お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
koi no yukue wa tenkizu de
気象予報士・お天気キャスター等、扱っているもの(世界)のわりに地味。でもうえださんの地味~な作品は好きなんです。
高校の同級生の再会ものです。
もともと再会ものは結構好きなんですが、これはその中でも好みのど真ん中!って感じでそれだけでも嬉しかったです(ピンポイントで例を挙げれば、険悪で疎遠になってる幼馴染みの再会ものはものすごく苦手なので)。
とにかくキャラクターがよかったですね。
知明(攻)が格好いい!こういう不器用な男前は大好きです。
柚生(受)も、ちょっと逃げ腰のところはあるけどこれまでのアレコレからすれば無理ないと思うし、もうそれでいいよという気になります。
うえださんは心情を細やかに描くのがホントお上手だな~と思うんです。
実際、ストーリーとしては纏めてしまえば大したことないんですが、それでもいいというかだからこそ2人のキャラクターが生きるという感じでした。
あえて言うなら脇キャラクターの野辺は、まあスパイスとしてこういうのも必要なのかもしれないけど(私はまったくそうは思ってませんが)、非常に不愉快でした。
この作品の雰囲気にはまったく合わないし、なぜこれにこういうキャラクターやエピソードを?と疑問でしかなかったです。『障壁』なら、もっと他にやりようあったんじゃないかと思うし。
それだけが残念と言えばそうかもしれません。
あとは橋本さんのイラストが、表紙と口絵とモノクロとそれぞれ絵柄がバラバラな印象を受けました。キャラクターのイメージには合ってたと思いますし、絵柄そのものが苦手なわけでもないんですけどね。
表紙イラストの印象がどうしても強いので、本文挿絵を見るたびに違和感あって困りました。
高校生のとき、親友に密かに抱いてしまった恋心。
その恋を断ち切るために、高校卒業と同時に連絡を一切絶って7年後、帰省して再会し、再び想いが再燃する・・・。
よくあるパターンではありますが、一見昔の友人関係に戻ったようでありながら、口に出さない想いが二人の間にホワホワと漂ってるようなじれったさとモジモジ感(笑)が、妙に気恥ずかしいというか微笑ましいというか、とってもツボでした。
お天気キャスターとして東京で活動していた受・柚生は、ストレスがきっかけで地元に戻り静養することになります。
久しぶりに会う友人たちと酒を飲んだ帰り、柚生は突然倒れ、胃潰瘍と診断されて入院することになってしまいます。
そんな柚生の元に、現われたのが、高校時代密かに想いを抱いていた相手・知明(攻)。
昔の朴訥さを失わず、それでいて大人へと変わった知明に、柚生は、7年封じ込めた想いが全く薄れていなかったことに気づきます。
再び再燃した恋心を隠しながら、7年前の親友の頃のようなおだやかな時間を過ごす柚生。
しかし、何も言わず優しく接してくれる知明の方も、どう見ても高校時代から柚生のことが好きじゃん?と思えます。
そして二人とも大人になって、多少は経験もしたから、相手の好意が口に出されなくても感じられるようになっています。
「もしかして・・・」と思いながら、友人としての距離を保ってる二人の、恋の一歩手前の空気がたまらないですね(笑)
二人が自分の想いを告げあうまで、じれったくてしょうがなかったですけど、片思いじゃないけど両想いじゃないみたいな、微妙な感じが凄くいいです。
こういう嬉し恥ずかしい空気って、恋が始まるほんの一瞬にしかないと思うんですよ。
恋模様と同時に、仕事にも前向きに変わっていくところも書かれていてバランスがいいと思います。
かなり好きなお話です。
kirara
むぼちさま。
本当に次々と読まれてるんですね。すごいです。
うえださんの丁寧さは地味にも繋がるんじゃないかと常々思っていますが、私はその地味さも何とも言えず好きなんですよ。
ところで野辺・・・かなり怒りに任せて書いてますね。ごめんなさい。
私も、どんなに嫌な奴を出してもきちんと収めてくださるところはさすがだと思っています。読みながら気分が悪くても、読後に響かないことが多いんですよね。
うえださんの作品で、まだレビューしていない(一応書いてはいてもアップできない)分が結構あるんですが、好き作家さんだからこそ好みじゃないものは勢いがないとなかなか・・・
もし、感じ方が合わないものがあってもご容赦ください~。
コメントありがとうございました。
むぼち
読み終えてすぐkiraraさんのレビューを読み、全く同感だと頷きました。
うえだ先生の小説は同人誌も合わせると10冊以上読みましたが、この本を読んでいる途中でようやく、なぜこんなに好感がもてるのか、具体的な理由に気づきました。
kiraraさんがおっしゃるように、主人公がどのように考えて、どんな気持ちからそのように言い、行動したのかがとても丁寧に書かれているから、読む側の心も自然に主人公に寄り添っていくことができるのですね。
イラストについても、私も中の絵にひっかかるところがあり、これなら表紙だけにしてくれたほうがよかったと思いました。
また、野辺に関しては私も嫌な気持ちがしましたが、うえだ先生だから多分最後までこのままではないだろうと思って読み進めたところ、私にとってはよかったと思える終わり方でした。
まだ読んでいないうえだ先生の本がたくさんあるので、とても嬉しいです。
10月の新刊もとても楽しみですね。
いつもコメントを読んでいただきありがとうございます。