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受けが悲惨という意味では、義月さんの小説にかなうものはめったにない気がします。
なにせ、攻めがヒドイ。
誤解とか勘違いとかじゃなく、単純に攻めがヒドイんですよ。
で、攻めにムカつきつつも、受けに感情移入して、もどかしい気持ちを持て余しながら読み進むことになります。
ストーリーについては、もう少し丁寧さが欲しかったなァと思います。
主人公ふくめて不思議な能力を持つ男たちが登場する軽いSFなんですが、そのあたりの説明が足りないため、訳がわからないままで読むことになります。能力者たちの過去等に軽く触れてくれるだけで、物語の厚みがぐっと増したんじゃないかなと。
ラストもあやふや。
や、でも、こういう小説において、それを言うのはヤボなのかなァ…。
なんだかんだいっても義月さんの小説は好きです。受けに感情移入できる度あいが半端ないので。
攻・神矢武刀 30代後半?
受・狩野笙一 20代後半?
この作品、BLですがSFファンタージーの設定もあります。
子供の頃に両親を事故で失った笙一。
損傷の酷い遺体を見てしまった時から、不思議な夢を見るようになった。
夢の中では何かの力に襲われるのだが、両親の声や誰かの声が守ってくれた。
15歳になると同時にその夢を見ることはなくなり、忘れてしまった笙一。
20代半ばになり、若くして紡績会社の社長に就任した幼馴染・孝道を支えながら、自分もファッション関係の会社を起こしていた笙一。
孝道の会社が買収されかけM&Aの会社がコンタクトを取ってきた。
それか武刀ら神矢の3人でした。
神矢は孝道を敵対する勢力"シームルグ"から守るために探していたと言います。
笙一は武刀に会った瞬間にもの凄い衝撃を受けます。
しかし武刀は笙一など見ていません。
彼は孝道のために自分たちは存在すると言い切って、笙一を邪魔者扱いです。
恋愛感情なのか、主従関係どまりなのか、武刀はどっちにも取れる感情を孝道には向けてて、笙一はただのセフレ。
笙一は武刀を好きなんだけど、報われないとわかってるから諦めてる。
敵が襲ってきて、孝道とともに事故に遭い、本当に敵が狙っていたのは自分だと知った笙一。
自分の大怪我を押して孝道を助けたのに、武刀たちは敵に「笙一が飲酒運転で事故をし、大怪我の孝道が笙一を助けた」と洗脳されてました。
敵の切り札を破壊するために、自殺を決意した笙一に、武刀が酷いんですよ。
武刀の手に殺されかけるんです。
好きな人の手にかかって死ぬのなら、いいか。
そういう笙一の気持ちが切ない。
BL的には私好みの萌設定なのですが…あえて評価は厳しくしてみました。
SF設定を活かしきれてないのが残念。
もっと書き込んでくれたら、武刀の感情や笙一の気持ちも深くなったと思うので。
ああ、もったいないなぁ。