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kagurazaka senka no hanayome
この作品ではあえて「神」としました。ただし、その意味は全く違うものであることをご理解下さい。
おそらく、「第二次大戦」を正面から受け止めて書いていこうという試みが少ないボーイズラブにあって日向さんの姿勢には率直に敬服する以外の感想がありませんでした。
というのも、「旧日本軍による軍性奴隷問題」が大きく横たわっているからだろうかと思っていますが、実際のところは分かりませんし単純に知らないだけかもしれません。
さて、後編の本作では「ハードロマンス」という言葉とは裏腹に、ひたすら重たいものを感じながら噛みしめつつ話が進行していきます。そしてキチンと敗戦記念日(1945年8月15日)まで話を進めたことは「歴史の上澄み拝借」をしやすいなかでは特筆すべきことかもしれません。
「旧日本軍軍性奴隷」のサバイバーを「ハルモニ」と言いますが、少なくとも日向さんは彼女たちの涙に真剣になろうとしました。そして、それは優雪にも伝わっていることを、評者としては願わずにいられません。
第二次世界大戦時代の、運命に翻弄された男達のラブストーリーの2巻です。
前巻で、戦争という激動の歴史に翻弄されながらも、共に戦いやっと身も心も結ばれた秋月と優雪。
だけど、家のために愛していない女性と結婚して、子供まで作った秋月。優雪のことが好きなのにどうして!?と、正直2巻を読むのが怖かったのですが…(あらすじを読むと、友人に優雪を渡すとも書いてあったので…)。
それにはカラクリがあって、秋月は昔から優雪一筋と分かってホッとしました。
同時に、共に戦い死ぬことよりも優雪には生きてほしいと決断した秋月と、それでも秋月の傍にいると決めた優雪の、お互いを想い合う気持ちにキュンとなります。
そして、戦場で生きる男達の絆に胸が熱くなったり、戦争に対する理不尽さが伝わって切なくなったり。
無事に終戦を迎えた時には、本当にハッピーエンドで良かったと思いました。
2人の切ないラブストーリーも良かったけど、2冊通して、しっかりと戦争という史実にそって書かれていたのが興味深かったです。