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well
電子新装版を読んだのですがページが見つからなかったのでこちらに失礼します。
木原先生の作品はいくつか拝読しているのですが、今まででいちばん疲れました。
とにかく疲れました。
世界の終わりから見捨てられて、本能の赴くままに生きることを強いられた人間達の行き着く先。
このお話は世界が急に砂になるというファンタジーチックな始まり方ですが、そのあとの諸々は実際に起き得るんですよね。
例えば、アンデス山脈に墜落した飛行機で2ヶ月以上サバイバルしたのち生還した人々は、実際に作中でしたことと同じことをしています。
BL要素はね...最初から薄々わかってはいたけど。
フワッと前評判の重いとか辛いとか見て読んでみたのですが、なるほど!となりました。
元々バトロワとか絶体絶命都市とかアイアムヒーローとかデスゲーム人狼とかを非BLで嗜んでいたので、そういう方向性のエンタメとして楽しめました。
得意不得意でいうと不得意なエンタメですが(私の心が弱々)それはそれとして素晴らしい作品だなと。ドラマがありますよね。良い作品でした。
割と心を抉る系と前評判を見てたので、初登場のときからいつしのぶが死ぬだろう、どんな風に死ぬだろうと読んでいたのはここだけの秘密です。
ギリギリの追い詰められた環境で人間が何人か集まったときの揉めたり助け合ったり狂気に陥っていく感じとか、それまでの常識が通用しなくなっていく感じとか。
誰がいつ死ぬんだろうとか誰がどうなっちゃうんだろうとか。スリルとも違うのでしょうけど、怖いけど先が気になる感じ、ありますよね。
個人的にやっぱしのぶがしんどくて。
もう最初に出てきた時からこの子しんどいポジションだなと決めてかかってたんですけど、希望の「好きになってくれるかもしれない」がグッときて。
あと田村さん。
田村さん…今朝殺してしまった、あと1日生かしてたらあの犬も助かった…ってのがザックリ心にきました。
この先も人生が続いて、過去を抱えて生きていく。救われて終わり、めでたしめでたしハッピーエンドではないんだっていう。
あーいいな。ってなりましたね。
萌えとは違うと思うのですが、神ですね。
映画化しよ。そんな風に思える、緩急ついていてジェットコースターのようでドラマチックで、かつ人間をしっかり描いた素晴らしい作品でした。
【注意】これは、デストピアモノでBLでは無いです。
エゲツない話だった。ある日突然すごい衝撃と共に地上にあった物が全て白い砂に。地下に居てた人だけが助かってその中でも女性は何故か先に亡くなっていって男性だけが残される。
ゾンビや得体の知れないモンスター、病原菌で敗退するお話今まで色々読んだけど、一番エグい話でした。極限状態になった時の人間模様がゲー吐きそうな描写でした。
前半[WELL]は、幼馴染みで主人と家来の関係性の高校生の良介としのぶ。
良介視点のお話。目覚めると自宅地下のワインセラーに2人きり。足を負傷していて歩けない。現状が理解できずしのぶに苛立ち当たり散らす良介。
割とひどい言葉浴びせられるし行動もひどいのに、しのぶは受け入れて良ちゃん大好きが原動力。
暴漢者達に地下のワインセラーを奪われ白い砂の砂漠を彷徨って衰弱して死にそうになってたところを、地下街の住人グループのリーダーに助けられて仲間に迎入れて貰えるんだけど、ここでもずーーーっと良介の態度が悪くてマジ胸糞。
足を負傷してるから動けなくてしのぶの手助けなしでは生活できないのに邪険にするしひどい言葉投げつけるしでこんな奴のどこが好きなの?しのぶくんよ?良介にダメージ与える様な秘密を暴露してたけどね。しのぶくんの一途、盲目、献身的は不気味で怖い。だから、一方通行でお互いに気持ちは通わない。木原作品独りよがりなやつ多いよね。
後半[HOPE]は、地下街の住人リーダー格の田村さん視点。田村さんいい青年なんですよ。普通の大学生だったのに、みんなの期待に答えようとリーダーとして頑張ってて、とても可哀想な目にあわされる。残された食料が無くなったら、さてどうするのか。考えてみてください。否定したいけど、少し脳裏によぎった案、それを実行します。倫理観を考えさせられます。
2020年書き下ろしの[終わりのはなし]
救われるどころか極めつけにそこまで書くかー!
木原先生鬼畜やー、アンタ。(褒めてます)と思いました。
田村さん壊れちゃうよ。
Kindle Unlimitedで読みました。
しんどいし、BLでは無いけどいいもの読みました。
木原さんの作品は、こんな展開があるだろうとかいう自分の予想を、大したことないと言うかの如く早々に超えてくるので、いつも驚かせられまたやみつきになります
ディストピア・カニバリズムと前情報があったので、「あぁ、僕を食べてとかがあるのかな」と思って読み始めたら序盤30ページ目早々でありましたし、「それでも何度か身体の関係があってすぐ絆されるんだろう」と思っていればいつまで経っても絆されません。「リバーズエンド」もまさか60ページであんな展開だったし、ヒャーまだまだ先長いよ⁉︎どうするの⁉︎と興奮しながらいつも夢中になって一気読みになります
何も無くなった世界でもプライドを捨てきれない亮介
愛が行動の理由になるしのぶ
死に際の選択
人によって異なる希望の見え方
どこからが・誰からが・どの行動からが罪で犯罪者なのか
純粋さは苦悩なく楽なのか
極限の状況下で登場人物其々の行動考え方は異なり、其々に納得させられ、違う視点で見られるのは読み応えがありました
結局しのぶはあんなにも何を怖がっていたのだろう。亮介のいない世界かな。ただ本当に怖がりなだけだったのか。それが亮介の為なら手段を選ばず盗みや殺人を犯す純粋さは振り切れていて潔く、他の作品だったらヒーローだったかもしれません
自分がいなければ亮介は生きられないとしのぶは言いますが、それはしのぶにも言えるのではないでしょうか。亮介が生きていなければ、しのぶの行動も心持ちも180度違うものだったでしょう
どこまでも受け入れられない愛と生き方は、極限の世界過ぎて切なさや感傷的になる余裕もなかったです
何だか、ここまで混じり合えない人間達のドラマはなかなか無いので、圧倒されました
面白い・BLを求めて(誰も求めていないですかね)というより考えさせられる・パニックムービーな作品でした
凄かった……他に言葉が出ない。
横っ面叩かれて、深い穴の中に落とされた気分。
これは、BLですか?
ラブは?萌は?どこにも見当たらないのですが?
ただ、執愛という意味での愛なら確かにあったかもしれません。
これは、木原先生版『漂流教室』です。
これ、今だったら出版できなかったんじゃないかな?
暴力、殺人、レイプ、カリバニズムーー
まさに、この世の地獄です。
ある日、突然女が死に、男だけが残された世界。
砂になった建物、ひたすら続く白い砂漠。
これは、夢が現実かーー
生き残った高校生の亮介としのぶですが、亮介は足を怪我して動けません。
もともと主従関係だった二人ですが、こんな世界でも亮介の態度は変わらず、しのぶに我儘放題辛く当たります。
世界が崩壊しても尚、上に立とうとする亮介に腹が立ちます。
偉そうで意地悪で腹が立ちます。
それでも、しのぶが居なければ生きていけない亮介に、ザマァと思わなくもない。
しのぶは亮介の言いなり。それも腹が立つ。
しかし、しのぶは「亮ちゃんのため」と言って、殺人も厭わず、挙句、亮介を犯す。
これは愛ですか?
人が壊れていく様をまざまざと見せつけられます。
遠慮のない表現、救いのない展開、どこまでも残酷です。
たくさんの人を殺そうとした人間を殺すのは罪ですか?
それとも救いですか?
木原先生からの沢山の問いを感じました。
駅近の集団に救われた、しのぶと亮介。
若きリーダーの田村は、みんなに慕われる人格者です。
前半のWELLは亮介目線、後半のHOPEは田村目線で進みます。
このHOPEが表題作よりキツかった……
何度も打ちひしがれて本を閉じ、あまりの悲惨さに涙し、
そして希望を探しました。
でも、どこに希望が?
結局見つけられないまま読了し、本を閉じたあとは放心状態。
どこか裏があるのでは?と怪しんでいたのですが、田村は本作の良心でした。
田村が監禁され、陵辱の限りを尽くされる。
次こそ助けが来るはず……という期待はいとも簡単に裏切られます。
裏切られ続けます。
仲間の死体の隣で抱かれ、死人の切り取った性器を突っ込まれ、〝死んだらお前の性器も生で食べてやる〟と脅される。
人を殺して食べるような人間を殺しても、罪になりませんか?
生きるためなら仲間の肉も食べますか?
大切な人のためなら何人もの人を殺せますか?
次々突きつけられる問いに、答えはないと思います。
残ったのは、脱力感と虚無感。
結局、何が言いたかったのか分からない程の絶望感。
心にこれだけの存在感を残したこの作品は、ある意味名作なのでしょう。
ただ、私の趣味には合わなかったというだけのこと……
甘いBLには萌えられなくなったので、もっとこういう終末とかパンデミックとかのBL増えて欲しいです。発売から10年以上経ちましたが、今でも殆ど無いので、ネット創作で探したりしてます。
アクション映画みたいなBLが見たいです。
ただ最初の女性が滅んだ部分。
まぁ確かにこうなった世界では女は邪魔かもしれませんが、女性に対する扱いが酷というか差別された気がしました笑
男リョナ好きとしては後半の田村主人公の話がとても良かったです。
仕事前に読む本じゃないんですよね。
今までで一番読み進めるのが苦しかったです。
だけど読まなきゃ良かったとは決して思わない。
心にダメージ負ってもその傷をどことなく気にしていたくなる。
木原先生の作品ってそういう魅力が詰まっているとよく思います。
世界の終わりとも言える過酷な状況で都合のいい救済を盛り込まず地獄をきっちりと書いてくれています。
なかなか読む人を選ぶというか一般的に女の人が好みそうではない世界観でも読者を喜ばせるような描写がない…誰もがそう望むようなドラマチックな奇跡や希望を決して見せはしない。
だからこそリアリティを感じ切り離されずにお話の中に入り込ませてくれる。
「HOPE」は特にきつかったですね。
タイトルから程遠い生きるか死ぬかという極限の淵に佇んでいるような可哀想な彼らに具合が悪くなりました。
環境だけでなくBLという面でもあふれる希望がないんですよね…。
しのぶの恋心は永遠に一方通行なんだろうなー。
唯一の希望は亮に好きになってもらうこと、とそう言った彼の気持ちに最後まで…嘘でも心で答えなかった亮のこと…私は結構好きです。
木原先生の動かすキャラってしっかり立っているんですよね。
BL作品だからとあからさまだったりご都合的な愛し愛されを全面に押し出してこないどころか今作では特に縋りたいような甘みさえなく…。
彼らの行き先をぼんやり考えていたくなります。
「亮ちゃんは俺のこと嫌でも、繋がりは消えないよ。俺が地獄に行って離れ離れになっても、消えないんだよ」
このしのぶの台詞がやけに印象に残っています。
本当にそうなるんだろうな…と思います。
この作品を読み終わって数日経ちます。余韻が抜けません。
レビューというよりは、感想です。
とても好きです。ただ、腐女子の目線で好きというよりは、腐女子の目線ではないところでひっかかった好きが大きいです。
「BL」というジャンルにカテゴライズされるこの作品ですが、退廃した世界に取り残された彼らの行く末、あるいは過去の選択、世界観などに対してBLに対してではない目線で、読了後に悶々と考えさせられる作品ではないでしょうか。
いくら考えたところで、つくづくどうにもなりようのない世界なのに、それでも何度もこの作品を振り返ってしまう、そんな深みにハマった私です。
「ボーイズラブ」を求めて読むにはしんどすぎる作品ですが、心と時間に余裕があり、かつグロや胸糞表現にある程度の耐性がある方はあまり身構えず一度読んでみて欲しいです。
責任は、とりませんが(*^^*)。
……あえてBL萌え目線でのおすすめを語るなら、胸糞の悪くなるような凌辱ものが好きな方にも、刺さるシーンがあったかもしれません。私は刺さりました。
いつまで生きられるか分からない、助けが来るのかもわからない極限状態の中、家来同然だったしのぶに力関係で逆転され、慰み者にされる亮介。そこに心がない男同士でも、亮介は生きるために受け入れて、体は一週間で慣れていくのが、読んでいて悲しくて。
当の亮介はあっさりしたもの。生き残ることを選んで、体をつなげることについては心を捨てたんだなあ、と。
亮介としのぶを助けた青年グループのリーダー・田村は、人格者ゆえに、命を選ぶことに苦しんでしまう。
悪魔のような男たちに凌辱され、心を守るため命を放棄しようとするが、生きていてほしいという仲間の思いに縛られ、最後はしのぶに心を絡め捕られるように命を選ばされることに…。田村の心はきっと死んでしまうのでは。
命か心か、どちらか一つしか選べないのは、辛い。
ただ生きていくことは、それだけしかなくなってしまったら、こんなにも辛いのか。
助けは来るのだろうか…。
助けが来たとしても、男しか生き残っていないみたいだから、遅かれ早かれ皆大地の肥やしになってしまうのでしょうね。それがやがて地球上の生命のやり直しにつながるのだとしたら。それが続編のタイトル「HOPE」なのかも…、とは考えすぎでしょうか。
初めて読んだBL小説がこれ。未だに一番好きです
受けが割と嫌なやつでモヤっとします。攻めとの組み合わせと化学反応でイイかも? 絶望とか鬼畜にピンときた人はハマるかもしれません。とりあえず攻めが健気?で一途なのがいい。