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タイBLドラマ注目度NO.1の原作、待望の日本語版が登場。ドラマスチールも収録!
タイBLということで、ドラマ化もされ人気が高い作品。
だそうですが、ドラマは未聴。最近海外BLが熱くて、ほうほう、どんな作品かなと好奇心で手を出してみました。
いやー。
こりゃまいったね。
めっちゃ面白いやん…。
上下巻が同日発売になった今作品ですが、エロ度はかなり低いです。上巻に至ってはキスにも至らず。が、舞台がタイだからなのか?男同士という垣根が低いんですね。けれど「男同士」というバックボーンがきちんと生きてる。硬派、というか、男としての生き様をかけた、っていうのかな。なんか、すんごくカッコいいの。
ということでレビューを。
主人公は大学生のティアン。
元軍人の父を持ち、かなり裕福な家の子息です。三人兄弟の末っ子で、しかもすぐ上の姉と10歳も年が違うこともあって、両親から溺愛されてきた、そんな青年。
けれど最近の彼はやさぐれている。
「悪いこと」は、一通り何でもやってきた。
なぜか。
それは、彼は心臓に疾患が見つかり、治療方法はただ一つ。心臓移植だけ。
が、両親が金銭にものを言わせて探しても彼に適合するドナーは見つからず、彼に残された命はほんのわずか。彼はすっかり厭世的になってしまったのだった。
そんな時、奇跡的にドナーが見つかり、手術は無事成功する。
命を長らえさせることができたティアンだったが、彼は自分の命を繋いでくれた人物のことが気にかかり―。
というお話。
有体に言ってしまうと、何の苦労もせずに生きてきたボンボンが病にかかり、そのことをきっかけに人としての成長を遂げていく。
そんなストーリーなんですけれども。
ティアンの場合、自分が生きる、ということはすなわち他者の死を意味する。
他人の命を、自分がもらい受けた、ということで、彼は素直に自分の「生」を喜べない。そこで彼は、自分のドナーになってくれた人を探し出そうとするが。
そこから、ティアンのドナーとなった人物・トーファンの「今まで」を追いかける形で、トーファンがいたという辺境の地へボランティア教師として赴くが―。
上巻は380Pほどの厚さのある読みごたえのあるページ数。
そこで、ティアンが今までの便利で豊かな生活をいったん手放し、自分の意志で、トーファンの生き様をなぞろうとする、その過程が実に緻密に、そして繊細に描かれています。
BLという部分でいうと、トーファンがひそかに想いを寄せていた人物、軍人のプーパーとの出会いによってストーリー展開していきます。
トーファンの人生。
トーファンの命を受け、これから自分がどう生きていくのか。
そして、プーパーとの絡み。
そんなティアンの想いともに、読者もまた、「生きていく」ということについて考えさせられる。そんなストーリーです。
翻訳ものって、時に非常に読みづらいものもあったりするのですが、今作品は非常に読みやすかった。訳がお上手なんですかね。
で。
終盤に「A Tale of Thousand Stars-ドラマ場面集‐」ということで、ドラマの数場面の画像が収録されているんですけれども。
これが良い…!
役者さんたちがイメージにぴったりなの。
で、カッコいい。
ティアンは可愛いし、プーパーは軍服にマッチョな筋肉が見え隠れする。
これはドラマも見てみたい。と思わせる、そんな写真なんですよ。
作中、挿絵がなくてちょびっと悶々としましたが、この写真でがっつり萌え補給。我ながら現金な奴だと思いつつ。
上巻ではお坊ちゃんで早々に僻地ゆえに不便な生活から逃げ出すと思われていたティアンが、村になじみ、子に慕われ、そしてとある出来事に首を突っ込むところまで。
下巻をまとめて購入されることをお勧めします。上巻だけ買ってくると、とんでもない焦らしプレイになること必至です。