新入生諸君!

shinyuusei shokun

新入生諸君!
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×28
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
57
評価数
13
平均
4.4 / 5
神率
38.5%
著者
久我有加 

作家さんの新作発表
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イラスト
高城リョウ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784199010767

あらすじ

憧れ続けた由緒ある合唱部が、部員不足で廃部寸前!? 全寮制の名門男子校に入学早々、衝撃を受けた鶴見英芽。直ちに部員獲得へ走った英芽に声をかけたのは、東京から来た同室の高松だ。エース投手として活躍し、強豪の野球部から誘われているはずが、「どうして俺を勧誘しないんだ?」と、なぜか積極的に入部を申し出てきた!! 学校が騒然とする中、高松と昼夜問わず共に過ごす日々が始まり!?

表題作新入生諸君!

尽瘁商業専門学校合唱部所属,17→20歳
尽瘁商業専門学校合唱部所属, 17→20歳

その他の収録作品

  • 卒業生諸君!

レビュー投稿数4

青春!青春!!

明治~大正時代、関西弁、寮生活!!!
合唱にかける熱い想い!青春がぎゅうぎゅう!

切磋琢磨し合い、支え合う、普段は冷静なのに英芽のことになると前に出る高松の弁慶ぶりな関係、お互い信頼してるからこそ見せる顔がたまらない~
芯の通った男子も揺れる男子も良い!!

この時代ならではの部分がとても素敵で、好きなことに打ち込む姿にも、熱中するものがなく戸惑う姿にも胸が熱くなる!爽やか青春!!

清い真っ直ぐな友情からの特別感って良いですね。
想いが通じ合ってのキスシーンもかっわい!!
さぁ!ここから!でも生真面目な2人だし寮だしね、と思ってたら、初夜が端折られているのには、めちゃくちゃ泣きましたが!!!!

なんで~~初夜を見せてくれ!!との悲しみも、大成果たしてのえっちが滾る滾る!!えっち~い!!
あんな凛とした子のえっちな姿!
生き返りました………可愛いよ本当に!!
な反面、こんなえっちな体になるまで詳しく教えてもらわないと困るんですけど!??
とまた悲しみが湧き上がりツラい…
でも大好き好きだよ時代もの青春ラブ!!!


もしかして先生のブログに初えちSSあるのでは!!と望みをかけたら合唱部の同級生のモノローグでした。
2人に感化され、なんとも充実した学生生活を過ごし、ひと皮もふた皮も成長したようで!!ざ!青春!!!!
同級生から見ても強い絆な2人は良いなぁと健全な気持ちで読み終えました。


そして、聞いた事ある学校だなぁと思ったら、愛してやまない明治ベースボール青春物語「寮生諸君」と同じ学校が舞台でした!!
その後の子供世代のお話?校風や登場人物に通じるとこあって、気づくとそこも面白かったです。
青春に重きを置くと本当に本当に青春!!


0

凡人にはなんとも羨ましく妬ましい天才の苦悩



憧れの音楽堂で合唱できる合唱部を持つ「尽瘁商業専門学校」に入学した鶴見(受け)は合唱部が廃部寸前であることを知り奮起。
新入部員を自分を含めて5人集めることになります。
同室になった高松(攻め)は東京出身にもかかわらず関西でも名の知れた野球選手でありながら、合唱部に入っても良いと言ってくれます。あと3人と力が入る鶴見でしたが、高松に野球部に入ってほしい野球部員から合唱を軟弱だと何度も絡まれ部員勧誘の邪魔をしてきます鶴見は新入部員を集めることができるのか。


1年生篇の表題作を鶴見視点で、
4年生の「卒業生諸君」を高松視点で中編2篇。


鶴見は麺麭製造会社の跡取り息子ですが、幼い時に聞いた音楽堂でのテノール独唱を聞いて、自分もここで歌いたいと強く思います。
それが叶うの東京音楽学校を除いて唯一の尽瘁商業専門学校へと進学するのです
跡取りであることから元々歌手になることはできないと諦めており、せめて学生時代に憧れの音楽堂で歌うことに心血を注ごうとするのですが、入学早々部員不足で来年には廃部になるかもと聞かされ部員集めに奮闘するのです。
同級生の首席の朝妻に「見た目は美しい白馬だが、中身は猪」と言われるほどの美しくも強気な男で、蛮カラを自認する野球部員たちからどれだけ絡まれようと臆せず理論武装して負かすのです。
昔から美しい容姿を自認していて注目を集めることに慣れているため、どれだけ絡まれても堂々としている姿が好感が持てます。

高松は裕福な商社の御曹司で4人兄弟の3番目という比較的自由にできる立場です。ただ、彼だけが妾腹なため、両親は全く差別なく育ててくれるのですが、勝手に遠慮してしまっています。
天才肌で、学業であれ武道であれすぐにある程度できるようになるということもあり、何かに執着することも楽しいと思うこともありませんでした。野球で有名選手でしたがそれもただ兄たちがしていたからやっていただけで特にやりたいわけでもありませんでした。
鶴見の歌を聴き自分もやってみたいと思い、初めて練習しても今までのようにすぐに上達することがないことに驚き、それが逆に楽しく思うようになるのです。

天才くんは凡人の壁が自動ドアで、凡人の気持ちはわからないのを地でいっているのですが一切悪気はありません。
鶴見はそれのことを指摘し、高松に凡人の気持ちを諭していくのが面白いです。

後編は2人の将来の職業についてそれぞれ悩む話なのですが、どちらも納得できる将来を選べてよかったです。

卒業後の2人も読みたいと思えるようなお話でした。

一つ疑問に思ったのが、一年生篇は8月に入学式となっていたのが、4年生篇では4月が新学年となっていたことです。この時代のことはよく知らないのですが、どこかで年度変わりが変わったのでしょうか。読み返してもよくわからず、どこかで読み違いがあったのかな。

0

諸行無常

『神』を付けたのは『卒業生諸君!』の中の、あるシーンに心を奪われたから。
全体の7割くらいの所に出て来るそのシーンは高松と鶴見の3年間の成長を語るものなんですけれど、過ぎ去った時がもたらした成長を誇っているのに、どこか悲しい切なさがあるんです。
たぶん、時というものは過ぎ去って、なくなってしまうからなんだと思ったんですね。
美しい時も、愛おしい時も、全部過ぎ去ってしまう。
そういうのが、すごく心に沁みました。

『寮生諸君!』のスピンオフ、というか、続編って言っても差し支えないお話だと思いますが、そちらを読んでいなくとも楽しく読めます。
でも、読んでいた方がニヤニヤできます。
あ、読む順序はどっちが先でもニヤニヤ出来そう。

1

熱き合唱部青春ストーリー

舞台となる時代背景は、明治末期から大正初期(作者さまあとがきより)の学園もの。この時代の若者たちの夢や希望をかけた熱血青春BLストーリーです。


舞台は大阪にある尽瘁商業専門学校。新入生の鶴見は歌うことが大好きで、合唱部に入ろうとしますが、まさかの部員減少で廃部の危機にあることが分かります。
鶴見のルームメイトの高松は、体躯が良く中学時代には野球で名を馳せた有名人。誰もが野球部に入ると思われた高松が、合唱部に入ると言い出します。紆余曲折ありながらも入部希望者を集め、合唱部は廃部の危機を乗り越えます。

鶴見は美人ですが、かなり勝気な性格。合唱など男のすることではないわ!と息巻く男たちにバカにされると、血気盛んに対抗します。それを守るのが高松。鶴見が危ない目に遭わないように目を光らせています。


この作品は前半(新入生諸君!)が鶴見視点で、後半(卒業生諸君!)が高松視点で語られていきます。

前半は、高松との出会い、合唱部の活動、部活動を通した仲間たちとの関わりや敵対する学園生とのやりとりが中心です。BLというよりは、この学園の雰囲気を知るための基礎固めって感じです。BL的に物足りないなぁと感じる方がいるかも知れません。

鶴見は高松への恋心に気付きますが、自覚していないがためにこの気持ちは何なのかと戸惑います。2人がすれ違う場面もあります。鶴見が切なくて苦しい胸の内を、ドイツ語の歌で歌うシーンがグッときました。
最後は気持ちを伝え合って恋人同士になりますが、お約束のエッチへのウイニングロードはありませんでした。キスのみです。チッと思いながらも(笑)、寮だしね仕方ないよねーなんて思っていたら、後半の卒業生諸君!で、何回か肌を重ねたらしいとの記載が。2人の初めてエッチがは…端折られとる〜!?エッチシーンだけがBL作品ではないけど、何だか残念でした…。


後半は四年生になった3年後の話。卒業後の進路についての話がメインの中、合唱部内での独唱パートオーディションにスポットを当てています。
高松の嫉妬、嫉妬、嫉妬…(笑)前半では何考えてるか分かりにくい彼の、鶴見愛が爆発しています。前半部のラブ要素低めを考えたら、ラブ濃度はかなり上がったと思います。同室だし、部屋ではくっついたりキスもしたり。高松のもっとイチャイチャしたいーっていう気持ちにニヤニヤしちゃいました。

後半部では、ついにエッチシーンが拝めます。高城リョウ先生の挿絵がとても素敵でした^ ^


時代もので関西弁。ちょっと新鮮でした。この時代の和と西洋が入り混じった感じが、良いなぁと思いました。仲間たちと切磋琢磨する青春パートも面白くて、これもこの時代ならではというか、歴史的な背景も含みつつ興味深く読んでいきました。

明治や大正の時代は衆道も残っています。BLは珍しいものではない感覚として捉えられているので、2人の関係も引き裂かれることなくずっと一緒にいられたらな。って期待しちゃいました。

関連作品もあるようなので、機会があれば読んでみたいと思いました。

5

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