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kaitou wa yami wo kakeru
数多い愁堂さんの小説の中から、自分好みの作品を探すコツがまだ掴めなていないので、取り敢えず積読本にあったこの一冊にチャレンジしてみた。
受け・光彦は過去の手痛い失恋が原因で大学を中退、就職氷河期も災いして当初理想を持っていた報道関係の仕事とかけ離れた三流ゴシップ雑誌のライターとして生計を立てている。
情報を得る為なら身体を使うが、手と口だけならOKでも本番はNGといった線引きはある。
情報提供者とトラブルになり襲われていたところを、颯爽と現れた通りすがりの男に助けられた。
後日に偶然再会したはいいが、同一人物なはずなのに初対面のふりをするその男・藤原は、巷を騒がせている骨董品を狙う怪盗の捜査の為に駆り出されたプロファイラーだった。
その違和感にゴシップ特ダネの匂いを嗅ぎ付けた光彦は彼の身辺を調査して、実は藤原財閥の跡目を継がなかった御曹司、T大経済学部卒にしてプロファイラー?といった素性を突き止めていくが、その行動が全て筒向けとなっており、面と向かって藤原に真意を追及される事となる。
光彦の発想の安っぽさやルポライター魂の履き違え、親友の兄貴を恨んでいるのを盾にしたまま縁を縁を切らない往生際の悪さにもやっとしたものがあった。
だが、藤原が情報交換の口約束をあっさり破って彼を襲ってしまう展開には笑ってしまった。
さすが華麗な経歴を幾つも持つ攻め様は『常に真剣だよ』と言う方向性が一般と違ってステキだ(笑)
本来御曹司のはずの藤原が育った背景は興味をそそる展開だったが、これに怪盗ものを絡めるのはちと蛇足かも。
怪盗ものにはそのキャラクターの美意識や信念、駆け引きのスリルが欲しいからね。
正直、怪盗ものとしては期待外れではあったが、攻め・藤原の世話焼きな性格や人情面で『ふむ(´・ω・)』と感じる部分もあって、2007年刊ながらそこそこ楽しめた内容ではあった。