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運命だと分かっていても 番になれない
jaren enka
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
笠井先生ホイホイで購入。全頁ヤってるという勢いのヤさん話。ひたすら色っぽいお話読みたい時には最適なのでは。本文190頁ほど+後日談25頁+あとがき。さすが西野先生。潔し!
母が一ノ葉会組長の愛人だった関係で、一ノ葉会で娼夫をしているオメガの鼓巳(つづみ)。一ノ葉会の後継者である義兄のアルファの清武は、鼓巳の特別なオメガフェロモンにも反応せず、鼓巳を大切にしてくれていて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
藤治(攻め父、組長)、弘(一ノ葉会のお抱え医師)、三橋組の方々少々。弘さん優しく感じられて好きだなあ。
++攻め受けについて
攻めは王道ヤさん後継ぎさん!笠井先生の描かれている絵の通りの、強者。受けをずっと大切にしているところが良いです。
受けさんは本当に全頁にわたって、誰かに可愛がっておられる印象の方。なんとか組の役に立たなければと娼夫してるし、攻めのためにならないと、組を出ようとするし、王道な印象。
弘さんが優しい感じで好印象です。3Pもありますので、得意じゃない方は一応ご注意いただいた方がよいかと思います。
ヤさんものでオメガバ組み合わせて、つゆだくにしてみました!という印象のお話でした。いやあーぐちょんぐちょんです。さすが西野先生!
まってまって。
西野先生の新刊~~といつもの調子でエロモードで読み始めたら、エロ以上にめちゃめちゃストーリーが面白い。
組長の養子として育ちながら、とある事件を起こし、その落とし前として組の取引用娼婦になったオメガの鼓巳。特殊なフェロモン体質で接待客を次々と虜にしながらも、彼の想い人は、義兄で次期組長の清武ただ一人だった。清武は鼓巳の初めての男になってくれただけでなく、接待後の自分を毎度激しく抱き、「いつかこんな仕事から足を洗わせてやる、番になろう」と独占欲まで見せてくれる。しかし組への負い目や清武の立場を考えればそんな未来はあり得ないとわかっている。清武の縁談話を機に、とうとう彼の側を離れる決意をした鼓巳は清武にわざとひどい言葉をぶつけて家を飛び出したが――。
キーワードだけを抽出すると、「ヤクザ」「義兄弟」「娼婦」「オメガバース」というよく見かける言葉なんだけど、それを上手く組み合わせたストーリーは不思議と凡庸じゃない。
かと言って、変に肩肘を張っているわけでもない。
BLあるあるなお約束展開もたっぷり。
なにこの丁度よい塩梅。
様式美は楽しみたいけど、ただの二番煎じなら読みたくない。
中身のある文章が読みたいけど、あくまでエンタメだから疲れちゃうのは勘弁してほしい。
エロはとことん潔く。
わがままBL読者の願いを全て叶えたような丁度良いチューニング。
もちろん、もっと伏線バリバリ重厚ストーリーで語彙も描写も感動量も桁違いの作品がこの世にたっくさんあるのは知っています。
でもそういうのって、ちょっと疲れちゃうんですよね。
何回でも気軽に読めて、その度に好き!面白い!BL最高!ってピュアに思えるのはこっちの作風なんだよなぁ。
特に好印象だった点が、攻がアルファなのに特異体質のため、オメガのフェロモンに影響されないという設定。
オメガバースといえば「突然のヒートに巻き込まれた受と攻が、本能に抗えず激しいセックスをせざるを得ない状況に陥り……」というのがド定番。
でも、正直このテンプレがちょっと苦手だったんですよね。
だってセックスの理由も目的もその後の恋愛展開も、全部「ヒート」任せだから。
もちろん誰が見てもわかりやすいし、諸々スピーディーかつ自然に盛り上がれて便利な設定だとは思うけど、
……でも、でも、なんか薄っぺらくない?
手軽にお腹は膨らむけど、味は均一でインスタント食品みたいじゃない?
「ヒート」がなかったらセックスに至るまでに、もうちょっと情緒とか葛藤とか距離を詰める過程とかあるはずだよね??そこは書いてくれないの??
と長年抱いていたモヤモヤをブチ壊してくれたのが、この「アルファなのにフェロモン効かない設定」です。
これ、本当に良かった。
攻の発情は全て、「バースシステムではなく、シンプルに受のことが大好きだから」という揺るがぬ証拠になり、より一層清武の溺愛ぶりが引き立つ結果に。
一方で受のフェロモン過多+ヒート設定は、受がウリをするに至った理由、そして後半に敵対する組と戦う武器としてのみ機能しています。
つまり、恋愛情緒をあまり必要としない外野ストーリーはバース設定でショートカットし(読者の負担減)、メインの恋愛パートはバース性に寄りかからず、二人の心の変化を丁寧に描いてくれているんです(読者の満足度増)。
ありがたや!
こういうのが読みたかった!
ちなみに恋愛パートは「自分なんかじゃ相手を幸せにできない、身を引かなきゃ」という古典パターンもあれば、結婚式の白無垢姿で「結婚してもあなたのお友達と3Pしてもいいよ」という大胆発言もあり、なかなか良い緩急のつけ具合でした。
濡れ場の激しさは西野先生の作品の中で言うと、下の上~中の下くらいかな。
もちろん他作家さんに比べれば盛り盛りには違いないですが。
モブレ、3P、お医者さんプレイもあるけど、精神的には1on1なので変態アヘアヘ系ではなく、しっとり切ない系です。
その他恋愛パート以外のショートカット具合はバース以外にもとことん潔くて、
・ドンパチするけど身内は死なない
・特に攻様は銃撃されても動けるし、わりとすぐ治る
・指詰めあるけど、案外元に戻る
・親父、わりと性格丸くなれる
とツッコミどころ満載!
でもハピエンに越したことありませんからね、そこは優しく見守り楽しみましょう。
薄すぎず、重すぎず、まあまあエロくて面白い溺愛ヤクザモノ。
笠井あゆみ先生の美麗イラストと合わされば、まず読んで損はないと思います。
作家買い。
西野さん×笠井さん、そしてこのタイトルにあらすじ。どこをどう切り取ってもエロいんだろうな…、としか予想できず、でも発売を心待ちにしていました。表紙が笠井画伯のエロバージョンなので(これ、挿入しとるよねえ…。という構図であります)、リアル書店で手に取るのは若干勇気がいるかもです。
主人公は一ノ葉会の現会長の養子である鼓巳。
彼は綺麗な容姿を持ち、さらに「アルファ殺し」という異名さえ持つほどのフェロモンを放つ特異体質のオメガだ。どんなアルファでも虜にしてしまう。その体質を利用して、組のために取引相手と寝る。養父である組長の命令で。
けれどそれは、かつて彼がしてしまったことの贖罪として鼓巳自身が望んだ事でもあった。そんな鼓巳を愛し、守ろうとするのが現組長の息子で鼓巳の義兄にあたる清武。清武は子どもの時から鼓巳を守り、愛をささやく。そして鼓巳もまた清武を愛しているけれど、でも清武の手を取ることはできないと思っている。
清武は一ノ葉会の次期組長。そんな彼の横に立つのは、自分ではないと思っているからー。
ストーリーとしては王道の展開と言える作品です。
とある事情により一ノ葉の家に引き取られ、そのビジュアルとオメガという体質を活かして組のために身体を張る受けさんと、そんな受けを愛し、守り続ける攻めさん、というお話。
鼓巳はいろいろな男に抱かれます。
それは取引先の人物だったり、自分を診てくれている医師だったり、はたまた敵対する組を潰すためだったり。それはひとえに、愛する清武のため。
清武もまた鼓巳を愛していますが、二人を割こうとする因子もたくさんあってですね、まあこの二人はくっつくんでしょ?と思いつつ、でもハラハラする展開でした。
鼓巳はいろいろな男に抱かれるので、モブ姦が苦手な方にはちょっとお勧めできません。が、ベースとしてはスパダリ・清武に愛され守られている鼓巳、という部分が崩れることはないので、シリアス度はそんなに高くないかなと思います。清武の、鼓巳が子どもの時から変わらぬ鼓巳ファーストっぷりはあっぱれですらあります。
で。
今作品はストーリー云々、というよりはエロを楽しむが良き作品かと思われます。作中、鼓巳はほぼ誰かに抱かれています。ありとあらゆるプレイが描かれています。あんなことやこんなことまで、がっつり致しています。正直お腹いっぱいで濡れ場は読み飛ばしてしまったほどです。
が、西野さん×笠井さん、というゴールデンコンビで描かれる世界観はさすがです。鼓巳の身体には刺青(タトゥーではなく「刺青」です)ががっつり入っていますが、これが綺麗なんですよ。笠井さんの圧倒的な画力とそこから醸し出される独特な世界観が素晴らしい。
表紙にも描かれていますが、鼓巳の刺青は蛇。この蛇の刺青が淫靡で良い…。鼓巳は身体を売らされている、そんな青年ではあるのですが、その実、男たちを喰い、彼らを跪かせているのは鼓巳の方です。彼の魅力の前ではだれもが触れ臥す、そんな男性です。その鼓巳の身体に入った蛇の刺青が、さながら彼を象徴しているようでゾクゾクしました。
この鼓巳という青年の危うい美しさを笠井さんがきっちり描き切っていて、小説と相まって、淫靡で、切なく、けれど深い深い愛情を描いた1冊でした。