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cafe au lait twilight
劇団の団長を務める父、その手伝いをする母。自宅には劇団員が大勢出入りし、父母は劇団の仕事に手一杯で、真樹は子供の頃から親に構ってもらったことはほとんどありません。
また、父は、劇団員のほとんどの女性と平気でつきあう奔放な男。
そんな環境で育った真樹は、演劇が大嫌いで、何より『普通』でいることを願っています。
本当はゲイなのに、それを認め、『普通』ではない側へ行くことなど絶対にできない。幸い自分を好きだと言ってくれる女の子がいて、明るくさっぱりした彼女とはきっとこの先も上手くいって、いずれ結婚して普通の家庭を持てる。そうするのが自分の夢だと考えていました。
ところが、その彼女に真樹はフラれてしまうのです。
そして黄昏の中、橋の上で落ち込んでいたところ、突然男の声とともに身体がふわっと浮き、真樹は川に落ちてしまいます。
真樹が自殺すると勘違いした男が、真樹を助けようとして、二人一緒に落下してしまったのです。
ふと男の顔を見ると、それは真樹がよく行く定食屋で度々見かけ、ちょっといいなと思っていた「ゆうちゃん」と呼ばれている男でした。
しかし、この時に乾いた服を貸してもらったお礼に家を再び訪れると、祐介と若い男が玄関先で抱き合っているのを見てしまいます。
後日、ゆうちゃん=小暮祐介が自分の大学の演劇科講師であることがわかります。
自分が教えている生徒たちの公演のポスターを真樹に頼みたいというのですが、父を思い出させる演劇が大嫌いな真樹はそれを断ります。
しかし、祐介の挑発やからかいにまんまと乗せられ、結局は引き受けることになってしまうんですね。
そして、祐介が芝居を作っていくのを間近に見て、真樹が心の奥に隠していた、父への本当の気持ちをあぶり出し、それを乗り越えていく。同時に、ありのままの自分でいることの大切さを教えられる。
そんな成長のお話に、初めて好きだと認めた祐介には恋人がいるという切なさも加わります。真樹の勘違いだろうなぁというのは予想できるんですけど。
好きになった人に、いろんな大切なことを教えてもらって、自分がプラスに変わっていくというのは、いい恋ですよね。そんな素敵な恋を、松前さんらしい優しさと癒しで描いています。
黄昏時の橋の上は、自分の心に強く封印してきた地への扉でした。
父親に反発して、頑なに避けていた演劇の世界。
一緒に橋から飛び降りる羽目になった相手が、実は自分の通っている大学の、それも演劇科の先生で、
彼のクラスの演劇発表公演のポスター制作を頼まれたのをきっかけに、舞台美術にまで関わる羽目になった真樹。
小暮と接するうちに、自分の内面と否応なく向き合い、自分自身を認められるように成長していきます。
と、これだけで、充分良くできた青春小説なのですが、
そこは、それ、BLなので、
紆余曲折合った末、小暮と真樹はちゃんと収まるように収まって、
恋愛の成就の象徴としてのベッドインシーンが最後にあるのですが、
これ、
いる?
うーん、これがなければBLとして、成立しないだろう!っていうつっこみは置いておいて、
このシーンが、唐突に真樹がオンナで、ちょっと違和感。
いくらBLファンタジーとしても、ここまで『女の子の初体験』みたいだと,ちょっと…だった。
それまでの、『真樹の成長』のストーリーがそれだけでも充分良かったので、ちょっと、おしいって感じ。
松前さんらしくゆっくり静かに時間が流れて行く様な、そんな作品。
舞台は主に大学で、真樹〔受〕は川に落ちそうになった指輪を拾おうとしていた所を自殺しようとしてたと間違えられ、祐介〔攻〕と知り合います。
それ以前にもお互いに馴染みの定食屋の常連で名前だけは知っていた仲。
祐介は大学で演劇科講師を務めているんですが、真樹は己の父親が劇団主催者で家庭を顧みない男だったのに反感を抱いていて、そしてその原因ともなっている演劇も嫌っている。
そんな真樹が行きがかり上、演劇公演のポスターと舞台芸術まで手がける羽目になってしまう。
絶対に演劇なんか好きにならない!と豪語する真樹なのですが、演劇と、そして祐介と関わって行く内に心ならずも次第に両方に魅かれて行く。
演劇ばかりにかまけていた父への反発も薄れ、そしてその呪縛からも解き放たれる真樹。
父が好きだったコーヒーを嫌っていた真樹が徐々にミルクからカフェオレ、そしてミルク入りコーヒーへと変化して行く。
祐介の恋人が実は弟だったというオチは少々安易ではあるんだけど、それも含めて安心してゆっくり楽しめる一冊でした。
木下けい子さんのイラストとお話の雰囲気がよく合っていました。
真樹の心情がすごく丁寧に書かれていて、一種の青春小説みたいでした。
ちょっとポエミーっぽいというか・・・
親への反抗心や認めてもらいたい、という思い、進路についての悩みなど、言葉にしてしまうと簡単だけど、感情はそんなに単純じゃない。なかなか整理のつかない気持ちに共感できるだけに、裕介に助けられながらも、最後は自分の気持ちや進むべき道を決定していった真樹に安心しました。
二人の出会いがちょっと劇的だっただけに物語全体を通してそれほど波がないのが少しダラダラする感じでした。日常のひとコマ、って感じでそれはそれで心穏やかに読めるんですが。
劇団を主催する普通じゃない父親に反発して、普通の人生を選びたい。だから、演劇も嫌い。
性格がしっかりめの美人の彼女と結婚して堅実な人生をと思っていたのに、振られてしまう。
橋の上で指輪を落としそうになって、自殺を間違われて、祐介に無理矢理助けられてから、未来の予定が変わっていく。
演劇科の講師の祐介(マイペース包容力攻め)×グラフィックデザイン科二年の真樹(意固地な現代少年風受け)
ゲイであること、父親との確執、長年の普通コンプレックス……祐介と関わる事で迷いが晴れて、楽しさがわかるようになる所は、BLと言うよりは青春小説のようでした。
いまを悩んでいる少年・少女に読んで欲しいなと思える優しい本です。
『籠の鳥はいつも自由』を先に読んでいたからか、演劇のエチュードで自由にセリフを作って、演じるという課題を利用して、受けの子が本音で告白するというくだりが一緒の展開で、ちょっと新鮮さがなかったです。
真樹が祐介を好きになる理由は、包容力はあるし、長年のコンプレックスをお陰で解消出来たし、優しいしで、よくわかります。
逆に真樹を好きになる理由は言うと、どの辺にあるのかがわからなかったので、もう少し受け攻めの魅力のバランスが欲しかったかも
エロ:★1 少なめ。無理矢理がないので、苦手な方も安心です。
総合:★3 新鮮さがなかったのと、受けにもう少し魅力が欲しかったです。
ネタバレなしで書きたいと思います。
イラストに惹かれて購入。
松前さんの作品はまだ大好き!がなく、残念。
3冊くらいしか読んでいないので仕方ないのでしょうか。
受けは、グラフィクデザインを専攻する大学生の真樹。
攻めは演劇科講師の祐介。
真樹は劇団を主催する父を毛嫌いしています。
奔放で自分をかえりみてくれない父の生き方に不満を持ち続けていたため、自分は普通に生きたいと考えていた真樹。
ゲイでありながら女性とつきあい結婚をして…と、とにかく普通に普通にと思っていたのに振られてしまうのですね。
ショックでフラフラしていたところで、祐介が勘違いを起こし橋から落とされる出来事がスタート。
父=演劇のため演劇をも毛嫌いしていましたが、祐介と出会い、彼に惹かれるにつれ徐々に変わっていく真樹。
なんといいますか真樹は境遇こそ『普通』ではありませんが、そこそこ『普通』なのではないかと。
その証拠に、読後あまり印象に残っていません(苦笑
祐介はさすがは演劇バカということで少々変わってはいますが、彼もまた、わたしの記憶に残ってはくれませんでした。
設定や世界観が日常的なものが好きなのであてはまってはいるのですが、この作品はわたしには萌えどころがありませんで…
定食屋さんは良い味つけだったとは思いますが。
私は、松前さんはそれはもう大好きで(BL作家さんでいちばん好きだ!)、著作全部持ってるし読んでますが(それも多いものは何十回も繰り返し読んでる)、その中ではこれは『読むまでもなかったな』でしかないですね。ディアプラス文庫の松前さんでは、唯一再読する気もないと思う作品です。
イヤもう、ハッキリ言ってしまえば『読みたくもなかった』くらいです。松前さん作品にここまで言う日が来るとは自分でも信じられないよ・・・
設定に演劇を絡めてくるのは松前さんには珍しくもないんですが(ホントに多い)、それだけに『あ~、またか』という部分はあります。
あくまでも『演劇を絡めること』そのものではなく、扱い方というかエピソードというか。
特に即興劇のあたりは、私のいちばん好きな作品とハッキリ言って『被ってる』よな~。二番煎じとしか感じなかった。
特に、向こうが堪らなく好きでこちらは好みじゃないから、かえってイヤ~な気分になっただけでした。
さらに、真樹(受)の親との確執のあたりにはもううんざりしました。
もともと、BLで『親子(家族と)の確執』を押し出すもの自体が苦手なんですよね。特に、こちらはまったく受け付けませんでした。←松前さんで、こういう『家族の確執』が(背景・スパイス程度ではなく)前面に出るものはほぼ好きになれない。
あとは、個人的にイラストの木下さんがものすごく苦手なので『絵が見たくないから』読んでて苦痛だったし、もう二度と読みたくないというのも大きいですね。