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smile
【スマイル】
少ないページ数に驚くほど重いエピソードが詰め込まれていた。ネタバレになりすぎるので詳細は省くが、人によって地雷になり得る要素が満載だと思う。
主な登場人物は、子持ちのゲイである悠爾とその彼氏の北大路、悠爾の子供(実子)の崇爾、悠爾の元彼の森、崇爾の母親の律子。悠爾と北大路の日常を描きながら、登場人物それぞれの背景が語られる。
崇爾視点では母がいないことを友人に揶揄われ、悠爾と北大路で支える様子が描かれる。北大路視点では中学時代からの長い長い片思いが綴られ、ここだけある意味平和なBL。
悠爾の抱える秘密は崇爾が生まれるまでのあれこれで、まあなんというか絶句。悠爾に相談を持ち掛けきた森の背負うものは重すぎて、ただただ衝撃だった。
全てを曝け出し合った悠爾と北大路が、これからを誓って綺麗なハピエン。すっきりじんわり、もなくはないが。大きすぎた衝撃は払拭できず、いろんな人生があるよね……とぼんやり思った。
【しろつめくさのはなかんむり】
こちらもいろいろ詰め込まれてる。性同一性障害の患者や主人公自身の秘密など。各エピソードに脈絡はなく日常の切り取りであり、ことは綺麗に上手くいく。しかしテーマははっきり伝わってきて、興味深く引き込まれる世界観。
筋肉質で精悍な医師の三上が、実は内側に繊細な乙女心を持っていて……?というお話。常々男に抱かれてみたい願望を押し込めており、セフレの前でも自分を演じタチに徹している。
その後安藝と出会い、良い方向に転がっていくわけだが、ここにドラマがないのはBLとして残念かも。
読後感は良くほっこりできた。
【つぼみのアダージオ】
二作目の安藝と三上の三年後、同棲する二人の小話。三上についての理解を深める安藝の心理描写が良い。
元受け×元攻めのカップルで、現在はこのポジションで固定らしい。が、リバる匂わせあり。
全体的に甘々で、上手くいっているカップルを見れてほっこりした。