WEED(新装版)

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WEED(新装版)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神13
  • 萌×214
  • 萌8
  • 中立5
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
12
得点
150
評価数
42
平均
3.7 / 5
神率
31%
著者
木原音瀬 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイノベルズ
シリーズ
WEED
発売日
価格
¥900(税抜)  
ISBN
9784862631848

あらすじ

エリート医師の若宮と悪友・谷脇はある雨の夜、一人の男を拾う。一夜限りの刺激的な遊びと、男を無理やり弄んだ若宮たちだったが、一週間後その男・岡田と偶然自宅で再会してしまう。さらに、あの夜以前にも若宮は岡田に出会っていたと告げられ…。こんなに求めたことはないから、どうしていいかがわからない。そんな恋に出会ってしまった―。

表題作WEED(新装版)

岡田晋也,25歳,運送業者
若宮勝志,医師

同時収録作品WEED

若宮勝志,医師 / 谷脇,医師
岡田晋也,25歳,運送業者

その他の収録作品

  • EVER
  • Passed by~scene 1

レビュー投稿数12

若宮、このおバカさんめ…

エリート医師の若宮と、運送会社勤務の岡田、若宮の(性的な)悪友の谷脇。
三部作の1作目。

数年前に読んだ本。電子で購入して久しぶりに読んだ。
3作の中で一番糖度の高いカップルだと記憶していたけど、改めて読んだら結構ビター。
まぁ、最終的には甘いんだけども。


雨の中で拾った行きずりの相手(岡田)を二人がかりで強姦するという最低の始まり。
なんやかんやで若宮が岡田を好きになり、なぜか岡田も気持ちを返してくれて恋人関係に。

若宮は、岡田が自分のどこを好きになってくれたのか分からず岡田を信じきることが出来ないのだけど、いや本当に読者も分からない。
一応転機がどこかはわかるし、岡田本人にしか分からない良さがあるのだろうな、好きになるのは理屈じゃないもんなとは思うけど。
こんな性悪で面倒な男、どこがいいの…とか思ってしまう。

岡田は若宮に理不尽に当たられても、浮気を見せつけられても、誠実に向き合って理由を聞こうとするし、自分を信じて欲しいとちゃんと言葉で伝えるけど、
若宮ときたら、自分が捨てられることばかり考えて岡田を信じようとしないし、そのくせプライドが高くてなかなか不安を口にしようとしないし、挙げ句自暴自棄になって岡田を裏切るし…
どんどん行ってはマズイ方向に行ってしまって、なんてバカなんだろう。イライラを通り越してハラハラしてしまったよ。

若宮はなんでこんなに岡田を信じられないんだろう。とても一途に気持ちを向けてもらっているのに。
元彼や見合い相手への若宮の行動を見ていると、自分さえ良ければいい、相手が傷ついても構わないという感じで、きっと今までもこういう不誠実な恋愛しかしてこなかったんだろうな…
自分が不誠実な振る舞いしかしたことがないから、岡田の誠実さ、一途さを信じることが出来ないのだろうなと思った。
自分の辞書にないことは信じられないよね…
そう考えると、確かに「かわいそう」な人かもしれないね。

最終的に、若宮にも色々な気付きがあって、岡田との甘い時間。そのなかで辿り着いたところが岡田を好きすぎるあまり悲しい、一緒に居てもきっとずっと寂しい…なのが印象深かった。
本当の恋は寂しいものなのか…

3作品ともに巻末に入っているクロスオーバー短編が好き。
今回は岡田視点で、眼鏡の医学生との邂逅。

1

神シリーズの第1作目

WEEDシリーズの第1作です。
続編2作は本当に神作なのですが、この作品だけだと個人的には微妙でした。
金ひかる先生の絵は凄く好きなのですが、若宮が童顔過ぎて挿絵を見るたびに「え?」となりました。見た目が攻めなのに受けっていう設定が良いのになあと思いました。
ただこの作品の時点では脇役でクソ医者の谷脇がシリーズ通して成長していく過程が見れるので、谷脇のゲス時代を読めるという意味では良い作品だなと思います。

0

初めての愛に溺れるクズ

“穴があくほど見つめる。唐突にあの男が好きだと思った。好きだと何度も唇で繰り返す。ほかに感情を表す言葉を知らない。胸が熱くなって、涙があふれそうになる。こんな不安定な感情は知らない。”

3部作で、WEED→FLOWER→POLLINATIONの流れですが、お話自体は違うので読みたいものから読んでもそこまで問題のないつくりだと思います。私は谷脇が読みたかったのでFLOWER→POLLINATION→今作の順で読みました。そうするとより今作に度々登場する谷脇にニヤニヤしました(笑)

強姦する側の犯行前の会話から行為まで描かれているのが、BLにありがちな「好きだから勢いでやってしまった」というファンタジーではなく、確信犯なので雰囲気が怖いです。
そこから若宮が被害者の岡田に偶然再会し、スマートに行かない謝罪と誘いのアプローチをして、恋する弱者に成り果てます。今まで相手に踏み込ませなかったラインを軽々と越え、合鍵を渡し相手の食事に合わせ、彼とだから抱き合うことの気持ち良さに感じ入ります。相手に溺れ猛烈な嫉妬と心配を繰り返し、それでもいつまで経ってもプライドが邪魔をして素直になれないのでこじれにこじれます。
この若宮の積み上げてきてしまった性格と愛されたがりの核、恋人にあっさり塗り替えられた生活、彼自身の金銭感覚(金で解決しようとする・すぐ物を買う)、そして同類谷脇の使いっぷりが若宮のなかに混在しているのが良いです。そして腐っても医者なのがカッコいい。
クズが恋に溺れるのは木原さんの作品で多々あり大好きな流れですが、今作はそのクズ相手に早い段階で恋人も同じくらい夢中に愛しているのです!もうハッピーエンドじゃん?ここからどう闇の展開が待ち受けるのかな?と防御心を張っていましたが、若宮の女々しいこじれが延々と続くだけです。そう彼が素直になるだけで彼らは甘々で、一応安泰なのです。

本編後のお話「EVER」は岡田目線で語られますが、彼に起こった事柄を考えると若宮に落ち着くのが信じられない。恋愛体質で他には走ることが好きなくらいで、趣味もギャンブルもない極端でのめり込みやすい性格。他の人とでも上手くいきそうな感じだなと読者も思うように、恋人若宮をいつまでもモヤらせていたのでしょうか。

谷脇もズケズケと露骨に言いたい事を言うしやることなす事クズですが、頭がいいから自分の役割を把握するのが早い。「ここからが俺の腕の見せどころってわけだな」浮気現場工作にノリノリである。

岡田が無心で走るように、特別な爽やかなはなくても無駄な事を考えない、直接的な性格です。それに対してうだうだといつまでも頭で考えモヤる若宮。自分が嫉妬していることすら相手に伝えられない所から、こんなにこじれるか!と言うほどこじれる。
最後には若宮も「好きだ」とそれしか感じられなくなるくらい心底胸に刻み、そして好きな彼と同じく走るのがエモかった!

前半に「(相手のことを、相手にとって自分のことを)何も知らない」という言葉が出たので、一体どんな闇があるの…とゲス顔で楽しみにしていたんですが、何も無かったですね。
また出会いからの2人の性格の差を考えるとリバって当然なんですが、それでも序盤で若宮には一度タチを申し出て欲しかった、そこは少し物足りなかったです。でも岡田に甘やかされ愛され尽くされてしまってどうしようもなかったんでしょうね(笑)

3

人間味あふれためんどくささ


間違えて2部を先に読んでしまいそれから半年が経っていましたが、1部をようやく楽しめました。
今回も安定の最低ぶりがたまらない。

初っ端から3P…拾った男を強姦スタートには驚きました。
最低と最低が揃って最強…悪友の谷脇はここでも相変わらずの顔良くスペック高い人でなしでした。


若宮は正真正銘エリート医師なのでしょうがどこか抜けていたりおいおいな点が多く最低な男であり間抜けな男であり可哀想な男であり面倒くさい男。
女に対する嫉妬、本音を言えずに眠れない夜を過ごし理由を求める岡田にはヒステリー気味に当たり追い出したり。
こじらせ具合が半端なかったのですが、今回もとても人間くさくて本当にめんどくさい奴だな~と思いつつも追うのをやめられませんでした。

普通だったら絶対お断りなことも岡田相手だとゆるくなるどころか許容しちゃうし攻めから受けに転身したのも彼の性格を考えると本当に凄いことだな、としみじみ。


岡田はかなり不幸な人なはずですが…
妻子亡くすわ寂しくてたまらなかった時に強姦されるわ加害者とばったりでくわすどころか嫌がらせの犯人扱いされその後もウロチョロされる…普通なら殺意おぼえてもよさそうですが、彼は彼で幸せな今を手に入れることができて良かったと思います。
 

2

雑草男の清廉さと芯の強さに脱帽

肌色の表紙と強姦に気後れして、木原さんの作品の中で読むのを後回しにしていました。平手打ちを食らったような衝撃的な作品でした。恋って、こういう面もあり得るのだと。

金も地位もある自己中心的なエリート医師・若宮が、性悪セフレの谷脇と一緒に強姦した男・岡田と恋に落ちるというすごい設定。しかも、岡田の妻子は交通事故死しており、若宮の患者でした。
何より驚いたのは、奔放に性関係を楽しんできた若宮にとって、これが初めての恋であり、自覚した途端に築いてきたプライドも信条も吹き飛んでしまうという展開。心の奥底に隠れていたのは、寂しさと愛される自信の無さ。傲慢だった若宮が、「何でもするから、お願いだから…僕のこと、捨てないで」と懇願する場面では、恋の狂気を感じて、言葉にならない興奮を覚えてしまいました。

若宮をここまでにしたのは、岡田の清廉さと芯の強さではないかと思いました。
引っ越し業者に勤める岡田と偶然再会した若宮は、とにかく自分の失態を金で始末しようとしますが、岡田は受け取りません。若宮が土足でアパートに上がり込んだ時も、「畳を拭いて帰ってもらう方がよほど誠意がある」と言い放ちます。若宮は岡田に自分にない清廉さを感じ取ったのでしょう。理由をつけて訪ねるうちに、どんどん岡田に惹かれていきます。
不思議なことに、岡田も若宮を好きになり、タチだった若宮を抱くのです。二人で雨宿りしているとき、岡田が強姦された日のことを思い出して、若宮に話す場面に答えがありました。強姦された後、眠った若宮をどれだけ殴ってやろうと思ったか。けれど、子供みたいにしがみついて離れないから、「きっとあなたも寂しい人なんだろうって、そう思った」と。自身は、妻子を交通事故で失って、その悲しみを振り切るために土砂降りの中走っていて、強姦されたのに。自分の寂しさに手いっぱいになることなく、相手の寂しさも感じ取る。谷脇に「雑草」と評される岡田の、その芯の強さ、優しさに、脱帽しました。若宮が完全敗北して、自分の恋心を自覚するのも納得です。

同時収録の「EVER」では、岡田が実業団マラソンに参加するのをきっかけに、若宮が嫉妬したり、当てつけに谷脇と浮気したりするのですが、岡田の気持ちはぶれません。岡田の走りに重ねて、芯の強さを描くのがメインのように感じました。
岡田に惚れ直し、大けがをした岡田と病室で愛し合い、若宮はやっと嫉妬の病から解放されたようです。でも、どんなに抱かれても寂しい気持ちはなくならない…。どうしようもない寂しがり屋さんです。でも、その寂しい気持ちがある限り、岡田を欲しがる気持ちはなくならないのですから、ずっと一緒にいるのでしょうね。

書下ろしの「Passed by~scene 1」で、岡田が若宮を可哀そうに思っていると明かされています。愛されても寂しい若宮のことをよく分かっているのだと、ホッとしました。
岡田は、遺品整理の仕事で、数年前、自分と一緒に交通事故に居合わせた医学生が亡くなったことを知ります。明日のことは分からない。今は目の前にいる人を愛するだけだ。そんな岡田の潔さが胸に沁みて、心地よく物語の着地点を示しているような気がしました。

7

すれ違いまくりだけど

衝撃。悪友と強姦した男に最終的には抱かれてる。初回とそれ以降が変わったからリバと言っていいのかわからないけど、リバがだめならやめたほうがいいかも?
二人が恋人になるまでは、同じ作者の他の作品と比べるのもなんだけど、いつも1冊かける話が1冊にも満たず、でも凝縮された感じ?もう恋に落ちたのか!と思ったんだけど、その分恋人になってからの話があってラブラブ好きとしては嬉しくもありました。
恋人になってから、恋愛体質な攻めと嫉妬深い?受けなんだけど、若宮は元々恋人クールというか束縛し合わないようなそんな関係を好んでいたのに、それが岡田に初めての恋をしてから岡田のことが気になって気になって、恋人になっても不安を感じてばかりで些細なことで一人で(重要事項)怒ったり喚いたりとんでもないことしたり。そんな若宮に対してべったりな岡田は「悪いところは直すから……」って、あ〜〜いじらしい〜〜と、たまらなくなる。
最悪な出会いから始まった恋で少しずつ変わってゆく若宮。読み終えて、あらすじのそんな恋にであってしまった、と言う言葉がしっくりきました。ハッピーエンドで良かった!
新装版から読み始めたのですが、三部作ということで、他の二冊も早く読みたい。あの谷脇のお話!攻めと受けの名前やあらすじを軽く読んでしまってすでにもう胸が痛い(笑)でも絶対すぐ読むだろうなあ。

5

リバもの…っぽくはない

「WEED」「FLOWER」「POLLINATION」三部作を連続して読んだので、続刊も踏まえてのレビューになります。

三部作の第一作にあたる本作は、医師の若宮(主人公)と彼が出会った平凡な青年・岡田の物語です。若宮はものすごく自分勝手な理由で、偶然「拾った」岡田を同僚の医師・竹脇と一緒になってレイプします。その後、岡田が妻子を事故で亡くした孤独な男で、以前に病院内で患者の親と医師として擦れ違っていたことを知った若宮は、岡田が自分への復讐を企んでいると思い込んで自分らしくない行動に出てしまうのですが、このことが切欠で若宮は岡田に執着していきます。やがて岡田も若宮に想いを寄せるようになり――…という、少々強引な展開のお話です。

そう、強引…なんですよね。木原音瀬さんの作品は新旧問わずいくつか読んできましたが、ここまで評価が難しいシリーズは初めてです。シリーズとしての評価は「萌」、この第一作は辛うじて「萌x2」かなぁ。私は第二作(に収録されている兄弟モノ)が一番好きでした。

ちなみに若宮×岡田なのは最初のレイプシーンだけでそれ以降はずっと岡田×若宮なので、あまりリバものという印象はありませんでした。

理屈抜きで岡田に惹かれていく若宮の心情の変化にはさすが木原作品という感じの強い切なさを覚えましたが、岡田が若宮を抱きたいと思うほどに彼に夢中になる理由がちょっと腑に落ちなかったなぁ。後半は両想いの二人がヤキモキする甘い展開だったので、まあ大事なのは出会い方より暮らし方なのかな…と思いました。二人が幸せならいいです、うん。

7

クソで可愛い年上受け、ただそれだけだけどそれが神

新装版、私的には特に意味なし。なので新装版じゃない方と同じレビューします。
ちなみにちるちるさんの受け攻め表記間違ってますよー。メインCPは、年下マラソン選手攻め×年上医師受けですのでお間違いなく。
さてさすがの木原様節。ストーリー導入部のくだり、クソさが酷い。
気をつけてください。
リバが、ぜっっったいに許せない方。
そのクソ部分では、ストーリー中核となるCPの受け攻めは逆です。
ストーリー冒頭、攻めは、受けに、レイプされます。
レイプって辺り、もうクソですよね。
それでも、それが、木原節。
その後の受け医師の、可愛いこと可愛いこと…………
彼の、攻めが好きすぎて自分のアイデンティティまで変えちゃうくらいってのがヤバイ。
受け医師は相変わらずクソで、 あり得ないくらい狭量でヤキモチ焼きでひとりよがりで自分勝手で意地っ張りで妄想癖で、ことあるごとに(勝手に思い込んでコトを創り出す、イタいヒト)ダメな選択で浮気しちゃうっつーとこ、もう可愛すぎて可愛すぎて。いや、バカだなあと思いながらも可愛い。恋の魔法をかけられちゃうと、セックスを軽く楽しむただの行為なんだとストイックに思ってる人間も(その辺がすでに病んでる)、挨拶1つにヤキモチを妬くくらいバカになってしまうということですね。あーー、バカすぎて一途過ぎて可愛いったらないっ!
攻めが、こんなバカでどうしょもない恋人に一途に付き合って愛してる辺りが、また木原節!
カッコイイ受けが築き上げたアイデンティティを曲げてまで自分をかっこ悪くしちゃって(自意識だけね)、攻めがそんなにかっこよくないのに、受けを一途に思っているってところが、私的にぐにゃぐにゃしちゃうくらい萌えるところです。
レイプネタは、許せませんが。

6

表紙が買いにくいシリーズ

裸ん坊3部作の中で、このWEEDが一番好きです。
傍若無人でプライドはエベレスト級。
嫌なことがあればすぐに人に当たり散らし、後輩相手に嫌味をたれる、超我儘男、若宮。
人としてどうかと思うような、兎に角いちいち腹の立つ男なんですが、こいつが何だか憎めない……。
注いでも注いでも満杯にならないコップみたいな若宮相手に、岡田は本当に懸命に愛を注ぎます。
でも、岡田も若宮と一緒で、やっぱり愛に飢えてる感じがたまらなかったです。嫉妬深くて、愛がないと生きていけないタイプなのが身悶えするほど萌える。

2作目を示唆する内容の書き下ろしが、とてつもなく良かったです。
読んでてすぐに松本の事だなと思ったんですが、先を知ってるだけに涙でそうになる……。

7

初めガツンで中はハラハラ、最後は…(笑)

裸んぼシリーズ三部作のうち一作目。
強姦した相手と恋愛関係になるという
今まで読んだ木原さんの作品の中でも、トンデモ展開が際立ってましたw

主人公は30歳のゲイの外科医。
セフレ関係にある同僚(タチ同士なので挿入無し)とホテルに行く途中、
気まぐれで、道を歩いていた男を騙してホテルに連れ込み、
二人掛かりで強姦します。
実は男は以前、主人公が助けられなかった交通事故犠牲者(子供)の親です。
しかも強姦事件の後、主人公が引っ越す際に、
客と引っ越し業者として再会してしまいます。

初めは保身のため男に謝罪していた主人公ですが、
そのうち男を好きになってしまって友人を経て恋人になります。
主人公はネコ未経験だったのですが、男の希望に沿うために受けに回ります。
強姦の夜から考えたらリバですね。

男は主人公より5つ年下で、恋愛体質とのことで主人公にべったりです。
主人公も今まで遊びまくっていたくせに、攻めに本気で惚れてしまい、
過去の恋人には合鍵すら渡さなかったくせに
男とは少しでも一緒にいたいとすぐに同棲するようになります。

両思いでラブラブに見える二人ですが、主人公の視点でのみ語られるので、
主人公にべた惚れのはずの男が、無断外泊をしたりすると
不安に駆られる主人公と一緒になって、
『これは攻めによる、壮大な復讐なのでは?』
と読者もビクビクしてしまうのは木原作品だから・・・(^_^;)

主人公は男を好きすぎて、全てを独占したくなり、
些細な事でも不安になります。
でも、それを素直に男に伝えられず、
理由も言わずに無視をしたり距離を置いたりして
それでいて、男が傍にいないことで寂しくなって泣きじゃくったり。。
終いには、男が女と話してるだけで嫉妬と誤解をこじらせて、
耐え切れずに、セフレと浮気までします。

行きずりの男を強姦するような人でなしで、
社会的地位もあり、見た目も良く、プライドの高い主人公が
これといった取り柄も無い男に、心底惚れてしまい、
自分でもコントロールできない恋心に翻弄される様子には
愛おしみを覚えます。

結局、攻めの復讐なんてことはなく、男の愛情は本物だったのですが
こんなに気難しくて我が儘で素直じゃない主人公を
変わらず愛し続けてくれる優しい男で良かったね、と思うべきなのか、
真摯な愛情を注いでくれるけれど、恋愛の機微に疎く
恋人の不安に気付かないような男に惚れてしまった主人公を
気の毒だと思うべきなのか、迷うところですw
でも、ツンデレな主人公がボロボロになりながら
必死に恋人の愛を求める姿は間違いなく萌えます (〃∇〃)

木原さんの既読作の中では、
普通の恋人同士としての濡れ場が沢山あって、エロかった。

6

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