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belial noyuuwaku
里美はある晩、行きつけの店で知り合った行きずりの男と関係を持つ。
今まで女に限らず、何人かとの男とも関係を持った里美だったが、その男とした行為は、今までの誰よりも里美を夢中にさせた。
鍛えた身体をスーツに包み、「痛がる表情も俺を煽るためなんだろ?」と里美を翻弄するその男。
遊びのはずが、快楽に囚われたのは里美の方だった。
いつ意識を失ったかも覚えていないくらい、その彼との行為に溺れた里美が翌日、目を覚ますと彼はもうすでにいなくなってしまっていた。
そのことにショックを受ける里美だったが、それから二週間後、もう二度と会うことがないと考えていた彼から連絡が入る。
そして、今まで知らなかった彼の招待を知ることになる。
彼――安岐は、特捜部の検事で、里美に対して、職場の先輩弁護士と代議士を捕まえるために協力して欲しい、と頼まれたのであった。
里美は、自分が利用されたのだということに憤るが……という話でした。
検事と弁護士の話なので、法廷で対決! とかだったら精神的にしんどいなー……と思ったんですが、そんなことはなく、里美に関してはほぼプライベートな事柄ほとんどを占めるので、胸が痛かったりというのはなくて個人的にはほっとしました。
話としては、自身も弁護士で自殺してしまった父親の死の真相を探りたいと思った里美が、父とも知り合いであった先輩弁護士の事務所に勤めるも、日々の仕事の忙しさに何も出来ずにいたところ、思いがけなく事態が動き始めて、死の真相をも知ることになる、という感じだったんですが。
伏線だと思ったところが、伏線じゃなかったり、どうしてその状況で里美に協力を依頼してくるんだ、こいつらは……と思ってしまうようなところがあったり、と微妙にもったいない感じが。
個人的に、父を死に追いやった男たちに里美が協力するメリットなんて何もないよなー……と思ったので、里美にその協力を求めてきた男たちが愚かに見えてしょうがないです。
もうちょっとその辺り練ってくれたら面白かったようにも思うんですが、練りすぎると話がだらだら長くなってしまうと思うので、これはこれでよかったと思います。
ミステリー的な内容もありますが、基本的には二人の関係がメインの話です。