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oinari sama ha itsumo kuuhuku kami no oyado no motenashi gohan
今回は神様のための宿・銀杏荘を護る稲荷神と
祖母から銀杏荘の守り手に指名される青年のお話です。
受様を最後の守り手としようと決意していた攻様が
受様との日々で気持ちを変えるまで。
受様はブラック企業で理性と人権を失い
1年以上続いた過重労働で身体を壊して入院します。
受様の母は離婚して受様と弟を育てますが
2年前に他界していて実家とも疎遠だったため
入院中に祖母が不意に現れた時とても驚きました。
実は母の実家は代々受け継いできた
尊い方をもてなす館の守り手という大事な役目があり
受様に自分の後を継いで欲しいと言うのです。
どうやら母はその役目を嫌がっていたらしく
祖母はその仕事に誇りを持っていたようですが
地獄の職場から離れ人間に戻りつつある受様には
休みたいという気持ちが勝っていて
何一つ魅力的には聞こえませんでした。
ところが新月の夜、
受様は「ついにこの日が来てしまいました」という
祖母の夢を見ることになります。
退院した受様は祖母の言葉は覚えていても
労働する気力はわかず気の抜けた生活をしていたのですが
気晴らしで出かけていた近所の公園で
金色の瞳をした美青年に声を掛けられる事となります。
この美青年こそ今回の攻様になります♪
なぜ来てくれない
ずっと待っているというのに
漸く会えたね
攻様は突然大きく両手を広げて受様を抱きしめ
受様は新愛を込めたような熱い抱擁に
パニックを起こしてしまいます。
受様を知るらしい攻様とはいったい何者なのか!?
そして攻様にロックオンされたらしい受様の未来とは!?
神様のための宿・銀杏荘を舞台に
守り神である攻様と守り手になった受様の
もふもふファンタジーになります♪
好き作家さんはあらすじは読まないで
購入するため
本作は表紙とタイトルのイメージで
受様が家政婦さん的な感じで攻様を餌付けする系か
と思ったのですが、
あらすじを読んで本編を読んだとしても
ちょっとギャップがあるお話かと思います。
攻様は人々の信仰心によって生かされる神様ですが
現代は見えない神への想いは失われつつあり
そもそも攻様自身が人の世から去ろうとしています。
攻様は人の世に来る神、去る神をもてなすための
宿『銀杏荘』を護る稲荷神なのですが
受様を最後の守り手として宿を辞める決意をしているのです。
神様をもてなすという銀杏荘の存在理由と意義、
神様としての攻様の本質を受様が知らないために
そもそも受様には攻様の想いがわかりません。
攻様の銀杏荘の場所は神域であるため成約があり
それが受様の過去にも影響していて
受様はドキドキ&グルグルって展開は良いのですが
あまりにもすれ違いが過ぎて
結局は受様の気持ち次第的な展開で
生きたい方向に強引に推し進められた感が強くて
ちょっと消化不良な部分がありましたので
「萌」評価とさせて頂きました。
お稲荷さん好きなので購入。キャラ、お話とも王道で、「!」って思うポイントがあまり無かったので中立にしました。読みやすいので小説あんまり読んだことないって方でも大丈夫ではと思います。全ページ二段組本編240Pほど+あとがき。
ブラック企業でメンタル&体壊して療養中の静佳。ある日公園で「なぜ来てくれないの」「ずっと待っているのに」とキラキライケメンの話しかけられ・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
廻(あやかし)、コン(攻めの眷属)、地蔵屋(薬売り)、園絵(受け祖母)、その他神様ぐらいかな。コンちゃん可愛いのに。
++攻め受けについて
攻めは明るめキャラ。力弱ってきているのに、静佳に会えて、最初から最後までとても嬉しそう。めちゃくちゃかっこいいとかキラキライケメン!とか凄い何かを感じることはあまりなく、どっちかっていうと甘えることを知っている可愛い系攻めという印象です。
受けは見える異能持ちだけど、リーマンだったしごはん作るの超上手というのでもないし、めっちゃ可愛いとか男前とか特筆するものはあまり感じず。普通の人という印象。
攻め受けとも無茶苦茶惚れる何かを感じず、お話も王道だなと思い、あと一押し何か欲しかったなあと思う一冊でした。ごはんものなので、なんかめちゃくちゃ美味しい何か(王道お稲荷さんとか)が出てきてくれると嬉しかったな。
作家買い。
鏡さん作品はファンタジーものが多いイメージがありますが、今作品もそのイメージを損なう事のないファンタジーものでした。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
「銀杏荘」という名の宿がある。
銀杏のご神木があり、一葉という主人が営んでいるその宿は、神の国と人の世を繋ぐ場所にあり、神の国と人の世を行き来する神々をもてなすための場所だ。
そして一葉もまた、稲荷神である。
一葉は最近哀しい出来事に見舞われた。銀杏荘で働いてくれていた守り手である人の子が寿命により世を去ったのだった。園絵という名の女性亡くなる際に、新たな守り手として園絵が声をかけていたのは、彼女の孫の静佳という青年。だがしかし、一葉が迎えに来たとき、静佳は銀杏荘について何も知らなくて―。
というお話。
そもそも静佳と園絵はあまり接点がなく、静佳も園絵に頼まれたときも夢現。
何のことなのかもよくわからず、無理やり(と、少なくとも静佳の方ではそう認識している)銀杏荘に連れていかれてしまい、家事は何もできないのに料理やら何やらやって欲しいと頼まれた静佳はパニくりながらも奮闘していくが。
んー。
ストーリーとしては非常に面白いんですよね。
この世とは思えないほどの美貌を持つ(人間ではないので当たり前なんですけれども)一葉に連れていかれたのはぼろ屋で、そこでいきなり食事を作れだのなんだのと言われても理解できない静佳と、スキンシップが激しくて朗らかで優しい一葉との噛み合わないやり取りが非常にコミカルで面白い。
神の世界と人の世を繋ぐ神たちの休憩どころの宿という設定も、一葉と静佳を取り巻く周囲の人たち(正確には「人」ではないのですが)もシリアスになりそう…、でならない展開でほのぼのベースですし。
が、うーん。
個人的に静佳という青年が今一つツボらないというか…。
彼はとある理由から銀杏荘の守り手になりますが、その理由を鑑みたときに彼が何も知らないというのは無理があったんじゃないかな、と思うわけです。静佳が一葉のためにしたことが、結果的に一葉を追い詰めていきますが、そもそも静佳には「銀杏荘」の本質が分かっていないから。彼が守り手になった理由と、それを静佳が知らないということが相反しているし矛盾が生まれている気がしました。そこがちぐはぐなので、読んでいて気持ちが萎えてしまう。
設定は非常に面白く、シリアスとコミカルさ、ほのぼのさのバランスが上手に盛り込まれています。一葉のスパダリさとか、一途さとかあるいは懐の広さに萌えはしましたが、ごめんなさい、静佳という青年の在り方に疑問を感じてしまい今一つ萌えきれなかった。彼が元社畜、という設定も今一つ生きていなかったような…。元社畜だからこそ、一葉の無茶ぶりに頑張って応える、とかそういう描写があったら良かったのになあ、とそこも残念に思いました。
が、ベースとしては非常にハートフルです。
一葉が静佳に食事を作って欲しいと懇願するシーンが頻繁に登場しますが、それは出来上がったもの、つまり食事がメインなわけでは決してない。静佳が、一葉のために思いを込めて何かをする、そのこと自体に意味がある。
それは人と人との関係において非常に重要でかつ基盤になることだなあ、と。
相手を想い、心を込めて何かをする。したいと思う。
それが、愛情であり優しさなのではなかろうか。
優しくってほっこり心が温かくなる、そんな1冊でした。