お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
isolde no tsubo
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「ドロシーの指輪」シリーズ二冊目。
前巻の最後で「それでは続きはまた来週〜」みたいにお預けをくらった
女優楓京子が持ち込んでいきた媚薬の壺話、本編。
元贋作の名人にして骨董屋の店主・緒方(攻)と
美貌の守銭奴の銀行屋・三本木(受)、に加えて
前作でお馴染みの個性的というかトンでもない緒方の幼馴染み達。
銀座の老舗の旦那にしてオカマの桂丸、
派手な装いの金貸しの嵯峨、
それに加えてお初に登場しますは、
王子さまみたいに端正なオペラ歌手・雨森弦。
とにかくですねー、お話が面白い!
引込まれて一気に読んでしまう。
死んだ緒方のじいさんはじめ、喰えない爺達も出て来て
化かし化かされ、楽しくワクワクしながら話は進む。
夏は甚兵衛、冬は作務衣+縕袍で万年ゴロゴロしている
しょうもない奴緒方が、この中で一番まともに思えてくるから
なんともはや(笑)
ドケチで天然・三本木くんのBL的魅力には
残念ながら私は未だ開眼できずなのだが(笑)、
緒方がいかに彼を大事に思っているか、
そして三本木がとてもいい奴なのは分かってきました。
次巻のタイトルは『ヴィオレッタの微笑み』とくれば
これは弦が絡んでまた一騒動……?と想像されます。
お次の事件を楽しみに、さてさて。
え?あ、はいはい、二人の甘さがアップも期待しておりますよ、勿論!
『ドロシーの指輪』の続きです。
『ドロシー』の後半に『イゾルデ』の序章部分が載っていますので、完全に前作から読まないと意味がわからないと思います。
谷崎さんの続き物は一冊が独立していることが少ないので、やはり順番通りがお勧めです。
前作同様、攻めは贋作の名手であり今は骨董商として店を継ぎながらも仕事をしない緒方。
受けは美形でありながらも恐ろしく財布の固い守銭奴、三本木です。
タイトル通り、今回は壺のお話。
タイトルのイゾルデは『トリスタンとイゾルデ』から。
前作の絵画の件で借りを作ってしまった相手に緒方が依頼されたお使いがただのお使いでなかったことがお話の中心で、そこに緒方への三本木の気持ちやら新キャラやらが混じっています。
新キャラは緒方の幼馴染み。
前作に登場していた緒方の幼馴染みたち、桂丸(銀座の骨董店若旦那のオカマさん)と嵯峨(三本木をハニーと呼ぶ金貸し)の他にもうひとりいたんですね。
緒方とは何やら因縁のありそうな雨森です。
雨森自体はわたしの好きなタイプですね。
天然系王子様キャラで、腹には何かありそうな…
彼の持ち込んできたお話は、次巻に持ち越しのようです。
前作では緒方はかなり真面目に三本木を想っていることが表されていましたが、今回は三本木の番でした。
複雑でありながらも緒方への想いに一喜一憂していた三本木は可愛らしかったですし、きっとそんな三本木を見て緒方もやに下がっていたろうと思います。
前作よりも糖度は上がっていましたね。
作風に決して派手さはないと感じる谷崎さんですが、期待を裏切られることがないのが毎回凄いなと思うんですよね。
主人公ふたりはもちろんのことですが脇キャラにも手抜きがなく、ご都合主義でないところがキャラを生き生きとさせて素敵です。
前作において緒方が三本木への気持ちをより自覚したのでありますが、
その後もなかなか手を出せない緒方に同情しつつ可愛い30男だと思って、ニマニマしてしまいます。
相変わらずどケチで天然で、どうしてもお荷物ぎみな三本木ですが、彼の気持ちの真っ直ぐさや彼なりの気遣いがより随所に表れており、読者側としてもついつい三本木を可愛く思えてきちゃうのですよね。
そんな恋愛面の楽しみも、前作以上でありました。
さて今回は、彼等より一段上手な食えない爺様方が沢山登場。
そんな爺様方相手に一筋縄で行くはずなく奔走させられ、なんとか着地点を探っていくわけですが、
自業自得とはいえ相変わらず算段が上手く行かない桂丸と貧乏くじな嵯峨に笑い、古狸に相対する緒方の格好よさにほくほくし、三本木の強情ぶりとケチっぷりにトホホとなるw
そしてもう一人の新キャラである弦さん!
次は彼が話を引っ掻き廻してくれるのでしょうか。
三本木も少しは自分の気持ちを自覚し始めたようですし、身体だけでなく心も陥落するのも時間のうちなんでしょう♪
大事に大事に三本木を抱く緒方に、大変萌えさせていただきました!
骨董屋「尾形」の店主・邑を中心として、人のしがらみやなんやを骨董品に絡めて展開されるシリーズの第二作。
キャラクターが実に食えない面々がそろっておりますが、今回新たに登場したのは
邑の幼馴染で、馬が合わないという天然王子キャラでオペラ歌手の弦が登場♪
いったい彼はどうしてここに登場した?www
前作の終わりに導入部分がありました。
女優の楓京子が邑の元に訪れて尋ねた自分の実家に代々伝わる媚薬の入った壺の話。
三本木が見た、桂丸と女性の会話。
そして、この巻の始まりである、邑の祖父の知り合いで似ても焼いても食えない怪しいブローカー北白河の、邑に頼んだお使い。
それらがすべて、この媚薬の壺に絡んだ謎解きにつながっていくという展開なのだが、
とにかく騒がしい面々が集まったので、なんか集団でダダダー!あっちでダダダー!こっちでダダダー!とお笑いオンステージを見ているようなw
かといって全くのコメディというわけではない。
三本木のケチから出た錆という偶然も、きっかけではあるのだが、
それぞれのキャラクターがそれぞれの何等かのしがらみを抱えたうえで関係してきてしまうのです。
ただ、弦だけは・・・(爆笑)
邑の祖父というとても代わり者の人のおかげで(もう既に鬼籍に入ってるが)彼の面倒事を邑がしょい込まされるような形になっている。
これもある意味人間関係のしがらみなのか。
こうした人間関係のしがらみの中、相変わらずラブは薄いのだが、それでも着実に三本木は邑が気になるし、邑は三本木が好きだからこそ、彼を守ろうという行動に出る。
どうやら、過去邑が好きだった女性に似ている(外見のみ)のだが、その過去とは?
相も変わらず気になるものだ。
謎ときという部分でも骨董という世界においても、大変に興味深く面白い展開を見せる本作品。
まだまだ続きます。
(やっぱりくもはる絵で脳内展開されておりまぁ~す♪)