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周囲を虜にさせる魅惑の優等生!?
bukiyou na kuchibiru Sweet days
『不器用な唇 First love』の続編。
前作が今一つツボに入りきらなかったのですが、その後の彼らが気になりすぎてお買い上げ。続編なので前作を読んでからこちらを手に取られた方が良いかな?と思いますが、序盤に前巻のさっくりとした説明が書かれているので前作未読でも理解できないことはないかと思います。
前巻できちんと愛情を伝えあい恋人同士になった小田切×裕紀の2人。
二人の間に漂う甘々な空気感満載で、今巻はスタートします。
小田切の亡き親友の真辺。彼の遺したバイク、お墓参り、彼を失った痛みと贖罪の気持ち。そういったものを軸に、「小田切」という青年は構成されているが、そのすべてを裕紀は受け入れ、愛した。
けれど、その小田切の「過去」のすべてを知っているわけではない裕紀にとって、その「過去」は小田切と裕紀の間に溝を作っていき―。
めっちゃ王道のストーリー展開です。
くっついた後の恋人同士、の行きつく先は、どちらかの浮気疑惑とか、過去の恋の話とか、そういった展開になりがちですが、今巻のキモは小田切の元カノ、の存在です。ああ、そういう展開ね、と斜に構えてしまったことは否めない。
が、この王道の展開を圧倒的な文章力で凌駕するところはさすが高岡先生といったところか。王道の良さを生かしつつ、先の先まで見通せる展開でありながらハラハラしてしまう。どうなっていくのか気になってページを捲る手が止められない。「序盤に前巻のさっくりとした説明が書かれているので」と先述しましたが、ちょっとした出来事とか、人となりとか、そういったもので彼らの人間関係や過去を魅せる、その手腕が素晴らしいです。
今巻でも、やっぱり裕紀はいろいろな人から、いろいろな面で狙われます。が、そのどれもが痛い展開になることはない。そう、「小田切」という完璧なるガードが発動されているからでして。ほんのりと不穏な空気は漂いますが、シリアスに振り切ることもないですし、痛い展開になることもほぼほぼありません。
老成したというか達観している、というか、そういった二人なので忘れがちなのですが、小田切、そして裕紀は高校生。
ということで、まだ若いんですよね。これから、を考える年ごろでもある。恋人、自分の将来、そして自分自身を鑑みてぐるぐるするその姿が非常にリアルでした。
登場人物はさほど多くありませんが、魅力的なサブキャラにも支えられ、前巻の不穏さとかダークさはほぼ鳴りを潜めていて、今巻は糖度が上がっていて読みやすかった。
個人的に小田切行きつけのバイクショップ「堂島モータース」の社長の慎さんがドツボキャラでした。まあ、とにかくカッコいい。いい意味で大人な男性で、彼の話も読んでみたいなと思わせるナイスガイです。
今巻もまだすっきり解決していない部分もあったりしたので、続編ありきの作品なのかな?と思っているのですが、どうなんでしょうね。慎さんも追いかけたいし、彼らのその後がまだまだ気になるので、ぜひとも続編を書いていただきたいと所望しています。