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ningyoouji no hanayome ni erabaremashita ga komarimasu
書店で表紙に惹かれて手に取ったのですがタイトルとあらすじを見て即買いしました。
ファンタジー要素のあるBL小説の中でも人魚設定は多くないのか余り見掛けませんでしたが、好みと興味と珍しさで購入して読んでみました。
最初は受の観崎歩は普通の人間だと思っていたので、攻の人魚王子エドヴァルドが言うフェロモンというものが、歩から無意識に出ているフェロモンをエドヴァルドだけが感じて引き寄せられたのかなと思っていました。エドヴァルドが歩を牝と呼んで両性具有だと言うので、だからかなと。
でも違って歩自身も知らなかった、認めなかった人魚だと自覚してからストーリーに面白さが増していきます。
発情して意思に関係なく尾鰭になってしまう足をどうにかしたくて人魚の国に行きますが、そこで歩の意思から逸れた状況に陥っていくのに反発しながら、逆に段々エドヴァルドに心惹かれていってしまう葛藤が凄く伝わって、ハラハラドキドキします。エドヴァルドが嫉妬しいなのも可愛い。
最終的にはハピエンですしラブシーンは人間同士、人魚同士があってとてもエッチです。
末永くお幸せに!
評価はちょっと甘めかなと迷いましたが、設定が好みにドンピシャだったのと描写が丁寧で凄く纏まった一本のストーリーだったので。表紙絵もデザインも挿絵も含めて好きです。
こういう王道ファンタジーも良いですね!
初めましての作家さま。
日塔さんの挿絵ホイホイされました。が、何よりタイトルの「人魚王子」のワードに心鷲掴みにされてしまった…。人魚ってロマンがあるよね!
ということでレビューを。
カフェ「ソラモネ」を一人で切り盛りする歩は天涯孤独な青年。
幼いころに父を亡くし、それから母一人子一人でひっそりと生活をしてきた。が、その母も歩が高校生の時に亡くなり、以来、ソラモネの前オーナーが譲ってくれたカフェを大切に守ってきた。
常連客にも愛され、歩は平凡ながらも幸せな毎日を送っていたが、ある日、歩のもとに一人の美丈夫が現れる。そのイケメン・エドヴァルドは、歩を見るなり求婚してきて―?
初めて会ったスパダリに求婚される薄幸受けさん、というストーリーはBL作品ではさほど珍しい展開ではありませんが、いかんせん、このスパダリさんは人魚の国の王子だという。ほほう…。人魚の王子とな。
その人魚の王子がなぜ歩に求婚してきた?
という出だしで今作品はスタートします。
天涯孤独で親戚もいない歩。その理由は。
エドヴァルドが歩に求婚した理由。
そして何より、エド×歩の恋の行方は。
といったあたりを軸に進むお話なのです。
歩の素性とか、エドの故郷の描写とか、人魚の鱗とか、非常に独創的で個人的萌えツボドストライクのバックボーンを孕む作品で、前のめりになりながら読み進めました。
が、うーん。
何だろう、非常に魅力的なバックボーンなのに、サラリサラリと進んでしまった感じがしました。エドが人魚の王子でなかったら、舞台が「人魚の国」でなかったら、ストーリーとしてはかなり王道です。当て馬さんも登場しますが、この子の存在や行動パターンも王道のそれでしかなく、面白くないわけでも萌えないわけでもないのですが、もう一声ほしい、といったところか。
ただ、王道ゆえに起承転結がはっきりしていて萌えどころもきちんと押さえられていますし、非常に読みやすい1冊だと思います。王道×人魚という斬新な設定も良い。日塔さんの描かれた人魚の姿での濡れ場はめっちゃエロかった…!
歩は男ですが孕めるという世界観ですし、歩を生んだお母さんという人も実は男だった、とかないかなあ…。歩の両親に非常に興味を惹かれてしまったので、お母さんが男性という設定なら、ぜひとも読んでみたいと思いました。