ボタンを押すと即立ち読みできます!
sono ame ojisan niha amasugi masu
私、このお話好きだな〜(*´∀`*)
義兄弟の恋愛物語、面白かったです。
義兄弟と言ったら、親同士の再婚で…と想像しちゃうところですが、この物語の「義兄弟」は違います。亡き妻の弟…という関係の「義兄弟」です。
救助隊員の真太郎が救助中に後遺症が残るほどの大怪我を負い、その間の世話を妻の弟である詠士にしてもらうってところから話が始まります。それまで疎遠だった詠士の世話になることに抵抗があった真太郎だったけど、至れり尽くせりの甘い生活に戸惑いながらも幸せを感じていきます。
真太郎は亡き妻に対する懺悔の気持ちを抱いていて、今までがむしゃらに子育てや仕事に打ち込んできて気持ちに余裕のない生活を送ってきました。そこで起きた事故……療養の時間は真太郎が今まで蓋をしてきた亡き妻への懺悔に向き合うことを余儀なくさせます。
しかし、真太郎の生活にグイグイと侵入してきたのは妻の弟の詠士。彼の存在が真太郎の心の傷や身体の傷などを癒させていきます。
なぜ詠士がここまで真太郎に尽くすのか……詠士は昔から真太郎のことが好きだったからです。
ここで注目するのは、真太郎の気持ちです。
真太郎は妻と弟・詠士と仲が良くこのまま3人で仲良く暮らしていきたいという願いから、妻と結婚しました。つまりそこに愛はなかった…いわゆる打算的な結婚でした。ですが、結婚を気に詠士は2人から離れ思惑通りにはいきませんでした。妻は身体が弱く子どもが幼いうちに、謝罪の言葉と共に息を引き取ってしまいます。
これが誤解の始まりです。
妻の謝罪の意味…それがこのストーリーの大きな鍵です。
真太郎の抱える妻への懺悔と、妻の真太郎への謝罪、詠士の真太郎への想いが複雑に絡み合っています。じゃあ真太郎の気持ちは…?となりますが、それは真太郎が自覚しないまでも答えは出ていました。
この一連のやりとりが、心理描写も交えながら展開していくので面白かったです。タイトルから想像するに、あまあまのお話に終始するかと思っていたのに全然でした。結構深い。
詠士の甘やかしに絆され気持ちが溶けていく真太郎と、昔から真太郎を想っていた詠士の気持ちが、ピタッと重なるときまでは焦ったくも切ない流れです。ハッキリと好き!と言わない真太郎と、好きを全面に表す詠士との対比がいい感じというかね…。真太郎の行動で表す「好き」も、照れ隠しにみえて可愛く見えるものです。
自覚は最近なので仕方ないのかもですね(笑)
2人の関係…というか、叔父である詠士の気持ちを幼いときから知っていた息子の存在もなかなか良くて。2人がパートナーになったことをサラッと受け入れるあたり、大物の予感すらしました。息子に隠さずイチャつけるの良いですね!
最後はハッピーエンドで読後感も良く、幸せに満たされた2人の姿にドキドキ・フフフで読み終えました♪