうやりようは読者側から見れば「絶対気持ちがあるよな」と思わせる部分でもあって(当然といえば当然だが)
そんな桜井の言葉とは裏腹に素直な感情が表れているともいえるのが涙。
彼は、傷付けられたり戸惑ったり園池との間のことを直接言葉にしない変わりに涙を零す。
強いというかキツい?イメージもあるのに、涙をポロポロと零すシーンが何度もあったのも印象的。
そんな桜井なりのやり方での好意の表し方がまたなんとも好きだ。
助けてもらった礼に抱けと命令してみたり、また別の礼だと奉仕しようとしたり。
最後の想いが通じるシーンでも肝心の言葉ははっきりと言わず、園池に奉仕することで示そうとしたり。
ちゃんとわかっていないと付き合いづらい人物のようでもあるな、と。
そんな桜井に絆されたというかなんというか、な園池。
桜井の態度や涙に振り回されドギマギさせられ。
自分でも何が何だかわからないまま気がつけばハマっていたというか。
この園池の桜井に対する「君」呼びがなんだか時代がかってて好きです。
桜井の表面上の言葉だけを捕らえて傷ついたり振り回されたり。
けれど、自覚症状がないだけでかなり最初の段階から友人との会話中にも思いを馳せることに余念がなかったりするのですが。
叶うなら2人のラブラブえっちが読んでみたかったなと。
ベッドの中でもツンのままなのか知りたい。
そして、きっとツンのままだとかなり私、萌えると思うのです…。