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作家さんの新作発表
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表題作「思いちがいも恋のうち」と続編「もどかしさも恋のスパイス」の中編2作品が収録されています。
どちらも雅也(受け)の視点でストーリーは進みます。
雅也は、実は下戸で子どもっぽい性格なのですが、クールだと誤解されがち。ショットバーで声をかけてきた九条(攻め)に、「高慢そうなのがいい」と言われて本性を隠して付き合おうとしますが…という話です。
設定は良いなぁと思ったのですが、色々いまひとつでした。
坂井先生の作品は盛り上がりに欠けると言いますか、日常生活中での恋愛模様であり、会話や主人公の独白が読んでいて途中でダルく感じてしまったものもあったのですが、この作品はテンポよく読めて楽しかったです。
ただ、主人公である雅也の「クールそうで実は甘えたがり」というギャップがポイントなのに、それがどうにも分かりづらかったです。
「こどもっぽい」とは何度も繰り返されるのですが、具体的事例が少なかったですし、酔って本性を現す場面も、それくらいなの?と拍子抜けでした。
クールを演じて寡黙な丁寧語を使ってていたのに、本性は饒舌な甘えん坊で酔うと泣いたり笑ったり忙しいというくらい区別が欲しかったです。慣れない敬語で時々用法を間違うとか面白そうなのにと思いました。
せっかく会社の先輩・上尾が登場するので、彼を真似してクールぶるというのが一番ついていきやすかったかな。友人の竜巳と配役がカブってもったいなかったです。
本性をもう出してもよいはずの続編も、九条に嫌われないようにとぐずぐずとしていて、クール演じてるときとどこが違うんだと思いました。
私が、「こどもっぽい」は遠慮するよりズケズケ言う印象だというのがあるかもしれませんけれど。
九条も努力は感じますが、過去の相手と好みを間違ったり、誠実さがいまひとつでした。「セカンドハウスに招待したのは初めて」という特別扱いも、結局はマイルールに過ぎないので、雅也が初心者だと分かっているならもっとスマートに導けないものかと疑問でした。実は照れ屋だとか、初めての思いに舞い上がっているというわけでもなさそうなので。
九条の友人・永柄が、雅也の友人・竜巳を気に入って落とそうとしているとか、何かもうひとつストーリーが欲しかったです。
エッチ場面は多いので、遊び人×初心者のエロがお好きな方にお勧めだと思います。あと、亜樹良先生のあとがきイラスト、九条の半ケツ素敵でした!
ただ、九条は遊び人で、過去に永柄とカラダの関係もありますので、そういうのが苦手な方はご注意ください。
攻・九条匡親(30代後半?) カメラマン
受・山口雅也(24) 会社員
味覚は子供(ハンバーグとケチャップ味が大好き)。
酒はほとんど飲めない(カクテルを装ったトマトジュースを愛飲)。
酔っ払うと見た目とは正反対の甘えたがりの子供属性な本質がだだ漏れになる…。
外見はクールで鋭利な美貌の持ち主なのに、中身がお子様(中学生ならまだしも、友人には小学生だといわれることも)な雅也。
自分の外見を恨めしく思いつつ、日々周囲を警戒しています(知らない場所で見た目を裏切る言動をしないように、と)。
友人のカクテルバーで限りなくトマトジュースに近いカクテルを飲んでいた雅也は、九条に「モデルになれ」と声をかけられます。
「首筋と肩のラインがイイから、脱げ」「高慢そうな冷たい目がいい」と雅也を口説きます。
見た目と、警戒して言葉を選んでいるのを「クールで執着がなくて割り切ってる」と受け取った九条は「モデルじゃなきゃ、お相手でもOK」と。
雅也は…九条に一目惚れですよね。
ぽーっとしてしまい、思考が働かなくて言葉が少なくなってしまってる。
でもそれが表面に出てこないので、クールで慣れていると思われてしまうのです。
九条に嫌われたくないから、本当の自分を押し殺して大人ぶってみるのですが…実は最初のセックスのときに九条には見抜かれてしまってます。
アナルセックスは嫌だという雅也をなだめて、毎回いじっては開発してたのも、雅也が未経験だと気づいていたから。
来るべき(笑)成就の時のために頑張っていたのです(笑)。
そんなことは知らないから、雅也は必死に大人ぶってるのが…カワイイです。
九条とその友人と一緒の席で、酒をオーダーされ「一口くらいなら大丈夫だろう」と飲んだ直後から、タイヘンなことに。
身体が熱るからシャツのボタンをはずす…ふたつも。
問われて応えた口調が、子供っぽくとろりと崩れる。
しかも饒舌です。
大人ぶって言えなかったことを全部しゃべっちゃうのです。
子供っぽい甘えた口調で。
九条はこのギャップにやられたんですね~。
ギャップ萌え、バンザイ(笑)。