FLOWER(新装版)

FLOWER(新装版)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神26
  • 萌×26
  • 萌9
  • 中立4
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
13
得点
185
評価数
46
平均
4.1 / 5
神率
56.5%
著者
木原音瀬 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
シリーズ
WEED
発売日
価格
¥900(税抜)  
ISBN
9784862631893

あらすじ

医師・谷脇が新たに選んだターゲット、それが気弱げな医学生・松本だった。酒に酔わせて関係を結び、「君から誘ったんだよ」と甘い嘘で翻弄していく。一度はその手に落ちてきたかに見えたが…。いつも振り向いて君の姿を探してしまう。それがなぜなのかもわからずに――。
シリーズ三部作連動の番外ショート書き下ろしを追加収録した新装版! 伝説のツンデレラブ「Green Green」も!
(出版社より)

表題作FLOWER(新装版)

冷血ドクター
生真面目な医大生

同時収録作品Green Green

大学生,弟
会社員,兄

その他の収録作品

  • WEED~one day~

レビュー投稿数13

最低男谷脇に学ぶもの

鬼畜谷脇その1です(笑)
その1はWEEDかな?
でもあれは若宮メインだし、あれがないと二人は会えなかったと岡田も言っているのでまぁよしとして、この「FLOWER」を最後まであんな形で進めて終わらせた木原さんに拍手、と言うか脱帽。
勇気あるな。
しかも商業誌で。
これは同人でも勇気いるんじゃないのかなぁ。

もしも実際にこんなやつが居たら、知っていたら許せないですよ絶対に!!
でもこれはファンタジーだから。
ある意味読んでて面白いんですよ。
人間てここまで残酷になれるんだ、とか。
ここまで卑屈になっちゃうんだ……うん、わかる。とか。
いろいろ人間てものを考えちゃう。
そして必ずそれは自分に返って来ちゃうんだなぁとか、居なくなってわかるって言うのはほんとに本当なんだろうなぁとか、痛いほどわかっちゃう。
実体験しないで納得してしまうと言うことは、ひとつ自分が経験しないで学べたわけで、大切な人は本当に大事にしようと再確認。
反面教師になる……そう思うと最高にいい本です(笑)

そう思える人には是非お勧め。
人間関係に疲れちゃってる人にも、逆にお勧め。
殺伐としていながら、自分が人間に帰れる気がする。
痛いって思うのは自分が優しいからだと思うよ。

でもただ痛いだけじゃない、そこに小さくても明日が見える。
そこが木原さんの作品を好きな理由かな。

9

永遠に失くしてしまった花

「WEED」で登場した医師・谷脇が主人公です。性悪な鬼男が最後に見せる涙に、愛の不条理さと切なさを感じました。

外科医の谷脇は気弱そうな男子医学生・松本を弄びます。まんまと松本の体と心を手に入れますが、しょせんは遊び。傷ついた松本は谷脇の元を去りますが、谷脇は松本が心底自分に惚れていると疑わず、結婚して間もなく松本の妻が死んだときも、松本を挑発します。しかし、病に侵された松本は突然この世を去ります。すぐに忘れるだろう、そう思っていたのに、気づけば谷脇は雑踏の中に松本の面影を探すことをやめられず…。

「WEED」で、谷脇が悪友・若宮の恋人を揶揄したセリフを思い出しました。「お前にはあいつが綺麗な『お花』に見えるんだろう。俺にとっちゃただの雑草だけどな」。谷脇は、松本のことも雑草程度に思っていたふしがあるのですが、死後何か月もたって、愛していたと気づくのです。本当は大切な花だったと。なんという皮肉。タイトルの「FLOWER」は、松本のことなのでしょうね。作品中、花が出てくるのはただ一度。松本の家の荒れた庭に咲く薄紅色のコスモス。ありふれた可愛い花が、松本の人柄そのものを暗示しているようです。

松本がどれだけ自分にとって大切な存在だったか。死後、谷脇がそのことに気付き始める描写が、衝撃的です。谷脇が何気なく持ち歩いていた松本の小さな遺骨。看護師の「先生それ何、貝殻?」の言葉に、谷脇は、自分にとってのみ、そのかけらが意味を持つことに気付くのです。形見とは、そういうもの。そこにまつわる思いがあるから手元に置きたくなる。そんな当たり前のことに、松本の死後、何か月もたって気づくなんて。
松本の温かい体を抱いていたときは分からなかったことを、死後小さな骨のかけらが突きつけます。なぜ、生きているとき愛は伝わらなかったのか。不条理だと思いました。愛という形のないものを、たまらなく切なく感じました。

「WEED~one day~」は、初詣に行く若宮と岡田の話。わずか4頁の短編に、萌えがギュッと詰まっていました。谷脇にも岡田のような優しい恋人ができるといいなと願わずにはいられませんでした。

「Green Green」は、表題作とは関係のない、ツンデレ兄と体育会系弟の近親相姦もの。可笑しく甘いのですが、表題作とのギャップが大きくて戸惑ってしまいました。同時収録されたのは、お口直しの意味なのかな。

書下ろしの「Passed by~scene2」は、生前の松本の想いを描いた短編。谷脇に愛されていないのは分かっているけれど、いつか…。表題作は谷脇視点でしたので、松本の想いを知って表題作を読み直すと、さらに切なさが増します。作者様の追い打ちにやられた感があります。

前巻同様、書下ろしに登場する人物たちは、谷脇、若宮の恋人たちなのだそう。とすると、今回の自閉症の少年は…。次巻も谷脇のお話とのこと。優しい展開でないことは予想できますが、読まずにはいられません。

9

これはほんとに心をエグられる

WEED→FLOWER→POLLINATIONの3部作の2作目。
この話だけでもすごくきれいにまとまっていますが、やっぱり1作目のWEEDから読むと谷脇の変わりっぷりが分かるので1作目からがオススメです。

冷血医師の谷脇×気弱な医学生の松本。ゲスの谷脇がたまたま目を付けた医学生の松本に無理やり迫って始まる関係から、2人の心がずっとすれ違ったまま話が進んで、何度読み返しても切ないお話でした。

あと本編に関係ない短編が1作入っていて結構面白かったのですが、これが兄弟ものなので「木原先生勘弁して下さい」という気分でした。ほんと重たくてメンタル来る1冊ので翌日予定のない土曜とかに読むのが良いんじゃないでしょうか。

3

谷脇を考える。

優秀な外科医の谷脇と、新人医師の松本。谷脇視点。
三部作の2作目。

電子で購入したのを機に数年ぶりの再読。
松本の未来を知っているだけに気が重いし、谷脇の仕打ちは改めて酷いなと思った。


酩酊状態の相手を好き勝手犯した挙げ句、相手から誘ったと嘘八百…いや~~冒頭から最低だよ谷脇。

手に入れるまでも強引だったけど、松本と恋人関係になった後もなかなかの…。
自分の欲望、欲求を何よりも優先して、自分が楽しいと思うことのためなら相手の気持ちは顧みない谷脇。
刺激を求めて散々浮気をし、わざと松本にバレるようにする…その度優しい言葉や態度で取り繕う…の繰り返し。
表面上だけでも、松本が喜ぶ(と谷脇が思う)ような行動や態度がとれるのだから、何故夢だけを見せてやらないんだろう…とモヤモヤした。

で、挙げ句の果てに他の男に…ていう。
まぁ、これもわざわざプロを呼んでいるあたり、谷脇としては本当に余興のつもりで、松本が深く傷つくとは思っていないのだろうなとはわかるのだけど。
でも、松本としては到底許容できることではなくて、谷脇からの愛もないと感じて、彼の気持ちを考えるととても辛い。

この辺りから谷脇の思考が、相手の行動の意味や気持ちを想像する上で的外れなものばかりな気がしてきて、違う!そうじゃない!!と叫びたいような気持ちになった。


谷脇…。谷脇ってなんなのだろう。
最初は、嗜虐心の強い男なのかと思っていたのだけど、必ずしも相手を傷つけたいという意図でやっているのではないような。
谷脇にとっての「楽しいこと」がたまたま相手にとっての「辛いこと」だっただけ…みたいな。

それと相手の気持ちを顧みない点。
最初は、相手の気持ちなんかどうでもいいから見ようとしていないのかと思っていたけど、だんだんと「見ない」のではなく「見えない」…本当にわからないのではないかと思えてきた。

谷脇は、人の心がわからない。恋情とか、愛情とか、「情」というものが理解できない。
きっと谷脇自身の中にない感情だから、他人のそれもわからないのだろうなと思った。
松本が谷脇のことを「鬼」だと表現する場面があるけれど、これはとてもしっくりきた。
「鬼」、人間じゃないなにか。
「鬼」が、人間の皮を着て、頑張って恋愛の真似事をしている…その様はなんだか滑稽で、空回り具合に哀しくなってくる。


ラスト、松本への気持ちに気付く谷脇だけど、もう何もかもが遅すぎて、手遅れで、救いのなさに涙がでた。

松本への愛情は、谷脇の「思考」に上がることがなくて谷脇自身が気付かなかっただけで、その深層心理「心」の部分にはずっとあったのだろうなと思う。
でなければ、逃した魚惜しさとはいえあんなにずっと執着しないだろうし、見向きもされないのに声をかけ続けることもしないはず。
谷脇自身がこれに気付く前に松本が逝ってしまったのは本当に辛い。


これは、いち読者の願いに過ぎないけれど、
二人の最後の夜、谷脇の愛情がカケラでも松本に伝わっていたらいいなと思う。
本人に自覚はないし、相手は眠ってしまっていたけれど、「そっと」と表現された動作に私は愛情を見た気がしたから。




同時収録の「Green Green」は実の兄弟で弟×兄。
兄のトンデモな提案から始まり、明るくライトな雰囲気なので、一冊でバランスが
取れている感じがする。
ただ、シリーズの真ん中の巻なので、ここに別の作品が挟まってしまうのはもったいないようにも感じる。

2

相変わらず鬼畜谷脇

裸んぼシリーズ2作目。
今作も、酔って意識の無い医学生を犯すという鬼畜スタートなお話でした。
単純で純情な受けは、主人公の手管にまんまと引っ掛かって手の内に堕ち
人でなしの主人公が演じる虚構の姿に溺れて行きます。

主人公が受けを含む遊び相手を、
釣った後水槽で飼っている魚に喩える描写が秀逸でした。
主人公にとって身体を重ねる相手は、無聊を慰めるペットか
ゲーム感覚で気持ちを操って楽しむ人以下の存在なんだと実感します。
(主人公が、人として存在を認めてる人間はほぼゼロですが)

主人公はどれだけ愛されても受けを愛し返すことはなく
刺激欲しさに浮気を繰り返して、それを受けに仄めかしたり・・・。
さらには、同意も得ずに受けを含む3Pを強行して、
とうとう受けの方から関係を絶たれます。
(しかし主人公は全く凝りません。)

その後、受けは主人公を完全に拒絶し
二人の人生は交わる事無く、受けは夭逝します。
しかし主人公は、受けが最後まで自分を愛していた事を人づてに知り、
死んだはずの受けの面影を追ってしまう無意識の行動を繰り返すうち
ようやく自分の気持ちに気付き、人目もはばからず涙して、話は終わります。

見事なバッドエンドで、読んでいて痛さが気持ちいいw
受けが気の毒なのはもちろん、主人公も哀れな男です。

「WEED 〜one day〜」
短いですが「WEED」の若宮と岡田のお正月SSも収録されています。
この二人が大好きなので、甘やかな話に安心しました。
・・・横ですが「FLOWER」の中で、谷脇に脅されて
若宮が岡田とのセックスを覗かせる場面があります。
若宮が抱く側だと思っていた谷脇は、
岡田に抱かれて喘ぐ若宮に驚きます。
谷脇は無自覚ながら若宮の事が好きらしいので、
この二人の甘々エッチを見せつけられるなんて
複雑な心境だろうな〜と想像すると、すごく楽しいww

「Green Green」「SWEET」
分量的に約半分を占める同時収録作品は実兄弟もの。
最初は実兄弟なんて・・・と、引いてたのですが、読んでるうちに、
まぁいいか・・・(*゚ー゚)トオイメ
となし崩しにインモラルを許容させられてました。。
お兄さんのツンデレっぷりが可愛いくて、萌えます (〃∇〃)
これで6歳も年上なんて詐欺だろww

「Passed by 〜scene 2」
書き下ろしSSは「FLOWER」の受け松本視点。
谷脇に浮気されて気持ちを踏みにじられ、
愛されていない事に気付いても、
なお谷脇から離れられない苦しい気持ちが、
諦観と共に淡々と語られます。
この後に起きる結末を知ってるだけに悲しい。。

7

人として終わってる……だがだからこそ目が離せない

見事に順番を間違えた感半端ないですがこのシリーズ初読みです。


『FLOWER』

表題作の攻め…谷脇は皆様の言う通り人間としてぶっ壊れた攻めでした。
フィクションだからこその大前提で言いますが、ほんと好きなんですよね。
玩具感覚で受けを弄ぶこの手のキャラ…。

顔も良く医師というスペックの高さ…仕事仲間として見せる姿は人当たり良く気遣いもでき…傍から見ればいい男。
でも恋人視点で見る姿は最低最悪。
平気で浮気してその証拠をわざと残し嫉妬する受けに気分を良くしつつも君が一番だと甘く残酷な嘘を吐き散らかす。

谷脇にとって松本(受け)は恋人でもセフレでもないただの魚。
エサを手に自分の気の向くまま泳がせる。
まだ使えるうちは表向き取り繕いつつも松本の大切な母親が死のうが知ったこっちゃない。

そんな谷脇の本性に気付き彼に溺れていた松本の態度は一変します。
松本の女性との結婚やら彼自身の病気…
まさかの連続にようやく目が覚め悔い改めるかと思いきや終盤まで彼の本質は変わらなかったところが彼らしく…甘い展開を一つも残さなかった木原先生にはさすがですとしか言い様がないです。

先生の書くドクズは根本からきちんと腐っているというか(笑)ドクズさが一貫していて好きなんですよね。
生半端な展開で心変わりして自分の間違いに気付き受けに許しを乞い再び結ばれ奇跡で受けの病気も治ってもう二度と離さないからと甘ったるい真実の愛を並び立て喜び震える受けとハッピーセックスエンド…なんてことにならないじゃないですか。

いやしかし松本くんに関してはもう…辛みしかない。
これ絶対彼視点きたら心潰れる…と思いきや書き下ろしでグサリときました。
捨てられそうになった飴…それに自分を重ねるそんな彼の幸せはもう永遠に戻らないんだ…。



『Green Green』

いやぁ、好きでしたねこの兄弟。
これまたお兄ちゃんが難ありなキャラしてますが快感に溺れ好きという言葉に酔いしれ弟を手放せなくなる…。

結婚して子どもができて…家庭をもつという理想的で完璧な未来予想図をぶち壊しても禁断ともいえる兄弟同士で愛を育む。
もう彼なしで生きていく自分のビジョンが見えなくなる…ってゾクゾクきますよね。

だからといってモノの見方や自己中さが一気に変わることもなく…
弟が一生懸命作る弁当を捨てていた事実には驚きました。
頼んでいないのにむこうが勝手にやってること。昼はお腹が空かないからこっちも勝手に捨てる…。
でも頑張りを伝え弁当の感想を聞く弟に心が軋み少しは食べるようになる…。

恋人になっても全体的に甘ったるくなることはまずない…それでも少しずつだが確実に変わってはいく。
弟のことを好きだと繰り返す兄にグッときました。


『WEED』も早く読みたいです。

2

いつでも探している、君の姿を

木原音瀬のファンを自負する私だが、植物三部作の中でもっとも
好きな作品がこの『FLOWER』 だ。 手持ちのBL小説の中でも、
何度も読み返した数少ない作品ではあるがしかし、
決してひとにはすすめられない。 というのも、
攻め・谷脇の鬼畜にも悖る所業の数々に立腹される方も
多いのではないかと思うからだ。 私自身は、遊びと称して
嫌がる松本に3Pを強要した場面には、流石にドン引きした覚えがある。
BLにおける鬼畜は、いまや飽和状態を呈しているが、
谷脇はそんじょそこらの愛あるキチク攻めと一味違って、
ホントに人間として一番大事な部分が壊れているとしか思えない。
でも、そういう男が恋をして、もしかしたら生まれ変われるかも
しれなかったのに、その前に恋が死産してしまうという、ほとんど
寓話めいたストーリー。 ラストシーンが切ない。
谷脇は自業自得といえど、松本はなぁ…。
続刊で、自閉症の少年の中に失った恋人の面影を見出そうとする
谷脇の慟哭が耳に残る。 続刊と合わせて読む方が後味は良いかも?
単品でも、個人的には『WEED』よりも読みやすかった。

6

木原作品の中で最も愚かな人間登場

私が今まで読んできた作品の中で史上最悪に愚かな男・谷脇が登場します。前作「WEED」でも最悪っぷりを発揮していましたがこの「FLOWER」でも全快です。

谷脇は自分が楽しむためだったら他人の気持ちや想いを平気で弄ぶことが出来る男。今作で谷脇の餌食になった人物は成績優秀で将来を期待される優しい医師・松本である。
酔った事を狙って松本を強姦します。松本は酔いのため覚えていませんが、その後宮脇の嘘と脅迫めいた発言のため関係を続けていくとになります。
谷脇は自分の従順な松本を面白い玩具として扱う一方、他人から初めて『好き』だと言われた松本は最初は忌避しながらも谷脇の偽りの優しさに触れ惹かれていきます。

谷脇は松本との関係に飽きを感じ他の女と関係を持ったり、嫌がる松本に3P強要したり平気で行うんですよ。本当に自分が楽しむことしか考えていない、谷脇に道徳なんてものは存在していません。
松本は谷脇の浮気、嘘の言葉すべて気づいていても好きだから関係を断つことができない、想い続けるその姿に涙しました。

最終的に関係を断ったのは松本なわけですがその頃には心身ともにズタズタな状態。後に松本に病魔が襲います。
谷脇と関係を断ってから心がない感情を見せないようになった松本。もちろん谷脇の声にも反応しないようになる。いざ死ぬとなった時の松本の涙に私も一緒になって泣いたな…最後の最後に好きな相手に『好き』って言えない、最後の最後まで傷ついた松本の姿は見るに忍びなくて苦しかったです。

ラストの谷脇の描写はなんとも言えないな。不憫だけどそれ異常に愚かだなって思ってしまった。

「 Green Green 」は「FLOWER」とは打って変わってすごく甘いお話です。兄弟の近親ものです。「FLOWER」での苦しさを払拭してくれる作品でした。これがあって少し救われた感じがあります。

5

Green Green好きです。

表題作はあまり好みじゃないんですが(最後が…。)、同時収録の短編「Green Green」近親相姦兄弟物が雑誌掲載時からとにかく萌々で(金ひかるさんの挿絵もまた素晴らしい。)。掲載時はもう少し淡々とした描写だったような気がするんですが(語り過ぎないところが想像力をかきたてられてより良かったような。)。コンプレックスは感じるんだけど存在は無視みたいなね。兄弟の関係がほんとリアル。それが何と!恋愛に発展してしまうという離れ技。一本!!!

3

痛すぎて中々読み返せない

裸ん坊3部作2作目。
前作でも大概でしたが、今作ではもうフルスロットル。
敷き詰められた地雷をいかに避けながら走破するかというデスレースもかくや、なお話です。
木原作品で嫌いな攻を三人挙げなさいと言われたら、迷わず飛び出す

谷脇、甲斐谷、寛末!!

そんな谷脇が主役の2作目。ムカムカ度は相当です。
人として色々と終わってる男ですが、適当にみつけた松本を酒で潰してレイプし、それだけでは飽きたらず偽りの告白をし、弄ぶだけ弄び、浮気はわざとのし放題。

この時点でもう色々とあり得ないんですが、松本が○んでもこの男は薄情でした。
けれどその薄情が、読んでて何だか途中から哀れになってきます。
そうやって、読者が可哀想な人を見る目で谷脇を見始めた頃になって、漸く谷脇は自分の恋心に気づくという愚かっぷり。
いやぁ……ここまで徹底した愚か者だと、余計に松本が可哀想に思えてくる。
とんでもない鬼畜、といえばこの男だと思います。

書き下ろしは松本視点でした。
次巻の主人公、祐哉とのエピソードで、これがまたせつなくて堪らなかった……。

3

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