君を殺した夜

kimi wo koroshita yoru

君を殺した夜
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神26
  • 萌×214
  • 萌29
  • 中立6
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
17
得点
279
評価数
77
平均
3.7 / 5
神率
33.8%
著者
夜光花 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥533(税抜)  
ISBN
9784199004186

あらすじ

「ここから飛び降りたら、お前を好きになってやる」。10年前、幼馴染みの聡(さとし)の告白に幸也(ゆきや)が出した条件だ。何においても優秀な聡が妬ましくて、酷く傷つけたかったのだ。そんな幸也が勤める中学に、聡が新任教師として赴任してきた。聡は「お前に罪の意識があるなら、身体で償え」と、幸也に強引に迫る。けれど、聡は辛辣な言葉とは裏腹に、優しく幸也を抱きしめてきて…!?

表題作君を殺した夜

中学教師、25歳
中学教師、25歳

レビュー投稿数17

受けの気持ちの変化がいまいち、ピンとこず…

執着攻め作品(小説)にハマっており、ちるちるさんの過去記事から辿り着いて購入した、こちらの作品。

たしかに”執着攻め”のお話でした。
(※以下内容に触れています)

=======================



日頃から「こいつには敵わない」と攻めに対して劣等感・嫉妬を抱いていた受け。
そんな中、自分の父親と攻めの母親の不倫現場を目撃ししてしまいます。

何かが爆発し、攻めが自分のことを好きだという感情を利用して、
「ここから飛び降りたらお前のことを好きになってやる」と言うと、攻めは迷わず飛び降りてしまい…

そんな学生時代の忌まわしい記憶を引きずったまま、勤務先の高校で攻めと再会してしまい、贖罪のために抱かれるようになってー

というストーリー。

攻めの聡が学生時代から幸也のことを好きで好きで、酷いことをされても想いを捨てきれず、転職してまで追いかけてくる、という執着っぷりは確かに好きなのですが。

なんだか、最後まで萌えきれず、不完全燃焼で終わってしまったな、、?というのが正直なところなのです。

というのも、ものすごい劣等感と罪悪感に苛まれていた受けが、贖罪の意識から体を差し出し…というところまでは理解が追い付いたのですが、終盤で急に自分の想い(?)に気がつくという展開が性急すぎる気がして。

「対等な存在として認められたい」と思う相手・自分を熱くさせるのは聡だけだと気付く→恋愛感情になる、という流れにいまいち納得できず、悶々としたまま読了。

受けが絆されていく過程を、もう少しじっくり見てみたかったなと思います。

ただ、二人が初めて体を重ねる時の攻めの行為の丁寧さ、これがとても私好みでした。解すのもそこそこに突っ込んじゃう…という執着攻め様も多い中、受けを恨みながらもどうしようもなく愛している気持ちが伝わってきて。

そして皆様おっしゃるように、乳首責めがすごい。フェチの方にはたまらないのではないでしょうか。

0

切ない、攻めの想いが切なすぎる

同級生で、ある出来事から二人は互いに離れることに。。。

受けの幸也はイケメンで若い教師なので学校でもモテモテ。同僚の女性教師ともうまく行っており、女子サッカー部の顧問をしていることもあって、生徒からも慕われる存在だったが、そこへ中学で離れた攻めの聡が新任教師としてやってきた。

幸也は聡に対して過去の負い目があり、さらに色々なことで負けてしまう自分にコンプレックスがあり、聡を敵対視してしまっていた。
聡の方は、昔から幸也のことが好きで、再会後は彼女がいても体の関係だけで良いからと無理矢理に幸也を開かせる。

もうね、幸也がダメダメなやつなんです。
なんでそこまで?って思うくらい。多分、何もかも聡に敵わなかったと言うけど、普通に世間一般的には悪くない感じなのに、変な劣等感が邪魔をして深みにハマっていってる感じ。
聡に対する感情からそうなってたんだね、ってのが最後にはわかるんですが、そこの部分が少々駆け足に思いました。
対して聡はある意味怖いくらいに幸也を好きで、就職してたのにわざわざ教師に転職してまで追いかけて来ちゃう、ある意味ストーカ。幸也の弱い部分をついて、体の関係を強要しちゃいますが、やはり気持ちがあるからか本当にひどいことはしてないんですね。執着モノを読みすぎてるからか、そこまで酷い執着には思えなかったな。

幸也が覚悟を決めたことで、二人は付き合うことになりましたが、この先を見たかった!!
SSとかあったらな。

0

すんごい執着攻めだった

同級生の再会ものが読みたくて、「同級生」「再会」にチェックしてヒットしたのがこちら。

不穏なタイトルからして、私が求める切ない再会ものではないとわかった上で読んでみましたが、うーん濃かったし、面白かった。
萌えは正直あまり無かったけど、一体どーなっちゃうのぉ???と先を知りたくグイグイ読ませてくれる作品で面白かったです。

それにしても凄まじい執着攻めだったなぁと、読後にちるちるを見たら、「受けが好きすぎてもはやホラーな執着攻め小説8選」にめでたくも選出された攻め様だったのですね、なんか納得。
もう攻め自身も己をコントロール出来ないような執着だし、攻めの存在は受けにとってもはや災難でしかないわ…と思ってたんだけど、
「好きになって…ごめん…」と言う攻めがなんかやたら哀れで、きゅきゅーん!としちゃいました。

あと、攻めの心、受け知らず過ぎるわ…。
そこもなんか気の毒だった。

だけど受けが子供のころから味わってきた息苦しさ。
そういうものが読んでてよく伝わってくるので、受けにも同情したし。

もう残り少ないけど、ちゃんとくっつくのかなぁ?まさか突如受けが愛に目覚めちゃうの?と思ってただけに、あの終わり方で良かったです。
でも、ちゃんと恋人らしくなった二人も見てみたいな。

0

攻めの執着具合が良かった!!


要約すると、学生の頃に酷い扱いを受けた攻めが、受けと同じ教師となって再会し、復讐していくお話です。

自分の身を捧げてもいいくらい、受けが大好きな攻め…いいですよね。

元隣人で仲の良かった二人。
とある出来事から攻めが異常な執着で受けにベッタリして中学生になる頃には大胆にも告白するまでになります。
それを疎ましく思った受けが距離をとり「ここから飛び降りたら好きになる」と挑発してしまいます。

そこから二人の関係が一気に崩れ、疎遠になり、社会人になった今再会。
受けには彼女が居ますが、そんなのお構いなしなくらい攻められます。

端々に仄暗い執着が現れたり、復讐とはいえ、そこには受けを好きすぎる一途な思いがあるのでドロドロ感はあまり感じられませんでした。
むしろ、受けの恋人の方が面倒なくらい(笑)

攻めと比べられてきて劣等感に苦悩する受けの気持ちも、ひしひしと伝わってきます。

しかし、それを一網打尽にする攻めの怖いくらいの執着を見せる場面は最高!
一例を挙げると、離れていてもまた会えると信じて攻めは陸上を続けたところなど…。

これ以上はせっかくの執着の見せ場で楽しさが半減してしまいそうなので、気になる方はぜひ読んでみてください。

3

どよーん、といった雰囲気

不穏なタイトルですが、バッドエンドではありません。
でも「良かったね!オメデトウ!」というノリでも無く、やっと観念したか、といった感じです。

とにかく受けの幸也がネガティヴで、もっと単純に物事を捉えれば良いのに…と思いながら読んでました。
まぁ、過去に聡を酷く傷つけたから贖罪するというのがあるからなんですがね(´ω`)
最終的に聡と付き合う事を決めた幸也ですが、それから彼の聡コンプレックスは解消されるのかが疑問です。

夜光先生は好きなんですが、今作はどうも好みじゃなかったので『中立』かな…。

1

執着攻

ショッキングなタイトルが気になってずっと読みたかった作品でした。死にネタじゃなくて良かったです笑

受に執着する攻が暴挙の合間に見せる、抑えきれない愛情がとても切なかったです。夜光花さんの文章は好きなので読みやすかったです。

ただ、まあ、この手の展開でいつも思うのですが、まともな社会人が復讐や報復のためだけに同性を犯すわけないですよね。回数も然ることながら、行為自体が存外に優しいものであることにも気づいているのに、あんなに後半まで聡の気持ちに本当に幸也が気づいていなかったとすれば、とんだ鈍感野郎だなと。聡も、元カノの皆さんも、苦労したんだろうなぁと思ってしまいました。テンプレといえばテンプレなので、いいのですが。

二人の先生としての在り方や日々の活動などはなかなかリアリティを感じられて良かったです。

2

二人の気持ちがわかるようでわからない。

初めて読んだ夜光花さんの作品。中学校教師同士、幸也と聡のトラウマ+再会物語。

プロットがきっちり組まれていて、幸也と聡の過去に何があったのか時系列を遡るサスペンス的なストーリー展開が面白いはずなのですが、肝心の重要なエピソードがわたしの中ではスルっと流れていってしまいました。この作品に関してはなんとなく人物造形の肉付けが物足りないというか、緻密な筋の骨組みだけが浮いて見え、読んでいて折々に気になってしまいました。文章が合わないわけでもないし、濡れ場もむっちゃ滾るし、暗い感じも好みだし、なのに下腹がきゅーっとなるようなシーンに遭遇できませんでした。設定が苦手なわけでもないのですけれど…。小説を読んでいてしっくりこない感じ、初めて経験しました。

幼なじみの二人がまだ子供だった頃の家庭環境にこそ、幸也が聡を避けたがる根深い問題がある点が丁寧に描かれていました。けれど聡が命を賭してまでキツい目に遭っていながらも幸也への愛憎の深度が意外とぬるく、かといってわかり易いツンデレでもなく…。幸也も肉体的な快楽に流されず、ちゃんと抵抗しているのがわかるのですが、聡との対峙を怖がりすぎなのか過去と向き合うことからすぐに逃げる。そこらへんが萌えツボを掠めそうで掠らない、もどかしいところだったのかも。ひとえにキャラに萌えられなかったのかなぁ。

幸也が受け持ちクラスの谷口くん。序盤、彼が何かしら幸也と聡の間に関わってくるのかと思ってドキドキしたのですが至極まっとうな役割を果たしてくれており、杞憂に終わりました…。

夜光花さんは他にも有名な作品がたくさんあるので、楽しみに少しずつ読んでいってみたいと思います。しかしこの頃の小山田あみ先生の絵はたまりませんね。あと、他の方のレビューでも多くご指摘されていらっしゃいますが、びーちく責め萌えの方は楽しめるのではないかと思います。

3

もはや受けが不憫

他の方も書かれているように
受けである幸也は結構なマイナス思考の持ち主です。
ですが、どちらかというとウジウジオドオドとしたタイプの卑屈さではないので苛つく程ではありませんでした。
聡の重すぎる愛情や幸也の家庭環境などから鑑みると、彼の精神にかかった負担がその後の人格に大きな影響を与えた結果なのだと納得もできます。
そして聡が言われた通りに飛び降りてしまったことは、寧ろそこに追い打ちをかける行為だったのではないかとも思いました。
そんな行動に出た根本的な原因は幸也自身が出した条件なのですけども。

結局最悪の形とはいえ聡と離れ、
劣等感や自己嫌悪に苛まれる日常から表向き解放された幸也でしたが
社会人になり同じ教師として再会したことで
再び訪れた、コンプレックスに悩まされる日々。
なんというか…彼は、家族や周りの人間に恵まれなさ過ぎている気がしました。
特に女性関係(母親等を含め)では女難の相でも出ているのかと思うほど…。
逆に幸也のネガティブな部分が
そういう状況を呼び込んでしまうのでしょうか。
ただ個人的には、そんな幸也のマイナス思考一直線な所や、
聡のヤンデレ一歩手前な執着具合は嫌いではありませんでした。
寧ろ二人とも違うベクトルで一途すぎて清々しいくらいです。
なので、それ程負の感情満載だった幸也が終盤で
聡への劣等感の根底にあったものを自覚し
気持ちを浮上させた展開が少し唐突に感じました。
もうちょっとマイナス方面に沈んで逃げる幸也を見たかったかもしれません。
まあ、あれ以上振り回したら
それこそ聡に命ごと持っていかれそうですがね。

4

攻めの思いが重い!(好きです!)

それぞれのキャラクターに共感する部分がありました。
特に主人公の幸也(受け)の屈折した気持ちは、苦しくなる程、伝わってきます。

昔は助けてやる位に思っていた泣き虫?な聡(攻め)が、勉強でも体力的にも自分を抜き、周囲から比べられる度、劣等感が重なって、聡に対して優しく接することが出来ない。
離れたくても「幸也が好きだ・・・」と付いてきたり、尊敬していた父親の口からは「聡くんは良く出来た子だね」そして最後には、父は聡の母親と不倫。こんなことになったら、誰だって感情が崩壊すると思います。

その矛先が全て、彼を慕う聡へ行ってしまい。「飛び降りたら・・」と言ってしまったのだと思います。幸也は、真っ暗な世界は一人では辛すぎて、自分の様に傷ついた彼も一緒に落ちて来て欲しかったのかな。とか・・・思ったり。

父に選ばれなかった自分と母。そして大人になっても親(母)に認めて貰いたい気持ちで教師を選んだ自分。無意味だと思っても、それでも手を伸ばさずには、誰かに受け入れて欲しいという気持ちは、止まらないのだと思います。ずっと主人公の手を繋ごうとした子が近くにいたのにも気づかずに・・・いや、気づいていて、でも受け入れることは出来なかったかもしれませんが。切ない。

親が「無理しなくてもいいんだよ。一番大切だよ。ありのままでいいんだ。」って一言、言ってあげれば、彼はこんなに苦しまなくてすんだと思います。(当たり前かもですが親も教師も人間ですから、完璧ではなく・・・)
それは、不登校の谷口くんも同じで、母親が怖いながらも、期待に応えらない自分が辛かったのかな・・とか。
攻めの聡も谷口くんの母親も、女子生徒も幸也の彼女もそれぞれ誰かを思いすぎて、周りが見えなくなって傷つけて、それで後悔して、でも手放せない。そんな登場人物みなの気持ちが、共通しているように思えました。

そんな中、聡の執着っぷりは、断トツで半端なかったですが・・・!!主人公は復讐だと思ってるけど、こちら側からしてみれば、攻めが必死過ぎて、好き好きオーラ溢れてますよ!と何度ツッコミたくなったか。。どんだけ好きで余裕がないんだこの人は・・・と思ってしまうほど(笑)無理やり抱いて「どうしたら俺のこと好きになってくれるんだよ・・!」とかドツボでした。ごちそうさまでした。

最後のシーン、受けの気持ちを考えると時間が必要かなと思えるので、すごく綺麗に幕がとじたように感じました。
いっそ付き合おうとか言わずに、友達として最初からやり直したい位言ってもいいんじゃ・・とか思いましたが、攻めの長年の思いが悲しすぎるかな?というのと、あの聡さんのことだと、監禁くらいやりかねない・・と思うので(笑)む・・報われて良かったね!

お話も勿論のこと、小山田あみ先生の綺麗なイラストと挿絵が色っぽくて、大変美味しかったです。

4

苦しいほど 壊れるほど 愛してる

設定と構成が素晴らしすぎる。
作中に出てくるキャラと脇役全員きっちり役割を果した。

執着攻めお好きな方にとってはたまらない一作。
「好きになってくれないのが分かったから、別に死んでもいい、一生お前を縛ることができるならーー」
自分を追い詰めて、受けさまを追い詰めて、報われないと分かっていても、この病的なほどの想いを諦められない。
攻めさまは狂おしいほど、祈って、求めて、ただただ、受けさまの愛が欲しい。
その反面、受けさまは攻めさまに感じている負の感情が大きすぎて、自分の本当の思いを見落としてしまった。
作中の中で、一番可哀想なキャラは受けさまではないか?
罪悪感、劣等感、自己不完全感など負の感情を抱えながら、十年間生きてきた。
家庭(母)、学校(仕事)、恋愛問題(彼女と攻めさま)で追い詰められて、よくも飛び降らなかった…

ラスト、受けさまは色々と整理ができて、学校を辞めて、自分の気持ちにけりをつけた。
屋上Hの解放感が素晴らしい。
やっと報われた攻めさまに拍手!
これからは二人でもうすれ違わないように幸せになって欲しい。

お二人の後日談が見たいですよ先生ー!

8

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