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ai toiu kajitsu
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これ、あんまり評判よくなかったりします。
たぶん、一番嫌われるのが、攻めが受け以外にも2人の女とつきあっている、つまり三股状態だということかな、と思います。
不誠実な男だからあっちこっちとつきあってるのかというとそうではなくて、3人とも同じように好きなんです。誰かを選ぶことなんてできない。
そんな御託を堂々と述べたりするので、「何言っちゃってんの?」と思わせられる。
これはあれです、幼稚園くらいの子供に「好きな人はいる?」と聞くと「○○ちゃんと、△△ちゃんと、※※ちゃん!」というやつ。
仕事にも真面目で前向きで優秀で、ディーラーになった理由も、とっても誠実な理由がありながら、大志という人は、恋愛という点において、たいへん幼稚です。その辺があらすじの“ピュアで不器用”という言葉になるんでしょうが、ピュアはピュアでもお子様のピュアさ。
それに対して、受けは、ウブだったり未熟だったり成長してなかったり青かったり、そういうタイプが好みで、そういう子を自分でいい女にしたいという願望があります。別にゲイではないんですね。
しかし大志の恋愛に関して自分勝手で成長していないところが、朔のツボに入ってしまったんでしょう。この点を除いても、大志はちょっと子供っぽく純粋な部分を残したところがあるので、見れば見るほど、知れば知るほど、朔の好みなんだろうと思います。
大志を好きになってしまった朔は、大志を酔わせて、押し倒してしまいます(笑)。そして、彼女が二人いるという大志の、3人目として、彼女らと同じ位置にまんまと収まってしまう。
よく考えると攻めも受けも、かなり変わった人たちだと思います。
しかし、私も、攻めが受け以外にも…というのは正直好きじゃないんだけど、これはそんなに嫌な感じはしなかったというか、結構楽しく読んでしまったんですよね。
多分、女性と一緒のシーンがないことと、攻め側の視点からも書かれているのでその思考がよくわかること、というのが、理由かなと思います。
この攻めは、悪気は全然なくて、恋愛面においてはただの子供なんですよね。ただのおバカさんだな、と思う。
こういうおバカさんにはお灸が据えられることを期待するんですが、その点もちゃんと満たされていたので、満足感が得られたというのもあります。朔に啖呵切られてオロオロしてる大志のシーンは、「待ってました!」(笑)。
私は「“なんだコイツ”、という攻めが、最終的には受けにしっぺ返しをくらい、追い縋る立場に回る」というパターンが好きらしいです。
大志は万人に好かれる攻めではないですね。でも、私みたいな人なら、面白く読めると思います。
見た目が良くて仕事も出来るトップセールスマンの大志と、見た目は美しいけれど中身は男らしくいガテン系のエンジニア・朔の二人の同僚カップルのおはなし。一見よく出来た男である大志は、複数の女性と付き合っていて、更には朔とも付き合っていているのだけど、その理由が、"エリート男の傲慢"といったものではなく「どちらも選べない。どちらも好き」だから。
そんな「中身が子供」な大志を、朔が「いい男に育てたい!」というのが本筋です。
全体通して、大志と朔の二人のキャラがちょっとぶれているようにも思えました。年齢的にも二人とも大人になり切れてないのを、敢えてそう描写したのかもしれませんが、コトの最中のシーンなんか時々、どっちがどっちのセリフ?みたいに混乱しかけたりしました。
お話的には、中身お子様だった大志が最終的に朔を選び、男としても一皮むける…みたいなまとめです。
粗筋から想像するほど、胸糞悪い展開もなく全体的に軽いトーンです。三股男の大志がクズとかゲスとかいうわけではなく、ホントに幼児レベルの考えしか持ってないからこそではありますが。このお話としは、まとまるところにまとまって良かったと思います。
あと、ふと思ったのですが「三股男」なんて人物設定だと、実は"ポリアモリー"で…なんて展開のお話も読んでみたいかも?と思ったりしましたが、うまくまとめるのはちょっとむずかしいかもしれませんね。