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keiji to haiiro no karasu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
高遠先生の新作が読めるって、ホント幸せですよね。しかも今作は一冊完結ではなく、続きがある‼︎ タイトルからして期待しかなく、警察・裏社会・事件ものの暗さが大好物な読者としてはたまらないストーリーとなりそうです。
主人公の警察官はおそらく攻め?なのかしら。過去に自分を救ってくれた綺麗な年上のお兄さんのことをずっと忘れられなくて、本作ではやっと見つけた!というところで終わっているんですが…。
年上の綺麗なお兄さんは、隠れ家的バー「Magic hour」のバーテンダー。それは表向きの顔で、裏では窃盗事件の被害者のために非合法な取引を行うアンチヒーロー!? Magic hourのマスターもミステリアスで彼自身のバックグラウンドも気になるし、バーでアルバイトをしている個性強めな双子の活躍も見逃せない。裏業務の依頼者を選定する基準は彼らの独断だけれど、あたかも彼ら自身が奪われた何かを取り返そうとしているかのような執着心、あるいは復讐心のようなものが汲み取れます。そして、読者の意識に刻み付けるかのように時おり登場してくるカラスが意味するものとは…?
個人的に作家様の作品が好きでたまらないところは、どんなお話であっても受け攻め二人だけの特別な時間を必ず取り上げて、丁寧に描写してくれるところなんですよね。BLはやっぱりLOVEなので!!
本作でいえば、やっぱり二人が出会った頃のシーン。モノローグではなく、客観的な視点で当時を振り返る形で描かれるのですが、もう、美しい情景しか浮かばない…(うっとり…)
イラストがまたクールで素敵。サマミヤアカザ先生大好きです♡
続編が楽しみな作品は久しぶりで、むちゃくちゃ嬉しい…。う~、ずっと作品を描き続けて欲しい作家様です!ということで、期待を込めまくっての「神」でお願いします!!
高遠さんの新刊は刑事×泥棒さんのお話。
一見するとコミカル寄り、なのですが、その実かなりシリアスさを孕んだ作品でした。はじめに書いてしまいますが、今作品は1巻完結のお話ではありません。続きものです。これがまた良いところで終わっていて、早く続きが読みたい!状態なので、完結してからまとめて読みたい派の腐姐さまは注意されてください。
ということでレビューを。
警察には介入できない、取り返して欲しいもの。
例えばリベンジポルノの画像、夫からのDVに耐え兼ね逃げてきたが、夫のもとにおいてきてしまった大切なものー。
そういったものを、時に違法な手段を用いてでも取り戻してくれる窃盗団「取り返し屋のカラス」がいるとまことしやかに噂されている。
そんな都市伝説のような話を興味深く聞いていたのは新人刑事の真柴。警官から努力でもって念願の刑事になった25歳の青年だ。彼には忘れられない人がいる。絶望のどん底にいた12歳の時に、マジックで自分に笑顔を取り戻してくれた少し年上の綺麗な人。また逢えたら―。そんな思いを抱いていたある日、彼は先輩の刑事に連れていかれたバーで、その綺麗な青年・玲と再会し―。
というお話。
玲、という青年がですね、
激しいネタバレですのでちょびっと下げます。ネタバレ厳禁な方はここでストップしてください。
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玲が、その「取り返し屋」のメンバーなんですね。
彼は仲間と共にあらゆる手段を講じて、自分たちの正義に合う依頼者だけの依頼を受けている。
刑事×窃盗団、という構図なわけですが、うん。高遠作品だからですね、そんなに単純なお話ではありません。
真柴、そして玲。
二人に共通しているのは過酷な過去か。
真柴くんの方は今巻で彼の過去については描かれています。
が、玲。彼のそれについては全然わからない状況。わからないけれど、でも、過酷な何かが彼の過去にあったのだろうとはうっすらわかる感じ。こういう展開の仕方がお上手。グイグイと引っ張られる感じ。さすがです。
タイトルにもついていますが、「鴉」。
このキーワードが、今後重要な意味を持ちそうで、話の続きが待たれます。
犯罪、を描いた作品だからでしょうか、じんわりとほの暗さが漂うのですが、人間関係はどちらかというとコミカルさ満載。玲の仕事仲間たちとのやり取りがコミカルだからかも。
が、それ以上に、真柴くんのワンコっぷりが効いています。
玲のことが大好きで、ワンコさながら懐き、しっぽを振ってるその姿がとにかく可愛いです。
そして玲も。
人と深くかかわることを良しとしない彼の、うっすらと見えるその優しさが、心にじんわりと染み入ってくる。日陰に生きる自分と、陽の当たる世界に生きている真柴くんとの間に線を引こうとするのは、彼の優しさでしかないわけで。
高遠作品の中では、「神様も知らない」シリーズがめちゃめちゃ好きなのですが、系統としては同じ感じかな?ということもあって、続きがめっちゃ楽しみです。
サマミヤさんの挿絵がこれまた良い…!
ほんのり滲み出るダークさと、相反するようなコミカルさ。そのバランスが秀逸です。サマミヤさんの描かれるスーツからダダ洩れる色香のヤバいことよ。最高か。
まだ1巻目ということで謎だらけですが、がっつり萌えが掴まれた感じ。
次巻の春倍を楽しみに待っていようと思います。
高遠さんの新刊でタイトルに「刑事」が入ってるという事で超楽しみにしていました。期待通り。まだ完結しないシリーズ物ですがワクワクが止まらない良作でした。今年中に続きが出ると良いのだけど。
攻めの健斗は25歳の刑事。幼い頃に事件で父を亡くし当時のマスコミ対応や近所のよく知らない人々からの薄っぺらい同情などで傷ついていました。この辺の描写がリアリティがあって辛い。そんな時健斗を精神的に救ってくれたのが受けの玲(綺麗なお兄さん)で実務的に助けてくれたのが警察。警察に恩を受けた事から刑事になったという人です。
受けの玲はミステリアスなバーテンダー28歳。マジックが得意でクール美人の看板息子。バーテンダー受けの何がいいってあの細身のベスト。後ろ姿で男の人の肩の方からウエストがキュッとしまってるの超萌える。しかし玲は訳ありの正義の泥棒一味という事でなんと健斗とは敵対する関係。さあどうなる?!
今作では2人はお互いの正体を明かさないまま人間としては惹かれあい…という所で終わってます。もどかしい!でも幸せになってほしい。エッチなシーンはなかったけど話が面白いから充分満足です。まあ2巻ではベッドでも盛り上がってほしいけど。最後に渋くてカッコいい本庁刑事が登場したのも嬉しかった。
コメディチックな部分もありつつも高遠さんお得意の切ない再会ラブストーリーでした。実力者の高遠さん、BL小説界で長く活動してくれて嬉しい。独特の世界観のある作家さんだと思います。サマミヤアカザさんのイラストも美しくて小説の雰囲気に合っていました。
やっぱり、高遠さんの文章は最高だ。
冒頭部分!
川べりでの夕間暮れ、夕日から夜空へ色を変えていくグラデーションの中を舞い飛ぶ鴉をバックにして、15歳の神倉玲の黒手袋をはめた手から零れ落ちる無数に思えるほどの白い花びらが12歳の真柴健斗の頭上に降り注ぐシーン……ああ、私が書くとこんなに無粋な文章になってしまうのに、高遠さんの手にかかると息を呑むほど美しい絵が見えるのですよ。
文字を読む目がしあわせで打ち震えています。
ドライアイも治るんじゃなかろうか。
おっとビックリの続きものでした。
嬉しいです、もっと読めるなんて。
ただし、この巻は神倉に関する謎を振りまいただけなので、なかなかのじらしプレイです。
真柴には、不幸な形での肉親(父親)との別れがあります。
たぶん、神倉にも(外れたらごめんなさい)。
似たような喪失感を抱いたことがあるが故に、神倉は不憫な真柴に輝く言葉と宝物を与えたんじゃないかと思うんですね。
そしてそれを支えに真柴は生きてきて、結果として警官になる。
でも長じた神倉は泥棒なんですよ、と言う矛盾。
うーん……今後が気になる気になる。
高遠さんのお話ですもの。神倉の周りにいるキャラがコミカルな動きをしても、むしろ寂しい感じを抱いてしまいます。「こうやってわさわさ楽しそうな所に居ても、結局は『独り』って思っているんだよね」って思っちゃう。
孤独というものはそんな簡単に解消されるものではないと思っています。
やっぱ、人はひとりで生まれてきてひとりで死んでいく訳ですし。
でもどこかで、奇跡の様に他者の人生と交わって欲しい。
またしても『高遠マジック』を期待している自分に気づきました。
なんとなく手に取ってみたのですが「あらら」でした。警察の方と、マジシャン?な方の重くはないけどシリアスなお話、本編240pほど+あとがき。どうなるどうなる?と気になるタイプのお話がお好きな方でしたらおススメです。恋愛色はとても薄いという気がするのだけど、どうだろうか。
新宿警察署盗犯捜査係に配属されて間もないひよっこ刑事の真柴。ある日生活安全課の先輩に連れられて、幽霊ビルと噂されるビルで夜だけ営業している店に行ってみると、そこに子供のころ慕っていた年上の男がいて・・・と続きます。
攻め受け?以外の方は
攻めの職場関係者少々、玲の働く店の仲間(マスター、ブルー、ピンク)、玲たちへの仕事依頼人、田端(弁護士)ぐらい。
++より内容に触れる感想
要はお話が終わっていない&まだ続く予定なのです。それで「あらら」というレビュータイトルにしました。色恋話もほぼ皆無と感じます。面白くて、どんどん読み進める→「あれ?残りページで片付くか、これ?」と疑問に思う→案の定片付かなかった というものです。勝手に1冊ものだろうと思っていたので、ちょっと驚いてしまいました。
表紙右はお仕事一生懸命刑事さん。まっすぐ公僕という感じの方です。子供の頃、事件に巻き込まれてメンタル壊れかかっていた時に出会ったのが表紙左の方(バーテンさん)。こっちの方が謎多き方。天才的なマジックの腕をもっている&女装させたらめっちゃ美人&スリの腕も天才的・・・等々。警察の方にも目を付けられているのか??? というところまでいって、この本はおしまいです。
事件(≠殺人)が起きて、その決着がつく前に終わっているので、続きが気になってしようがない状態です。先生、できればお早目に続きを読ませてくださいませ。
無差別殺人事件の被害者の家族として、子供の頃に深い傷を負った健斗は、当時、手品の上手な高校生と会って救われた。
長じてもなお、彼のことが忘れられず、13年間探して探してようやく、バーで再会を果たす。
健斗は警視庁新宿署の新米刑事。
そして、再会した彼の正体は、どんな標的でも受けた依頼は必ず成功させる、天才的な掏摸の玲。
というお話。
お互いが、お互いの正体を知らないのです。
もう、わっくわくです。
わくわくが止まらない。
描写は美しく、丁寧で、エピソードも破綻なく的確で読みやすい。
玲をとりまく仲間達も個性的でキャラが立ってて、普通の事件物としても充分楽しめました。
どうなるんだろう、この後どうするんだろう、とわくわくしながら、ふと気付くと、ページは3分の2を過ぎているのに、まだお互いが何者かを知らないのです。
え、これ、BLだけど、まだLoveのLの字にも到達してないんだけど、残りページでどうにかなるの?
心配になりましたが、お話が面白いのでぐいぐいページが進みます。
そして、……あー! こういう終わり方なのかー!!と絶叫。
2巻が先頃出たので、まだもやもやの持って行き場がありますが、そうでなかったらちょっと、「1」と書いてあるわけでもないのに、こんなところでこんな終わり方をされても、と。
その、お話が面白いというのがかなりウェイトを占めていまして、これだけで私の中で評価がとても上がっています。
だけど、意地悪な見方をすれば、素敵なキャラがたくさん出ていて、行き違いやら謎やらがちらほら顔を出しているけど、散らかしただけで回収されずに終了してる、と言う風にも見えます。
もちろんすぐに2巻を読みます。
だけど1巻としては(しつこいようですが、巻数表記はされてません)、今後の期待値を込めて辛い評価にさせていただきます。苦渋の評価です。
レビューを今書いてますが、実は続編の発売前に読んだんですよね。
なので期待感で萌ですが、この巻だけだと「コレはBLなのか?におわせ一般小説?それにしてもオチがないぞ!」と思ったのでした。
続編があるとわかって、そうやんなぁ、コレで終わりって無いよなぁと。
過去の事件で刑事になると志し、実際に刑事になった真柴。
その事件の際に子供心に慰めくれたマジシャンを探しています。
そんな折にカラスの足跡を残す窃盗団の事件を捜査することに。ところが、バーで見つけた探し人、玲はマジシャンでカラスの足跡が…
って事で、多分真柴と玲がCPで進むのは良いけど謎が〜
早いとこ続編を読みます!
2021年刊。
続きものらしいのでまずは1巻目を読んでみた。
勿論次巻も追うつもりだが、いつもの自分のペースで完結後にまとめて読んだほうがよかったかな。
義賊ものは好きで一応他にもチェックを入れている本が何冊かあるものの、ここ最近なかなか小説を読む暇がなく、どういうふうに積読本の山を消化すればいいか大いに迷っているかも知れない。
てな訳で、以下個人的な備忘録にて。
この1巻目ではまだ起承転結の"起"の域だ。
周囲の注目を集めるような派手さはなくともアンダーグラウンド下では噂が広まって需要がある存在、証明に残していくカラスの足跡と、惹き付ける要素は散りばめられている。
寂れた街中にあるバー"マジックアワー"のスタッフ(主人公・健斗の意中の人・玲含む)もクセ者揃いだろう、このメンツの中ではマスターの過去や玲を拾った?経緯も気になるかな。
最も気になる人物は『俺は玲の秘密を握っているんだぜ』ってちらつかせている本庁刑事の刀浦だ。
登場時ではガラの悪さが目に付く男だが、彼らの今後にどう絡んでいくかのダークホース的キャラなのだろう。
主人公・健斗の過去の生い立ちもあってかワンコ要素の中にある健気な一面も、恋人候補の玲が美人な割に男性的な無造作が見え隠れしているってのも、高遠さん作品ではちょっと類を見ない責め受けになるかもしれない。
…と言っても、自分は高遠さん作品は数冊しか読めていないですが…
しかし、そんな数冊で印象に残るノスタルジックな情景の描写ってのは、マジックアワーの言葉がある通り、この作品でも健在だ。